【2020年5月17日記】NYダウ、日経平均とも、ジグザグを継続できない状態になった

----- NYダウ、日経平均とも、ジグザグを継続できない状態になった

1. NYダウは前週までの弱さを払しょくできるかが焦点

図表01 最近のNYダウ日足

図表01は、最近のNYダウ日足です。

筆者は、4月7日以降、NYダウがジグザグに推移する途中の4月21日、5月4日などの押し目をつけた場面で、その後、勢いの強い上昇の流れへ入る可能性を考えていました。

しかし、前週末の時点では、依然として4月7日以降のジグザグのもちあいの範囲内での展開となっています。

前週は、5月14日に22789ドルで押し目をつけています。

上昇を開始すると見なくても、4月7日以降のもちあいレンジ下限からの反発になるので、週明け後は、上昇を開始する可能性を考えておきたくなる場面です。

今回もしつこく、上昇する可能性があると書いたとしても、これを読んでいただいている方は、目先上昇したとしても、また24200ドル以上の地点で上値を抑えられて、ジグザグの値動きを継続するのではないかと考えるでしょう。

今回は、少し違います。現状での弱さがはっきりしているからです。

4月29日の高値24764ドルを超える前に弱さを見せてしまえば、その弱さは、4月2日の安値20735ドル、またはそれ以下を目指す動きであることを示すサインになります。そうなってしまえば、途中で押し目をつける動きがあらわれても、その押し目をきっかけにして、反発を開始するかもしれないなどと推測できなくなります。

4月21日、5月4日の押し目は、戻り高値から3~4営業日と短い日柄で一気に下げて、押し目になる安値をつけています。

24200ドル以上の上値が重いという状態を示す格好での下げを経過しているだけで、上値、下値を切り下げるはっきりとした弱さがあらわれていません。

4月21日、5月4日の押し目をつけた日は、上値が重いことがわかるが、まだ積極的に買いたいと考えている市場参加者が残っている可能性がある状態です。

最近の下げは、5月13日に5月4日の安値23361ドルを割れて、上値、下値を切り下げるはっきりとした弱気サインをつけています。

高値を更新できない日柄が2週間以上もある中で、以前の安値を割れて、現状での弱さを示したわけです。

これまでは、安値圏で積極的な買いが入るかもしれないと見られる場面でしたが、もう、そのような期待など持てない状態だと見ることができます。

このような動きの後、価格が上昇するとするなら、それは、じっくりと下値堅い場所を確認する作業を経過するか、値位置に反応して状態が変化するかのどちらかしかありません。

価格が上昇を開始するなら、これまでと同じ動き中で反発調となるのではなく、状況が変化したことで、積極的な買いが入り、次の高値を取りに行く場面になっているからだと推測できます。

それまでの弱さを払しょくできるほどの積極的な買いが入る状況になったからこそ、上昇を開始していると推測できます。

このような上げ場面では、押し目をつけた後、目立った調整なく、一気に戻り高値を超える展開になります。

4月2日の押し目は、3月26日以降が上値、下値を切り下げる下げの流れを経過してつけています。その後の上昇は、一気に戻り高値を超えて、4月2日までの弱さを払しょくする展開となっています。

目先、上昇する可能性があるとするなら、これまでのレンジ下限に位置して、買いのスイッチが入り、状況が変化したためだと考えられます。

だとすれば、週明け後は、2~4営業日程度で一気に4月29日の高値24764ドルを超える動きになるはずです。

週明け後、下値堅く推移しても、上げ渋るなら、その時点で4月2日の安値20735ドル程度か、それ以下まで下げる動きへ入っているという見方が有力になります。

もともと弱い状態なので、本来は弱いと見るべき場面ですが、週明け後、数日だけ確認作業をすると考えておけばいいだけです。

強気なら、週明け後、値幅の伴った上げ場面になるはずなので、寄り付き値の値位置や動き方で、すぐにわかるはずです。

図表2と3は、目先の価格が強気に推移するときのパターンと、弱気に推移するときの典型的なパターンです。

強気の展開は、寄り付き値が上放れて、そのまま上昇するパターンだけだと考えられます。

弱気の場合の典型は、15日の高値23730ドル付近で上値を抑えられて、下降を開始する展開です。

図表02 NYダウ日足(目先が強気)

2. 日経平均株価はこれまでのジグザグを継続できない状況に位置

図表04 日経平均株価日足(目先が弱気)

図表04は、日経平均株価日足です。チャートには、弱気の展開になる場合の値動きの予想線を引いています。

日経平均株価の最近の下げは、弱気サインをつけていませんが、週明け後の価格が終値で14日の終値19914円を割れると、終値で上値、下値を切り下げる流れを作ります。

日経平均株価は、4月上旬以降、上値、下値を切り上げるジグザグの山谷を作っています。

このようなジグザグの値動きは、通常2~3の山谷を経過した後、上昇が勢いづきます。

それ以上にジグザグを継続する場合、それは、下げ難いことで表れている動きではなく、上値が重いからあらわれている可能性が大きくなります。

上値、下値を切り上げる動きは、積極的な買い意欲が強いからこそあらわれる動きなので、押し目をつける過程で、弱い流れを作り難いと言えます。

週明け後は、価格が下げると弱気サインをつけるのですから、上値、下値を切り上げる動きが終了して、下降を開始しているという見方が有力になります。

弱気の展開になる場合、目先はジグザグの最初の安値である4月22日の安値18858円まで、一気に下げると考えられます。

週明け後の価格が上げると、3つの山谷を経過した後の上げ場面になるのですから、ジグザグが終了して、新たな上昇の流れへ入っているという見方になります。

強気の展開になるなら、3月下旬、4月上旬の上げ場面と同程度の勢いの強い上昇の流れへ入ると考えられます。

今週は、どこかで2営業日連続して陽線引けするような勢いの強い動きがあらわれる公算です。

図表05の書き込んだ足型は、強気の展開になる場合の目先の上げ方の典型になります。

図表05 日経平均株価日足(目先が強気)

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