【2020年9月13日記】NYダウは、週明け後に上昇するなら、10日の安値が9月の最安値になる公算も

----- NYダウは、週明け後に上昇するなら、10日の安値が9月の最安値になる公算も

〇 本年9月のNYダウは、弱気有利だが、積極的に下げなくてもいい状況

前回も書きましたが、本年9月のNYダウは、月足が陰線引けする可能性があります。

米国では、コロナ支援のための追加の経済対策案を早期に合意すると考えられていましたが、依然として与野党の対立が続き、歩み寄りが見られません。

積極的に買われにくい時期に買いを後押しする材料が見当たらない状況のため、9月の早い時期に新たな上昇を開始する展開にならないと考えられます。

本年9月末の値位置は、過去の値動きの経験則にしたがって、9月1日の始値28439ドル以下になる公算です(目先の価格が上昇を開始して、28439ドルを超える展開になる場合、月末へ向けて28439ドル以下になるという見方ができます)。

上げやすい時期を前にした下げ場面での下げ幅の大きさには、上昇を開始後の市場参加者の上値への期待の度合いの違いによって、2通りの見方があります。

上昇を開始後、上げ幅が十分に期待できる状況なら、調整局面での下げは、積極的に値幅の大きな下げを作る必要がありません。下げなくても、次の上昇を開始する場面で、十分な利益を得られると想定できるからです。

一方で、調整前の高値以上への上げ余地が限られると推測できる場面では、調整時の下げ幅が大きくなります。

上値余地が限られる場面では、上げやすい時期に積極的な買いを入れるための十分な値幅を下げによって作り出す必要があるからです。

今年から来年前半のNYダウは、大統領に誰が選ばれようとも、金融政策、財政政策が引き締めに向かうことなど考えられません。

今年から来年前半は、強く上値を抑えられる動きがあらわれにくいことから、上げやすい年末、年初の時期には、積極的に高値を更新する展開になる可能性があります。

本年は、9月に調整の動きが入る場合でも、積極的に下げる必要がないということです(積極的に下げても、下げなくてもいいということです)。

9月3日以降の下げは、3日の高値29199ドル以上の上値余地が限られるなら、少なくとも6月8日~15日までと同程度の値幅2737ドル幅の下げとなるか、それ以上の下げ場面になると考えられます。目先は、26462ドル前後か、それ以下まで下げるという見方が有力になります。

ただ、前述の通り、本年9月は、価格が積極的に下げなくてもいい状態のため、9月3日からの下げが一時的な動きで終わることも考えておく必要があります。

あまり下げない場合、目先の下げの下値の目安は、6月中旬以降のジグザグの上げ途中であらわれた調整と同程度の値幅で終わると見ることができます。

図表01 NYダウ日足(チャートはエクセルで作成)

図表01は、NYダウ日足です。

チャートに示している通り、9月10日の安値27447ドルは、6月16日~26日の下げ幅と同程度の値幅の下げを経過してつけた押し目になります。

6月16日~26日の下げは、6月中旬以降のジグザグの上げの流れの中で、最大の下げ幅となる調整です。

目先、27447ドルが強い支持になっていないなら、その後は、26462ドル程度か、それ以下へ下げる動きになるという見方ができます。

NYダウは、週明け後、上下どちらへ向かうかによって、9月の展開が見えてきます。

〇 日経平均株価は9月中、直近の押し目、戻り高値を超える動きになる公算

図表02 日経平均株価の月ごとの変動幅

図表02は、日経平均株価の月ごとの変動幅になります。1か月間の高値から安値までの値幅です。

これを見ると、その年の1か月の変動幅は、その年の全体の変動幅と比較して極端に短くなっていません。長くなる分には、突出する動きがあらわれることもあります。

2018年は、全体の変動幅が1500円前後か、それ以上となっています。6月は、極端に変動幅の短い月となりましたが、それでも、1000円幅近い動きとなっています。

本年9月の日経平均は、まだ702円幅の動きしかあらわれていません。

本年のこれまでの変動幅を考慮すると、9月は、少なくとも、(短めに書いて)1000円幅以上の動きがあると考えられます。

9月は、価格が上下どちらへ向かうとしても、9月9日の安値22878円か、13日の高値23580円を超える動きになると考えられます。

図表03 日経平均株価日足

以上のことから、本年9月の日経平均株価は、図表3の日経平均株価日足のチャートに引いてある通り、上下へ2通りの動きが考えられます。

青の実線の展開になる場合、週明け後の価格が上昇して、一気に23580円を超える動きになる公算です。

週明け後の価格が下げて、弱気の流れを示すなら、その後は、22000円の節目を目指す可能性が大きくなります。


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