【2020年10月4日記】NYダウが年末へ向けて大幅高となる3つの条件

----- NYダウが年末へ向けて大幅高となる3つの条件

〇 NYダウが年末へ向けて大幅高になるための条件

私は、NYダウが年末へ向けて上げ幅を拡大して、33000ドル以上を目指す動きになると想定しています(来年前半までの動きになることも想定内です)。

そうなってくれと願って、ただ待っているわけではありません。

次の3つの条件を満たす展開になる場合、本年が年末へ向けて、新高値をつけて、大幅高になる可能性が出てきます。

それは、(1)9~11月の安値が年間の最安値にならない、(2)10月3日頃、あるいは10月の最初の週までに年末までの最安値をつけている、(3)10月中に年間の最高値付近に位置する動きがあらわれるという展開です。

〇 NYダウは年末へ向けて上昇する傾向がある

NYダウは、年末へ向けて価格が上昇する傾向があります。

1990年から2019年までの30年間で調べると、9月~11月につけた安値を12月に下回った年は、1991年と2018年の2回しかありません。

1991年は、2月から12月まで横ばいに推移して、12月11日にレンジ下限で押し目をつけた動きをきっかけに、上昇を開始しています。

もちあいを継続している中で、一時的に9月から11月の期間でつけた安値を12月に割れているだけです。

2018年は、金融引き締め政策に注目が集まり、一気に株式市場からの資金が放れる展開となりました。

本年は、長いもちあいを形成しているわけではなく、年内に金融政策が転換することも考えられません。

その他の28年間では、9月から11月に年末までの最安値をつけて、年末へ向けて価格が上昇の流れを作っています。

それぞれの年で押し目をつけた日は、

「1990年、10月11日」「1992年、10月5日」「1993年、9月21日」

「1994年、11月23日」「1995年、9月1日」「1996年、9月3日」

「1997年、10月28日」「1998年、9月1日」「1999年10月18日」

「2000年、10月18日」「2001年、9月21日」「2002年、10月10日」

「2003年、9月30日」「2004年、10月25日」「2005年、10月13日」

「2006年、9月7日」「2007年、11月26日」「2008年、11月21日」

「2009年、9月3日」「2010年、9月1日」「2011年、10月4日」

「2012年、11月16日」「2013年、10月9日」「2014年、10月15日」

「2015年、9月29日」「2016年、11月4日」「2017年9月5日」

「2019年、10月3日」

となります。

9月に押し目をつけている年が11回、10月に押し目をつけている年が12回、11月に押し目をつけている年は5回です。

ほとんどの年で、10月までに押し目底を確認して、12月へ向けて上昇の流れへ入っていることがわかります。

〇 年末へ向けて大幅高になるには10月初旬に押し目底をつける必要がある

1990年から2019年までの期間で、年の後半に価格が上昇して、年末へ向けて年間の最高値を更新する格好で大幅高となっている年は、1993年(9月21日)、1995年(9月1日)、1996年(9月3日)、2003年(9月30日)、2006年(9月7日)、2009年(9月3日)、2013年(10月9日)、2014年(10月15日)、2016年(11月4日)、2017年(9月5日)、2019年(10月3日)が挙げられます。

この中で、2013年は、5月以降、振れ幅の大きなもちあいの動きを形成して、レンジ下限を試す過程で、10月上旬に価格が下げる動きとなっています。

目指すべき場所がはっきりしていたことで、下げが長引いたという見方ができます。

2014年は、上値重くなる状況でしたが、日本での10月末の追加の金融緩和の影響により、流れが強気へ転換した結果として、10月中旬が押し目底になりました。

2016年は、多くの市場参加者の予想に反し、トランプ大統領が誕生したことで、流れが転換しています。

これらの年以外は、10月の最初の週までに押し目底をつけて、年末へ向けて上昇を開始しています。

〇 NYダウは9月24日の安値26537ドルを維持して上昇できるかが焦点

年の後半に価格が上昇して、年末へ向けて年間の最高値を更新する格好で大幅高となっている年は、前述した押し目をつける時期の他に、もう1つ共通点があります。

それは、10月に年間の最高値付近(超えていなくてもいい)に位置しているということです。

NYダウは、9月24日の安値26537ドルが押し目になった後、反発を開始しましたが、10月1日に上値を抑えられて、2日も上値重く推移しています。

2日に価格が急落しなかったため、今後の価格が下げて、26537ドルを割れる展開になる場合でも、1営業日で一気に26537ドルを割れる展開にならず、日柄をかけて下げる可能性が大きいと言えます。

前述の条件を当てはめると、本年が年末へ向けて上昇の流れを作り、30000ドルを大きく上回る展開になるには、目先の下げが26537ドルまで下げずに下値を支えられて、10月中に2月の高値29568ドルへ接近する上げ場面になる必要があります。

図表01 NYダウ日足

図表01は、最近のNYダウ日足です。

日足を見ると、9月21日から9月25日の期間は、前後のチャートからギャップを開けて下放れる格好になっています。

目先の価格が26537ドルまで下げないなら、目先は、すぐ下のギャップを維持する格好で下値堅さを確認して上昇を開始すると考えられます。

〇 日経平均株価は8月中旬以降のレンジを継続する格好で押し目をつける公算か

図表02 日経平均株価日足

図表02は、日経平均株価日足です。

9月29日の高値が戻り高値となって、下値を試す動きへ入っています。

今後の価格が上昇を開始して、年末へ向けて大幅高となる場合、7月31日以降、すでに上昇の流れへ入っているという見方が有力です。

その場合、8月14日以降のもちあいの動きは、上昇途中の中段もちあいという見方になります。

もちあいの動きは、8月28日以前と後に分けられますが、詳細を省いて、もちあいを下方へ抜け出す可能性のある動きだけ書いておきます。

それは、振れ幅の大きなジグザグを作り、上値、下値を切り下げる動きです。

図中の青の実線のような展開です。

これまでのもちあい期間では、戻り高値の値位置が徐々に上がっています。

上値、下値を切り下げる動きがあらわれると、その流れに変化を示すことになります。

現在が上昇途中のもちあいの動きなら、目先は、23000円前後が強い支持になって、再上昇を開始する公算です。

次の上昇は、新たな勢いの強い上昇の流れになる可能性があります。


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