【2020年4月19日記】NYダウ、日経とも、今週は本年前半の最高値を目指す公算

----- NYダウ、日経とも、今週は本年前半の最高値を目指す公算

1. 来年以降、中国離れが本格化する過程で、日本の中小企業が停滞から成長へ向かう

4月6日の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、
1~3月期に中国企業の約46万社の実質的に倒産したと報じています。
46万社の企業が事業を停止、または営業許可を取り消されています。
その中の2万6000社は輸出関連企業だということです。
失業者は、2憶人を超えると言われています。
1月25日~4月8日まで、
だいたい2か月の都市封鎖によって、
多くの企業が継続を断念する事態になっています。
倒産した企業を同業の別会社として新たに立ち上げることは容易いですが、
取引先を繋ぎとめることは容易ではありません。

米中対立の中、
トランプ大統領は、生産拠点の多くをアメリカに戻そうとしています。

日本では、
新型コロナウイルスの感染拡大で
製造業のサプライチェーンが寸断したことを受け、
生産拠点が集中する中国などから日本への国内回帰、
第三国への移転を支援することを決めました。
緊急経済対策の一環として、
総額2435億円を2020年度補正予算案に盛り込みました。

もう以前のような状況に戻ることにはならない公算です。
中国企業は、
人民元であってもお金の欲しい国々を相手にしてゆくことになると考えられます。
今後、日常が戻る過程で、
徐々に物の値段が高くなり、
日本では、悲願のデフレ脱却を果たすことになると考えられます。

来年以降、インフレ圧力が強まり、
歳出を引き締め、
日米とも、株価が上値を抑えられる展開が考えられます。
ただ、日本では、株安になるからといって、
景気が悪いと感じる状況になるわけではありません。
脱中国社会が実現してゆくにつれ、
正常な賃金の上昇とともに、消費が回復してゆくと考えられます。
日経採用銘柄の中で、値位置の高い銘柄は、
上値重い状態になる可能性がありますが、
自国回帰の流れの中で、急成長する新興企業が多数あらわれて、
それらの個別銘柄が一本調子の上昇局面となる可能性があります。

ところで、本年は、人為的に不況を作り出した
(コロナによる影響で不況になったわけではなく、
人と物の移動を制限したことで不況になっています)ため、
株価に影響を与える材料がいつ頃、
どのようにあらわれるのかがわかりやすい年です
(統治者の責任で人と物の移動を制限したので、
統治者が回復へ向かう義務を負います)。
また、本年は、2月と3月に本年中、
超えられない高値、割れることのない安値をつけていることも、
今後の展開を読みやすくしています。
以下で紹介する通り、
現在の上昇は、
現時点で上げられる上値の限界を目指す動きへ入っていると考えられます。
前週までの動きで、目先の展開が見えてきたため、
本年全体のシナリオも見えてきました。
そこで今回は、
本年のNYダウ、日経平均株価の想定できる展開について、書いてゆきます。


2. NYダウの本年の読み方

トランプ大統領は、16日、
各州が状況に応じて3段階で封鎖措置の解除を進めるべきとの考えを示しました。
経済再開へ向けた道筋をつけたことで、
節目となっている23500ドル前後でうろうろしていたNYダウは、
17日、一気に上げ幅を拡大して、
それまでのもみあいを上方へ抜け出しています。
経済対策に加えて、経済再開へ光が差し込んできたことで、
現時点で想定できる株価上昇の材料のすべてが出尽くしたことになります。
したがって、
今回の上昇は、
この材料で上げられる上値の限界を探る動きだと考えられます。
今回の上昇が戻り高値をつけた後は、
戻り高値からのマイナスの査定になります。
経済再開の時期が遅れる、人の移動制限が緩和された後、
想定していた以上に消費が回復しないなど、
戻り高値を基準にして、
悪材料だけに反応して徐々に価格が下がることになります。

