【2020年5月03日記】NYダウは22634ドル前後が今後の強弱の分岐点

----- NYダウは22634ドル前後が今後の強弱の分岐点

1. 今回のメルマガは現時点での強弱のポイントを紹介

米国は、新規感染者数が減少に転じて、感染拡大のピークを過ぎたという見方から、各州で人の移動の制限の緩和を始めました。
このまま徐々に日常へと戻ってゆくことを前提とするなら、NYダウの3月23日の安値18213ドルは、来年前半までの底値になると考えられます。
米中の覇権争いの中で、米国がこれ以上の遅れを容認するとは考えにくいことから、個人的には、新型コロナ・ウィルスの状況にかかわらず、6月頃からの全米での経済再開が既定路線だと見ています。

これまで、前週末にもNYダウが25000ドル以上へ上昇する展開を想定してきました。しかし、実際には上値重い状態が続いています。
想定の通りの展開になっていないので、3月23日の安値が底値であるという見方が間違っているということも考えておく必要があります。
そこで、今回は、過去に暴落とも呼べる下げを経過した後、底値をつけて価格が上昇を開始する場合、その上昇の初期段階ではどのような展開になっていたのかについてお浚いします。
現在が過去の経験則に当てはまる値動きとなっているなら、まだ上昇の途中の可能性を残します。そうでなければ、5月に18213ドルを試す動きになる可能性を考えておく必要が出てきます。


2. NYダウの過去の暴落後の上昇の仕方

図表01 NYダウ月足
図表02 2003年前後のNYダウ日足
図表03 2009年前後のNYダウ日足
図表04 2016年前後のNYダウ日足
図表05 2019年前後のNYダウ日足

図表01は、NYダウ月足です。
図中の四角で囲っている部分が暴落後に底値をつけた場面です。
図表02~05は、図表01で囲っている部分のNYダウ日足になります。
2003年3月に底値をつけた後は、大陽線を数日継続して、一気に上昇した後、ジグザグに上値、下値を切り上げる流れを経過して、5月下旬頃から、はっきりとした上昇の流れへ入っています。
2009年3月に底値をつけた後は、大陽線を数日継続して、一気に上昇した後、ジグザグに上値、下値を切り上げる流れを経過して、6月にいったん日柄の伴った調整の後、7月からはっきりとした上昇の流れへ入っています。
2015年8月、2016年1月に底値をつけた後は、底入れ型を形成した後、急激な上昇の流れを作り、一気に以前の戻り高値まで上昇しています。
この場面は、その他の底値の場面と違い、上げが勢いづいてしまうと、すぐに到達できる程度の下げ幅でした。
最後の2018年12月に底値をつける場面では、一気に上昇した後、ジグザグに上値、下値を切り上げる動きを長く継続する格好で上昇しています。

2015年、16年のように上昇が勢いづいてしまうと到達できる値幅なら、一気に戻り高値を目指す展開になる場合もあります。
また、底値をつけた後、再度、安値圏まで下げる動きになることも考えられます。
一方で、2003年、2009年、2018年のように、上昇が一時的に勢いづいただけでは到底到達できない値幅の下げを経過して、底値をつけた後は、急落後の反動高で下値堅さを確認して、その後、上値余地を探りながらじっくりと上昇していることがわかります。
また、底値を確認した後は、最初の反動高で急上昇した部分の値位置以下には下げずに上昇しています。


3. NYダウはしばしジグザグに上値、下値を切り上げる動きを継続する公算

前述したNYダウの底値をつける場面での経験則を考慮すると、3月23日の安値18213ドルが底値になって、すでに上昇の流れへ入っている場合、今後は、価格が下げても、上昇の初期段階で急上昇した値位置であり、現在の上値の重い動きへ入るきっかけとなった場所である、4月7日の安値22634ドルを大きく下回る動きにならないと考えられます。

図表06 最近のNYダウ日足と予想線

図表06のNYダウ日足には、過去の値動きの経験則にしたがって推測した今後の予想線を引いています。
この見方が正しければ、4月29日以降の下げは、上値、下値を切り上げるジグザグの動きの途中となり、4月21日の安値22941ドルを維持する格好で上昇を開始する公算です。
また、週明け後、下げの流れを継続する場合でも、22634ドル前後で強く下値を支えられて、上昇を開始すると考えられます。

週明け後の下げが22634ドル付近で下値を支えられず、22634ドルを割れる過程ではっきりとした弱気の流れを作ると、その時点では、18213ドルが底値ではない可能性を考えておく必要が出てきます。


4. 日経平均株価は週明け後、すぐに上昇できるかが焦点

NYダウの3月23日の安値18213ドルが底値になっている場合、GW明けのNYダウは、押し目をつけて、再度上値を試す動きへ入っている途中に位置していると考えられます。
GW明け後の日経平均株価は、5月1日の陰線の範囲内か、その付近から始まって、すぐに上値を試す動きになると考えられます。
GW明け後、日経平均株価が下降の流れを作る場合、それは、NYダウが22634ドルを割れて、下降の流れへ入っていることであらわれている動きだと考えられます。
その場合、日経平均株価は、5月中に3月19日の安値16358円を試す動きになる可能性が出てきます。

図表07は、強気の展開を継続する場合の日経平均株価の予想線になります。

図表07 日経平均株価日足と予想線

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