【2020年8月30日記】日経平均株価は年末へ向けた上昇の流れの途中という見方に変更なし

----- 日経平均株価は年末へ向けた上昇の流れの途中という見方に変更なし

〇 NYダウは7月、8月と陽線引けする場合、9月が陰線引けしやすい

以前、NYダウは、7月から9月にかけて上値重くなりやすいため、7月、8月が2か月連続で上げ幅の大きな動きにならない傾向があると書きました。

ただ、7月、8月が連続して陽線引けしないわけではありません。上昇を継続する格好で、連続して陽線引けする年も見られます。

本年は、月曜日に1000円以上の下げ幅にならなければ、8月が陽線引けして、7月、8月が連続して陽線引けする展開になります。そこで、下げやすい時期である7月~9月の期間で、7月、8月が連続して陽線引けする場合、9月がどのような展開になっているのかを調べてみました。

1990年以降で、7月、8月の月足が連続して陽線引けしている年は、1991年、1993年、1994年、2000年、2003年、2006年、2008年、2009年、2012年、2018年の10回です。

これらの中で、9月の月足が陰線引けしている年は、91年、93年、94年、00年、03年、08年の6回です。

9月が陽線引けしている年が4回あります。これらの年は、すんなりと上昇しているわけではありません。

06年は、5月から6月に大きく価格が下げて、7月に押し目をつけた後、緩やかな上昇の流れを作り、5月の高値を目指す過程で、7~9月が連続して月足が陽線引けしています。

09年は、結果として陽線となっていますが、8月、9月がジグザグに緩やかに上値、下値を切り上げる動きになっていて、積極的な上昇の流れを作っていません。

12年、18年は、3か月連続してはっきりとした上昇の流れを作りましたが、10月上旬に戻り高値をつけて、3か月間で上げた分のすべてを押し戻されています。

以上のことを考慮すると、7月まで下げの流れを作り、7月に押し目をつけて上昇するケースを除き、7月、8月に連続して陽線引けしている年は、9月が上値重く推移する傾向があると言えます。

7月から9月まで連続ではっきりした上昇の流れを作る場合、下げやすい時期に一気に上げ幅を拡大することで、当面の上値目標値へ達成するため、10月が7月から9月までの上げ分のすべてを押し戻される動きになる可能性があります。

〇 日経平均株価は週明け後の価格が下げるならしばし調整を継続する公算

28日は、安倍首相辞任のニュースにより、日経平均株価が急落しました。14時8分から11分までの4分間で、712円幅の下げ場面となりました。

個人的に首相辞任のショックが大きかったのですが、株価急落をきっかけにして、本年後半が弱気に推移する展開にはならないと考えられます。

誰が首相になろうと、1年以内に選挙が控えているため、経済政策を転換することができないからです。むしろ、選挙のため、追加の経済対策の規模を拡大する可能性があるので、年内の株価にはプラスに働くことも考えられます。

ただ、28日の下げは、8月5日の高値23431円が目先の強い抵抗になる可能性を示す動きだったと言えます。

前述したNYダウの予想できる9月の展開を考慮すると、日経平均株価は、9月中、下値を試す動きになることも考えられます。

その場合、月初から下げの流れを作り、9月中旬頃までの期間で、積極的に下値を試す動きになると考えられます。

年末へ向けて上昇するという見方が正しければ、9月中旬以降は、下値堅い場所を確認する作業を経過して、上昇を開始する公算です。

下値の目安は、3月25日~4月3日までの下げ幅(1918円幅)と同程度の下げ幅になる21513円前後が挙げられます。

週明け後の価格が下げて、28日の安値22594円を割れる動きになる場合、しばし下値を試す流れを継続すると見ておきます。

〇 日経平均株価は週明け後の価格が上昇する場合、上げ幅の大きな動きになって、積極的な上昇の流れへ入る可能性がある

前週末のNYダウは、寄り付き値で上放れて、そのまま上昇の流れを作っています。現在が、勢いの強い上昇の流れの途中だと推測できる動きになっています。

週明け後、NYダウの上昇の流れに変化がなければ、日経平均株価は、28日の下げで示した弱さを払拭する勢いの強い上げ場面になることも考えられます。

8月4日から7日まで、日経平均株価が下げる動きの中で、NYダウが上昇しています。日経平均株価は、7日に押し目をつけた後、急上昇を開始して、8月13日までの期間で一気に1000円以上の上げを経過して、6月の高値を超えています。

週明け後、NYダウが上昇継続なら、日経平均は、8月7日以降と同様の急激な上げ場面になることも考えられます。

28日の下げが一時的な動きで終わるなら、月曜日は一気に上げ幅を拡大して、28日に下げた分のすべてを戻す動きになる可能性があります。28日に示した弱さを払拭する動きです。

そのような展開になる場合、9月前半は、上昇の流れを継続して、24500円以上を目指すことも考えられます。

図表01は、日経平均株価日足と、想定できる目先の展開になります。

図表01 日経平均株価日足と今後の予想線

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