都市封鎖による中小企業対策として、
雇用の維持を条件に6月末まで政府が給与支払いの肩代わりをしますが、
7月以降、経済がスムーズに回復してゆかなければ、
中小企業の積極的なリストラが始まり、
景気を押し下げることになると考えられます。
NYダウは、7月以降、来年を見据えた動きへと変わってゆきます。
7月以降、大統領選挙が本格化する中で、
政府が来年の経済をいかに盛り上げるかを提案するはずです。
NYダウは、選挙公約の内容が評価されるなら、
7月以降、徐々に下値が支えられて、
新たな高値を模索する動きへ入る可能性が出てきます。
7月以降の実体経済の回復が鈍い、
各国企業の連鎖的な債務不履行が発生して深刻化するなどのことが起こると、
NYダウは、
9月、10月頃まで下値を掘り下げる展開になる可能性が出てきます。

図表01は、
NYダウ日足と、前述の内容を考慮した本年のおおまかなシナリオです。

図表01 NYダウ日足と今年の予想線

3. NYダウは今年前半の最大値を取りに行く展開へ入った

3月29日の記事では、
NYダウが「一気に上げて横ばい、一気に上げて横ばい」
の値動きを繰り返すことが多くなっていると書きました。
現在が上昇の流れの途中なら、
前週の23500ドル前後でのもみあいも、
一気に目標値を目指す前に、
そのきっかけを待っている動きだと見ることができます。
だとすれば、週明け後は、
一本調子の上昇の流れを作り、
1週間で、一気に上値目標値を目指す動きになると推測できます。
強気の展開になるなら、
24日には、
25000ドルを超える程度まで上昇している可能性があります。
図表02は、NYダウ日足と目先の予想線です。
3月26日~4月2日の調整と同程度の調整があるなら、
FOMC前後になると考えられます。
5月に入り、
一段高を経過した後、上げ幅全体の修正場面になる公算です。

図表02 NYダウ日足と目先の展開

4. 日経平均株価は5月上旬頃までに22000円以上へ上昇する可能性が出てきた

日経平均株価の焦点は、
5月6日に緊急事態宣言を解除できるかどうかです。
日本は他国の状況とまったく異なります。
1億人以上の人口の国で、1日たった500人の新規感染者がいる状況です。
普通に考えれば、
都市封鎖をしたとしても防ぐことのできない誤差の範囲の感染者数なので、
人数が横ばいになっても、
新規感染者数が(集団免疫を獲得するまで)
減ってゆかないかもしれないという疑問があります。
軽症者の隔離施設を別に用意することで、
医療崩壊することなく、対処してゆく方法が見えてきました。
医療機器購入のための補助金や、
政府による買い上げを決めたことにより、
不足する医療器具を補うための準備も整いつつあります。
安倍首相は、新規感染者数が3桁のままでも、
5月6日に緊急事態宣言を解除するという決断をしなければいけません。
どこかの県で1人の死者が出たと大騒ぎして、
日本を破滅へと追い込もうとするメディアと、
それに洗脳された国民からの罵倒を受け流し、英断しなければいけません。
安倍首相にそれができれば、
(私見ですが)戦後、最も優れた総理大臣だったと
評価してもいいほどの判断だと言えます。

図表03 日経平均株価日足と今年の予想線

図表03は、日経平均株価日足と、今年の予想線です。
赤と青のどちらも、
日本政府が緊急事態宣言を遅くても5月中に解除することを想定した展開です。

図表04 日経平均株価日足と目先の展開

図表04は、日経平均株価日足と、目先の予想線です。
現在が上昇の流れの途中なら、
今週は、目立った調整なく、
一気に上値の目安となる場所を目指す動きになると考えられます。
上値の目安は、
3月25日の高値19564円から4月3日の安値17646円までの下げ幅(1918円)
を19564円に加えた21482円を大きく上回る地点になります。
おおまかに21500円以上、22000円程度が考えられます。


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