【日経平均は、週明け後、すぐに上値を抑えられるか否かで10月の展開が見えてくる】
(1)日経平均株価が10月に上昇する年の展開
図表01~11は、1990年から2018年までの期間で、日経平均株価が10月に上昇の流れを作った年です。
10月の価格が上昇している年には、はっきりとした傾向があらわれていることがわかります。
10月が上昇の流れを作っている年は、1990年、1991年、1994年、1998年、2001年、2003年、2006年、2011年、2015年、2016年、2017年です。
これらの年の値動きを見ると、すべての年で、月初に10月の最安値をつけて上昇するか、月初の安値付近で下値堅く推移して、すぐに上昇する展開となっています。
1990年、2001年、2003年、2015年、2016年、2017年は、10月の最初の営業日の安値が10月の最安値となって、上昇の流れを作っています。
1991年は、10月1日の安値23861円から上昇した後、上値を抑えられて、10月14日に23860円まで下げた後、押し目をつけて、再上昇を開始しています。
10月1日の安値から1円下げた地点が10月の最安値となっています。
1994年は、10月の最初の営業日が3日です。3日の安値は19571円となっています。
10月5日の安値19487円(3日の安値から84円下げた地点)に10月の最安値をつけて、上昇を開始しています。
1998年は、10月1日の安値が13018円となっています。
10月9日の安値12787円(1日の安値から231円下げた地点)が10月の最安値となって、上昇を開始しています。
2006年は、10月の最初の営業日が2日です。2日の安値は16157円となっています。
10月4日の安値16028円(2日の安値から129円下げた地点)に10月の最安値をつけて、上昇を開始しています。
2011年は、10月の最初の営業日が3日です。3日の安値は8455円となっています。
10月5日の安値8343円(3日の安値から112円下げた地点)に10月の最安値をつけて、上昇を開始しています。
このように、10月の価格が上昇の流れを作る場合、10月の最初の営業日の安値を大きく下回らない場所で、上旬に10月の最安値をつけて、月末まで、上昇の流れを継続しています。
本年は、すでに10月1日の安値21811円から10月4日の安値21276円まで、535円の下げ幅を経過しています。
過去の経験則にしたがうなら、本年10月は、上昇の流れにならず、下降の流れを作るか、横ばいに推移するかのどちらかの展開になると推測できます。
(2)日経平均株価が10月に下降する年の展開、横ばいに推移する年の展開
図表12~20は、日経平均株価が1990年から2018年の期間で、10月が下降の流れを作った年、図表21~29は、10月が(おおまかに見て)横ばいに推移していた年です(月足の陰線引け、陽線引けで分けているわけではありません)。
10月が下降の流れを作っている年は、「10月中旬頃まで小動きでジグザグに推移した後、中旬以降、月末まで下げの流れへ入る展開」と、「月初から中旬頃まで勢いの強い下げの流れを作る展開」の2通りがあります。
すでに月初から大きく下げているため、本年10月が下降の流れを作る場合、現在の勢い下げの流れが、少なくとも今週まで継続する展開が考えられます。
10月が横ばいに推移している年は、月初に上昇、下降のどちらかの動きを経過した後、月初の値位置を中心にしてジグザグに推移する展開になるか、月初に大きく下げた後、月末へ向けて、月初の値位置以上へ値を戻す動きになるかのどちらかの展開となっています。
10月4日の安値を大きく下回る場合、上げ幅の大きさから、一時的な反発ではなく、9月の高値の突破を目指す動きとして、上昇の流れを作る必要が出てきます。
以前に紹介した通り、本年は年末まで上値重く推移する可能性があるため、今週以降、さらに下値を掘り下げる動きを経過した後、月初の値位置以上へ上げる展開を想定しにくいと言えます。
本年10月が横ばいに推移する場合、10月4日の安値21276円付近で下値堅さを確認して、月初の高値を一時的に超えた後、上値を抑えられる動きになると考えられます。
(3)週明け後、すぐに上値を抑えられるかで10月の展開が見えてくる
以上のことから、本年10月の展開は、図表30の青の実線と、赤の実線の2通りが考えらえます。
週明け後、10月7日は、価格が上昇して始まる公算です。
弱気の展開になるなら、まだ勢いの強い下げの流れの途中だと考えられるため、9月25日から26日の反発幅(278円幅)、または9月30日から10月1日の反発幅(272円幅)と同程度の反発幅になる地点(21549円、21555円)の付近で上値を抑えられて、すぐに下降を開始すると考えられます。
今週、下値堅く推移するか、一段安となるかによって、どちらの展開になるかがはっきりするはずです。