----- 日経平均株価は今週押し目をつけて再上昇を開始の公算も
〇 NYダウは年末へ向けて上昇傾向があるが一本調子になるわけではない
以前より書いている通り、NYダウは、年末へ向けて上昇する傾向があります。
価格は、ほとんどの年で10月頃までに年末までの最安値をつけて、年末へ向けて上昇を開始しています。
1990年~2019年までの11月、12月の月足が陽線引けする確率は、それぞれ73.3%となっていて、ほとんどの年で上昇していることがわかります。
ただ、必ずしも、11月と12月が連続してはっきりとした上昇の流れを作っているわけではありません。
そこで、今回は、過去の11月と12月の値動きの関係を参考にして、本年12月の展開を考えてゆきます。
〇 NYダウの11月が一本調子に上げる場合の12月の展開
本年11月のNYダウは、月初から上昇を開始して、大幅高となっています。
1991年から2019年までの期間で、11月が月初から月末まで、はっきりとした上昇の流れを作っている年は、95~99年、01年、04年、05年、09年、13年、14年、16年、17年、19年の14回あります。
これらの年の12月の展開を見てゆくと、過去14回、すべての年で12月は下値堅く推移しています。
14回中、月足が陰線引けした年は、1996年、2005年、2014年の3回あります。3回の実体(始値-終値)の値幅は、順番に「53ドル、88ドル、4ドル」となっていて、12月中が積極的な下げ場面になっていません。
12月の終値から11月の終値を引いて、どれだけ上がったのかを調べると、上げ幅は、順番に「1995年12月が42ドル幅」「1996年12月が-73ドル幅」「1997年12月が85ドル幅」「1998年12月が64ドル幅」「1999年12月が619ドル幅」「2001年12月が169ドル幅」「2004年12月が354ドル幅」「2005年12月が-88ドル幅」「2009年12月が83ドル幅」「2013年12月が490ドル幅」「2014年12月が-5ドル幅」「2016年12月が639ドル幅」「2017年12月が446ドル幅」「2019年12月が487ドル幅」となっています。
12月は、100ドル程度か、それ以下の上げ幅にしかなっていない年と、300ドル幅以上の積極的な上げ場面になっている年に分かれています。
12月がほとんど上げていない年は、図表01の通り、いったん下げてから年末へ向けて上昇するか、ボックス型のもちあいの動きとなっています。
〇 11月と12月が連続して上昇した年は翌年に上値を抑えられる
12月も積極的な上昇の流れを作り、300ドル幅以上の上げ場面になった年は、1999年、2004年、2013年、2016年、2017年、2019年の6回です。
これらの年は、2016年を除くと、翌年の1月、2月に戻り高値をつけて、少なくとも、11月の安値付近まで下げる動きを経過しています。
2000年は、1月14日に戻り高値をつけた後、3月まで継続する下げ局面となっています。
2005年は、1月3日、3月7日に近い値位置で戻り高値をつけて、ダブル・トップのような格好になって、3月7日~4月20日まで下げの流れを作っています。
2014年は、2013年12月31日に戻り高値をつけた後の下降の流れを2月5日まで継続しています。
2018年は、1月26日に戻り高値をつけた後、2月9日まで、急激で大幅な下げを経過しています。
2020年は、1月下旬以降、上値重い動きとなって、2月中旬頃から下降を開始して、暴落しています。
2016年は、トランプ大統領が誕生し、積極財政、減税、金融規制緩和などの政策が期待できる状況になったことで、2017年の年初の株価が下げ難い動きになったと考えられます。
2017年は、前年末の上昇だけで材料を織り込み切れない特別な年だったと見ることができます。
過去の値動きから判断するなら、11月、12月ともにはっきりとした上昇の流れを継続する年は、その上げが先行して材料を織り込む格好になって、年明け度、1月から上値を抑えられる動きになり、4月頃までの期間で、いったん11月の安値付近か、それ以下へ下げる動きを経過するという見方ができます。
以上のことを考慮すると、今後のNYダウは、図表02の実線の展開が考えられます。
〇 日経平均のチャートだけを見ると、12月に一段高を残している公算
値動きの予測は、頻繁にあらわれる動き方を基準にして、基準に沿った展開か、ずれが出ているかを見分ける作業です。
上昇の流れを作る場面では、その動きが「5つの波のパターンを形成する」ということが予測の基準になります。
日経平均株価は、3月19日以降、5つの波のパターンの上昇の流れへ入り、7月31日以降、5波目の最終段階の上昇局面へ入っていると考えられます(その見方が基準になります)。
上昇が終息した後、3月19日以降の上げ幅全体の修正局面へ入る公算です。
この見方が正しければ、7月31日以降の最後の上昇は、さらに小さな5つの波のパターンを形成していて、最近の下げが4波目の調整の動きで、調整を経過した後、最終段階の5波目の上げへ入ると考えられます。
11月17日以降の下げは、今週中、11月13日の安値25215円前後で押し目をつけた後、12月に最終段階の上げの流れへ入るという見方ができます(図表03の実線を参照)。
なお、12月に大幅高となるなら、1月以降、大幅安が待ち受けている可能性が出てきます。