----- 日経平均株価は週明け後に上昇するなら、9月上旬までに24000円突破の公算も
〇 優先順位の高い情報は今起こっている動き
日米とも、今年前半の景気の失速は鮮明であり、ウィルスの問題が依然として燻っている中で、期待していたV字回復を想定しにくい状況となっています。
それにもかかわらず、株価は堅調に推移し続けています。
個人的には、強い理由も明確であって、年末へ向けて、まだ十分な上げ余地があると見ているので、上昇の動きをすんなりと受け入れられますが、多くの方は違和感を持っているのではないでしょうか。
7～9月の夏枯れと呼ばれる時期に上昇の流れを作っているのですから、長く市場にかかわってきた人ほど、先行きに不安を感じているはずです。
そこで、主観を排除するためにも、今回は、まず、値動きを予測するときの優先順位を確認しておきます。
判断の基準になる優先順位の最も高い情報は、今起こっている事象から推測できる展開です。先のことはわかりませんが、目先、どうなるということは、今、まさにあらわれている値動きから推測することができます。
自分の思惑は、経験値から推測できる展開ですが、あくまでも妄想の範囲を抜けられません。
長期的な値動きは、戦略として作られるものですから、予測というよりも、「（策略を）見抜く」という作業だと考えてください。人の仕掛けによって作られる動きがなければ、未来は予測不可能なのです。
これも個人的な意見になりますが、長期的な戦略を見抜くことができたと思えるようになることが、少額の投資家が利益を得る唯一の方法だと考えています。
今起きている事象は、まさに今の情勢をあらわしているものなので、それを無視してはいけません。
チャートは、その時点で、買い側と売り側のどちらが優勢であるかを示します。
明らかに弱い流れができていて、上値を強く抑えられる動きになったなら、たいていの場合、それをきっかけにして、下降の流れが勢いづき、下げ幅の大きな動きがあらわれます。そうならないなら、その時点では、多くの市場参加者が、積極的に買いたいと思っていないが、下げ余地が十分にあると見ていないのだと判断できます。
〇 日経平均は週明け後の上昇開始を無視できない展開になった
月曜日に下げが勢いづくパターン
図表01は、最近の日経平均株価日足です。
日経平均株価は、8月14日に戻り高値23338円をつけた後、下値を試す動きへ入っています。
下降開始から4営業日目（個人的に一時的な調整の押し目をつける可能性が高いと推測している期間）となる、8月19日に価格が反発して、それまでの下げが一時的な調整である可能性を示しました。
その翌日、8月20日は、19日の安値を割れて、その結果、上値、下値を切り下げるはっきりとした弱気の流れを示す格好になっています。
さらに、21日は、価格が反発しましたが、19日の反発でつけた高値を前に上値を抑えられて、あらためて、（19日の高値付近）23000円以上の値位置の上値の重さが露呈しています。
現時点で言えば、明らかに多くの市場参加者が上値に対する不安をかかえていると見ることができる状況です。目先、下げ余地が十分にあるなら、週明け後、一気に下げが勢いづく場面です。
月曜日は、寄り付き値で下放れて、そのまま陰線で引ける動きとなって、週明け後の1～3営業日程度で、22500円以下まで下げるはずです。
当然、金曜日のNYダウは、価格が大きく下げる動きになって、月曜日の日経平均株価の下放れの準備が整うと推測していました。
8月から9月にかけて、上値を抑えられるなら、まさに金曜日のNYダウの下げ方が、この時期の日経平均の下値目標値を暗示するという見方をしていました。
実際には、NYダウの始値が20日終値27739ドル以上の27758ドルから始まって、そのまま上昇を開始して、前日終値比190ドル高で陽線引けする展開となっています。
NYダウだけを見ると、8月11日の高値28154ドルをまだ超えていないので、下降を開始するきっかけを待っているもみあいの動きと見ることもできます。
しかし、日経平均株価は、月曜日の寄り付き値が上放れて始まる可能性を考えておく必要が出てきたことで、前述の通り、現時点での下げにくさが明確になる展開を無視できなくなりました。
〇 日経平均株価は月曜日に上値を抑えられるかが焦点
前週末の日経平均先物の夜間取引の終値から推測すると、週明け後の日経平均株価は、22900円前後で始まる公算です。
日経平均株価の8月21日の終値が22920円なので、週明け後の日経平均株価が22900円以下で下放れて始まるなら、そのまま勢いの強い下げの流れへ入る可能性を残します。
日経平均株価の寄り付き値が22920円以上で始まる、または22920円以下で始まっても、すぐに上昇して上値を試す動きになる場合、図表02と03の展開を考えておく必要が出てきます。
月曜日に上値の重さを再確認するパターン
図表02は、寄り付き後、いったん上値を試す動きを経過した後、23000円以上での上値の重さを再確認して、下降を開始する展開です。
こちらの展開になる場合、週明け後は、8月21日の高値23135円へ届かずに、戻せば売られる動きになると考えられます。
こちらの展開になるなら、しばし下値を試す流れを継続すると考えられます。目先、すんなりと下げるよりも、下げ期間が長く、下げ幅が大きくなる可能性が出てきます。
月曜日に上昇するパターン
図表03は、月曜日の価格が上昇して、23135円を超えて引ける展開です。
こちらになる場合、下げが勢いづくはずの場面で、そういう動きがあらわれなかったことで、下げ余地があまりないと判断されて、積極的な買いが入りやすくなったという見方ができます。
積極的な買いが入ることであらわれる動きのため、火曜日には、一気に戻り高値23338円を超える動きになると考えられます。
私は、8月の日経平均株価が6月の高値前後で上値を抑えられて、いったん下げる展開を想定していました。
これまでの見方の通りなら、週明け後は、上値重いもみあいとなって、来週末頃から下降の流れへ入るか、週明け後、一気に下降を開始すると考えられます。
しかし、週明け後の価格が上昇して、23135円を超える展開となるなら、経験則から推測した妄想を捨てて、目先の価格が上昇する展開を考えておきます。
強気の展開になる場合、日経平均株価は、9月上旬頃までの期間で、一気に24000円以上へ上げる可能性が出てきます。