【2019年11月3日記】11月4日のNYダウの方向で日経平均の11月の展開が見えてくる

【11月4日のNYダウの方向で日経平均の11月の展開が見えてくる】

(1) 日経平均株価の11月の動き方と本年の11月の読み方

図表01 1990年以降の日経平均株価の11月の動き方

図表01は、1990年以降の日経平均株価の11月の動き方を示しています。
数値は、順番に「その年の11月の4本値(小数点以下四捨五入しています)」、「陽線引けなら“〇”、陰線引けなら“●”」、「陽線引け、陰線引けしたときのローソク足の各部位の値幅」、「始値から高値までの上げ幅」、「始値から安値までの下げ幅」です。
11月は、月足が陽線引けして、始値よりも終値の方が高かった確率が65.5%あります。
65.5%は、年間を通じて最も高い数値となっています。次に確率の高い月が4月で、58.6%だということを考慮しても、11月の上げやすさがわかるはずです。
1950年以降の確率として計算する場合、60%を超える月がかなりあるのですが、バブル前の右肩上がりの上昇局面では、買い人気が強過ぎて傾向がゆがんでいることも考えられます。90年以降、ジグザグの値動きへ入ってから、その動き方がはっきりとした傾向を示しているのではないかと見ています。

さて、11月は、上昇しやすいということ以外にも、明確な特徴があります。
それは、11月が陰線引けしている場合、月初から下降の流れを作っているということです。同じような見方を10月の展開でも紹介しましたが、11月の場合、その動きが顕著にあらわれています。
図表01で陰線引けした年の上ヒゲの部分を見て下さい。
陰線引けした年は、29年間中、10回あります。
90年、91年、93年、94年の4回は、上ヒゲが0円となっています。これは、月の始値と高値が同じ値段だったことを示しています。
寄り付き後、すぐに下降の流れへ入り、11月中、月の始値を超えるような上げ場面があらわれなかったということです。実際のチャートを見ると、月初からの下げを月末まで継続する展開となっています。

その他の年は、上ヒゲがだいたい100円幅程度の値幅です。
詳細を調べると、次のようになっています。
03年の上ヒゲは、175円幅です。11月の最初の営業日となる4日に10694円で寄り付いた後、その日のうちに10869円まで上昇して、11月の最高値をつけて、下降を開始しています。
07年の上ヒゲは、74円幅です。1日に16813円で寄り付いた後、その日のうちに16887円まで上昇して、11月の最高値をつけて下降しています。
同じように2012年も1日に11月の最高値をつけています。

2008年は、11月の最初の営業日となる4日に8703円で寄り付いた後、翌営業日の5日に9521円まで上昇して、11月の最高値をつけています。

10回の中で、最初の営業日に11月の最高値をつけた回数が7回、翌日までに最高値をつけた回数が1回です。
残り2回は、2006年と2009年です。
この2回は、11月の最初の影響日からいったん小幅に下げた後、すぐに値を戻して、11月の最初の日の高値を若干超えたところで上値を抑えられて、下降を開始しています。
06年の11月の最高値は、11月の最初の日を含めて4営業日を経過した11月7日です。戻り高値をつけた後、月末まで下降の流れを継続しています。
09年の11月の最高値は、11月の最初の日を含めて6営業日を経過した11月10日です。戻り高値をつけた後、月末まで下降の流れを継続しています。
06年と09年は、戻り高値をつけた後、10月末に勢いの強い下げを経過して、11月の初めに一時的な反発があらわれて、すぐに上値を抑えられる展開となっています。

以上のことを考慮すると、上げ傾向の強い11月の価格が下げるときは、「10月末に勢いの強い下げの流れを作っていなければ、最初の営業日(だいたい初日ですが、2営業日目も許容範囲)に11月の最高値をつけて、月初から月末まで下降の流れを作る」「10月末に勢いの強い下げを経過しているときは、11月の初めに小幅な調整を経過した後、月末まで下降の流れを作る」という展開が考えられます。

本年は、10月末に勢いの強い下降の流れを確認できていないので、1日の高値22852円か、遅くても5日の高値が11月の最高値となって、下降を開始すると考えられます。
そのような展開にならなければ、11月は、陽線引けする可能性が大きいと推測できます。


(2)日経平均株価の11月から12月までの予想できる展開

値動きについての記事を書くとき、予言にならないように注意しています。
11月5日の株価が下げるから、今年の11月が月末まで下降の流れを作ると書いたら、その内容は予言になります。
自分の未来は自分の努力で理想へ近づけることができるのかもしれませんが、相場の未来は予測不可能です。
強弱のポイントになる場所(値段、日)を見つけ、その場所で価格がどのように動くのかを確認して、その後の展開を判断するしかありません。
売買を仕掛けるなら、事前に行くべき方向を決断して、動き出す前に仕掛けるということも考えられます。
この原稿は未来を予見して書いているわけではないので、判断の材料になる場所がどこかを示すしかありません。

11月が下降の流れを作るなら、1日の高値22852円が11月の最高値となって、連休明け後、下降を開始する展開になる公算です。前述した通り、1営業日だけ余裕をもって見るとしても、5日は、10月31日の高値22988円を前に上値を抑えられて、6日以降、下降の流れへ入ると考えられます。
5日の価格が上昇して、10月29日の高値23008円を超える場合、11月は、陽線引けする動きになると考えられます。

図表02 日経平均株価日足

図表02は、日経平均株価日足です。
チャートには、前週までに紹介した値動きの傾向、今回紹介した11月の値動きの傾向を考慮して、今後の想定できる展開を赤と青の実線で引いています。

前週末1日のNYダウは、急反発しています。4日が上昇して引けると、5日の日経平均株価は、10月29日の高値を超える動きになると考えられます。

11月に日経平均株価が下げる動きになるなら、4日のNYダウが強く上値を抑えられる格好になって、5日のダウ先物が朝から下げの流れを作るか、4日のNYダウが下げるかのどちらかの展開になるはずです。
そのような動きになるなら、図表02の青の実線の展開(11月が下げる展開)になる可能性を残します。

4日のNYダウが上昇するなら、本年の日経平均株価は、11月前半に上値を試す動きを経過して、いったん調整入りした後、年末へ向けて再度上値を試す流れへ入る(図表02の赤の実線の展開)という見方が有力になります。


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