【2020年11月1日記】前週のシナリオが正しければ、NYダウ、日経とも、週明け後に上昇開始の公算

----- 前週のシナリオが正しければ、NYダウ、日経とも、週明け後に上昇開始の公算

〇 「時間が経過するごとにシナリオが絞られる」

私の予想する際の考え方の基本は、「時間が経過するごとにシナリオが絞られる」ということです。

預言者ではないので、想定していた通りのシナリオにならないことなどしょっちゅうですが、目標値の設定が正しければ、どのような道筋となっても、結果として目標値へ向かうため、目標値までの距離が短くなるなら、道筋が絞られることになります。

どこかの時点で、目標値の設定が間違っていたことを認識しなければいけない場面がある一方で、目標値へ向かう動きへ入ったと判断できる場面もあります。

最終地点を通過した時点で、予測は個人のものではなく、多くの市場参加者の総意になっているわけです。

前週は、30000ドルを大きく上回る展開になる場合、NYダウの年末までのシナリオが2通りに絞られたと書きました。

前週の時点では、10月26日以降の価格が下げても、9月24日の安値26537ドルを維持する展開を想定していましたが、そうなりませんでした。

しかし、現時点では、まだ、目標値へ向かう道筋が完全に消失したわけではありません。

前週は、年末までに30000ドルを大幅に上回るシナリオが2通りありました。1週間を経過して、価格が大きく下げたことにより、現時点では、目標値を目指すシナリオが1つに絞られました。

その道筋からそれたら、年末へ向けて30000ドルを大きく上回るという予測の間違いを認め、そして、年末へ向けて価格が上昇しても、年内に2月12日の高値29568ドルを大きく超えられない展開を考えておく必要が出てきます。

〇 月曜日は値位置に飛びついてくる上げが必要

目標値を目指すシナリオがあるとするなら、唯一、残されている展開は、10月30日の安値26143ドルが押し目底になって、月曜日の価格が上昇することです。

そうならなければ、想定している目標値が間違っていると判断するしかないということになります(想定外の急騰を作り出す環境変化があれば別です)。

さて、月曜日の価格が上昇しなければいけない理由は、2つです。

1つ目は、最近の下げが9月3日以降の上昇途中の中段もちあいの途中の動きである必要があるので、もちあい入り後の最初の安値26537ドルが意識されている必要があるからです。

2つ目は、値位置を見た積極的な買いがあらわれると考えられるからです。

今後、年末へ向けて30000ドルを大きく上回る展開になるには、それが多くの市場参加者の総意になってゆくはずです。そのためには、押し目を確認した後、半信半疑に下値堅さを確認して、徐々に上げるのでは時間がかかり過ぎます。あと2か月しか残された期間がありません。

現在のような値位置から上昇するには、これは安いと判断して飛びついてくる、そんな市場参加者が多く存在している必要があります。

値位置が意識されて(前週末に)下げ渋り、その後、すぐに飛びついてくるような動きへ入らなければ、あと2か月で、30000ドルを大きく上回る展開(少なくとも3000ドル幅以上の上昇局面)になどなるはずがありません。

〇 大統領選挙の結果でもめると上昇できなくなる公算

図表01 NYダウ日足と年末までのシナリオ

図表01は、NYダウ日足です。

図中の実線A、B、Cは、過去の経験則から推測できる年末までのシナリオになります。

この中で、目標値へ到達できるシナリオは、Aだけです。

B、Cの場合、11月中旬以降に上昇を開始するとしても、12月末の値位置は、2月の高値29568ドルを若干上回る程度で終わると推測できます。

BとCの違いについては、来週以降、説明が必要になってから書いてゆきます。

Aの展開になる場合と、B、Cの展開になる場合の環境の違いは推測できます。

考えられるポイントは、大統領選挙の結果です。結果がどちらになっても同じなのですが、結果でもめると、新型ウィルスで混乱している状況の中で、追加の経済対策、ウィルス対策に遅れが生じるため、前週と同様、積極的な買い材料がなくなって、様子見ムードが強くなります。

月曜日以降に上昇を開始しても、結果で揉めると、4日以降に積極的な買いが入りにくくなり、Aの展開にならないと推測できます。

〇 日経平均株価はすんなり上昇できないなら一段安となる公算

図表02 日経平均株価日足と年末までのシナリオ

図表02は、日経平均株価日足と年末までの3通りのシナリオです。

NYダウがA、B、Cの展開になる場合、日経平均株価は、図表02の実線の展開になると考えられます。

NYダウがBの展開になる場合、日経平均株価は、10月30日の安値22948円付近を維持する動きになりにくいと考えられます。

その理由は、日経平均の9月から10月にかけての振れ幅が、NYダウの振れ幅と比較して短いため、下げ切っていない分を11月に(円高をともなって)取りに来ると考えられるからです。

日経平均株価は、下げ渋っていた分だけ、目先の価格が上値重い展開になる場合、下げ幅が大きくなりやすいと推測できます。


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