【NYダウ、日経とも1月が下値堅く推移する可能性が出てきた】
1. 本年1月は下値堅く推移する可能性が出てきたが、年間弱気の見方に変更はなし
前回、1月が値幅の伴った下げ場面になる場合、大発会から数えて1~4営業日の範囲で1月の最高値をつけて、下降の流れへ入ると書きました。
本年1月が下降の流れを作るなら、2日の高値28872ドルが1月の最高値となって下げるはずですが、6日に下値を支えられて、9日、10日と高値を更新したことで、本年1月は、積極的な下げの流れにならないと考えられます。
1月は、天井型を形成する動きを経過するか、上値を試す流れを継続するという見方が有力になったと言えます(図表01を参照)。
1月に価格が積極的な下げの流れにならない可能性があるということは、本年の価格が下げないことを示しているわけではありません。
昨年9月8日に配信した記事で詳しく書いた通り、米国は、財政、金融とも材料出尽くしの状況のため、本年の期待値が昨年よりも低く、NYダウは、1年を通じて弱気に推移する可能性が大きいと推測できます。
本年が極端に下げ幅の大きな下げ場面にならないとしても、弱気に推移する年の通常の動きがあらわれる可能性があります。
1950年から2019年の期間で、年初の値位置よりも年末の値位置の方が低く、弱気に推移した年は、53年、57年、60年、62年、66年、69年、73年、74年、77年、81年、84年、90年、00年、01年、02年、08年、18年の17回あります。
これらの年は、年間の最高値を3月、5月につけてから下げていることもありますが、すべての年に共有する動きが、1~3月の期間で、いったん値幅の伴った下げ場面を経過しているということです。
本年が弱気パターンの年になるなら、1月に下値堅く推移したとしても、その動きは、2月に下降を開始する前の準備の動きであると考えられます。
2. 日経平均株価は週明け後の価格が反落しても、8日の安値が意識される公算
NYダウの1月が下げる場合、月初から下げの流れを作ると書きましたが、同じ傾向が日経平均にもあります。
日経平均株価の1月が陰線引けした年は、1990年から2019年の期間で17回あります。その中で、月の始値から3営業日以内で1月の最高値をつけたのが12回となっています。
その他の5回は1月中旬、下旬に最高値をつける動きになっています。これらの年は、1月の最高値をつけた後、勢いが強く値幅の大きな下げ場面があらわれる展開になっていません。このような年は、2月に価格が下げる場合でも、1月から大陰線が連続するような下げ場面にならないと考えられます。
本年は、1月7日の高値を大きく超える動きを経過したため、陽線引けする展開になるか、陰線引けする場合でも、積極的に大きく下値を掘り下げる展開を作り難いと考えられます。
日経平均株価は、12月17日の高値24091円が戻り高値となって、すでに下降の流れへ入っているか、1月8日の安値が押し目になって、再度、上値を試す動きへ入っているかのどちらかの展開が考えられます(図表02を参照)。
前者の場合、10日の高値が戻り高値となって、週明け後の価格が寄り付き値で下放れる展開になると考えられます。
週明け後の価格が反落すると、上値の重さを再確認して、その後の価格が下値を試す動きになると考えられますが、1月の値動きのパターンを考慮すると、1月中は、1月8日の安値22951円から1月10日の高値23903円の範囲内で推移するという見方が有力になります。
週明け後の価格が上放れると、しばし上値を試す動きになると考えられます。
強気の展開になる場合、寄り付き値が上放れた後、14日中に一気に24091円を超える動きになると考えられます。
こちらの展開になる場合、今週は、上値を試す動きを継続する可能性が大きくなります。