----- NYダウ、日経平均は年末へ向けて大幅高の可能性を残した
〇 今週のNYダウは、1営業日の変動幅が700ドル以上になる可能性を残している
以前より、NYダウの月ごとの変動傾向、下げる、上げる場面での典型的な値動きのパターン、押し目をつけた後の上げ幅が大きくなりやすいなど、いろいろと書いていますが、その内容は、その週だけに当てはまる動きではありません。
前週、押し目をつけて戻り高値を目指す場面では、戻り高値へ到達するまでの期間で、大陽線をつける動き(本年の場合、1営業日の高値から安値までの値幅が700ドル幅以上の動き)があらわれる可能性があると書きました。
前週は、そのような動きがあらわれませんでしたが、今週、もうそんな動きにならないというわけではありません。
今週も、強気の展開になる場合、6月8日の高値27580ドルへ到達するまでの動きの中で、1営業日の変動幅が700ドル以上になる日があらわれる可能性があります。
注意しておきたいポイントは、時間の経過とともに少しずつ値動きがずれてゆくことです。
1か月の変動幅が2000ドル程度になっている年で、ある月の月中での変動幅が500ドルだった場合、その地点から月末までの期間は、残りの1500ドル幅を上下どちらかへ向かうことで取りに行くと推測できます。
そのように見ると、変動幅が500ドルで変わらず、日柄だけが経過して、月末に近づくと、残された日柄が短くなりますが、変動幅に変化がないので、月末へ向けて価格の動く速度が速くなるという予測の仕方になります。
値動きの予測は、毎年繰り返される典型的なパターンに沿った展開になることを基準にして、そこからのずれを見てゆきます。
その年の毎月の値動きが2000円幅以上あるにもかかわらず、その月だけ、特別に500円幅の変化で終わるかもしれないという見方にはなりません。
特別を作り出す材料を事前に知っている以外、特別など考える必要はありません。特別な状態は、結果でしかわからないものなので、あとで特別だったとわかれば、特別を作った理由から、次の展開を推測すればいいだけです。
10日で1500円幅の動きが残されていると推測していて、その動きがあらわれなかったとしても、想定していた値幅の利益が得られないというだけで、大きな損失になるわけではありません。
動かないという結果を確認して、次の値動きを組み立て直すことができれば、その予測は、その時々の状況をより深く理解した上での読みになり、前の月よりも精度の高いものになる可能性があります。
未来を見るときに当たり外れなどありません。時間の経過とともに状況が正確に把握できるようになるだけです。
〇 NYダウは、今週が横ばいなら、7月が上昇する可能性が大きくなる
図表01は、2005年から2019年までのNYダウの変動幅の割合です。
以前、NYダウの月ごとの変動幅について紹介しました。
1か月の変動幅の年間の平均値を算出して、その月が平均よりも大きい変動幅になっているのか、平均よりも小さい変動幅になっているのかを示しています。
100%(1か月の平均変動幅)よりも数値が大ければ、動きやすい月、小さければ、動きにくい月ということです。
表を見ると、4月が動きにくく、10月、11月が動きやすい月になっていることがわかります。
6月は、4月の次に動きにくい月となっています。
本年は、1月の変動幅(月の高値-安値)が1204ドルとなっていますが、2月以降、値動きが激しくなって、2月が4887ドル幅、3月が8888ドル幅、4月が4029ドル幅、5月が2969ドル幅、6月が2737ドル幅となっています。
どちらかといえば、年間を通じて動きにくい6月に、2737ドル幅もの動きになっています。
図表01の変動幅のパターンを考慮するなら、7月は、あまり動かない場合でも、2000ドル以上、2500ドル幅程度の変動幅になる(6月以上と推測できますが、小さめに設定しています)と見ておくことができます。
本年7月は、6日の高値26297ドルから9日の安値25523ドルまで、774ドル幅の動きになっています。
7月が2500ドル幅程度の値動きになる場合、7月中にあと1726ドル幅の動きがあらわれると考えられます。
図表02は、本年7月の想定できる値動きの範囲を示しています。
7月が下方へ推移する場合、週明け後、価格がすぐに反落を開始して、7月6日の高値26297ドルが7月の最高値になると考えられます。
7月が弱気の展開になる場合、おおまかに見て、24000ドル以下まで下げる公算です。
7月が上方へ推移する場合、7月9日の安値25523ドルが7月の最安値となって、現在がすでに上昇の流れへ入っていると考えられます。
7月が強気の展開になる場合、おおまかに見て、28000ドル以上へ上げると考えられます。
7月が横ばいの値動きになる場合、7月は、6月と同様のレンジで推移すると考えられます。
その場合、7月は、いったん6月8日の高値へ上昇した後、すぐに下降を開始して、6月15日の安値まで下げる動きになる公算です。
こちらの展開になる場合、残された期間で動かなければいけない値幅が長くなるので、値動きが激しくなると考えられます。
図表03は、目先の価格がもみあいの動きを継続した場合の見方を示しています。
現在の値動きは、ジグザグに上昇、下降の流れを作り、目標値へ到達する展開になるのではなく、短い期間で一気に上昇して、もちあい入りし、再度一気に目標値を目指す動きになっています。
週明け後、すぐに上下へ振れる動きにならず、ジグザグのもみあいの動きとなるなら、図の青の実線の通り、7月が強気の展開になるという見方が有力になります。
その場合、もみあい期間が長くなるほど、7月末へ向けた上げの流れの勢いが強くなると推測できます。
〇 日経平均株価は、週明け後の価格が上昇すると、24000円以上へ上げる公算
日経平均株価は、7月7日の高値22742円を超えると、現在が上昇の流れの途中である可能性が大きくなります。
その場合、目先は勢いの強い上昇の流れへ入り、7月末までの期間で、24000円以上へ上昇するという見方が有力になります。
週明け後の価格が7月10日の安値22285円を割れるなら、弱気の流れを再確認して、下げが勢いづく可能性が出てきます。
その場合、7月中は下げの流れを作り、6月15日の安値21529円を大きく下回る動きになる可能性が出てきます(図表04を参照)。