【2020年11月8日記】NYダウ、日経とも、週明け後の反落の大きさによって、その後の動きが見えてくる

----- NYダウ、日経とも、週明け後の反落の大きさによって、その後の動きが見えてくる

〇 バイデン氏が大統領になるなら、値幅の大きな上昇は年初だけになる公算か

前回、NYダウ、日経平均株価とも、年末へ向けたシナリオが絞られたと書きました。

前回のシナリオに沿った動きになるなら、NYダウ、日経平均株価は、今後、年末へ向けてはっきりとした上昇の流れを作るはずです。

しかし、現状では、大統領選挙の結果で揉め、バイデン氏が勝利しそうなことから、中立と弱気のシナリオを考えておく必要が出てきました。

図表01 NYダウ日足と今後の予想線

図表01は、NYダウ日足です。

図には、前回紹介した強気シナリオAと、追加する中立シナリオB、弱気シナリオCをそれぞれ引いています。

シナリオAは、揉めた結果、トランプ大統領が再選を果たすことであらわれる動きです。

現状での積極的な財政、金融政策、米国に企業を呼び戻すための減税、規制緩和、積極的な投資をうながすための金融規制緩和等の政策により、今年前半と、これから実行する大規模な経済対策により、負債を拡大したとしても、米国へ投資資金が向かことにより、ドルの供給過剰感があらわれずに低金利政策を維持できます。経済を重視したウィルス対策によって、V字回復を果たす可能性が大きいと推測できます。

来年のNYダウは、大きな下げを経過することなく、景気が回復してゆく過程で、上昇の流れを継続する公算です。

バイデン氏が大統領に選出される場合、トランプ減税の廃止や、増税が意識されることになります。また、金融規制が強化される懸念もあり、米国から投資資金が放れてゆくことを考えておく必要が出てきます。

それでも、以前にバイデン氏であっても、年末から来年へ向けて上昇の流れを作る可能性があると書いた理由は、年末、年初に追加の経済対策を決定するなら、上げやすい時期に強力な後押しがあることにより、値幅の大きな上昇を期待できるからです。

バイデン氏が大統領になる場合でも、遅くても年明け後、押し目をつけて、再上昇を開始すると考えられます。

その上昇は、上げやすい時期にいけるところまで行って終了する作業になる公算です。

上昇のスタート地点がシナリオBのように戻り高値に近い値位置なら、上昇を開始して後、戻り高値を大きく上回る上げ場面になる可能性が出てきます。

シナリオCのように、上昇のスタート地点が戻り高値から大きく放れているなら、上昇を開始しても、戻り高値付近を目指す動きで終わる可能性が出てきます。

現在、米国では、ウィルス感染者が増えています。

ヨーロッパ各国で再び都市封鎖している状況の中、バイデン氏の発言で、米国での主要都市のロックダウンが市場参加者に意識された場合、年末、または年初にいったん大きく下げる動きになることも考えておく必要があります。

なお、バイデン氏が大統領になる場合でも、目先、勢いの強い上昇の流れを継続して、シナリオAのパターンになることも考えられます。

その場合、追加の経済対策分の上げを先取りする上昇となるため、年明け後、上値を抑えられる可能性が出てきます。

〇 NYダウの急騰は目先の目標値へ接近すると終わる

NYダウがA、B、Cのどのシナリオになるかは、週明け後の動きで見えてきます。

NYダウは、調整後の上昇で以前の戻り高値を目指す場面や、もちあいレンジ下限から上限へ向かう場面など、上値の目安がはっきりしている場合、3~4営業日連続して急上昇することで、一気に目安になる場所へ到達する傾向があります。

10月30日以降の上昇も、4営業日連続して急上昇して、以前の戻り高値に接近し、6日の価格が上値を抑えられたことで、いったんエネルギー切れになる可能性があります。

10月30日以降の上げが戻り高値を目指す動きで終わる場合、今週以降は、上げ幅全体を押し戻される動きへ入ると考えられます。

今後、9月の高値29199ドル、2月の高値29568ドルを大きく上回る上げ場面が待ち受けているなら、目先の価格が上値を抑えられる場合でも、(下値での積極的な買いが入りやすいため)今週以降の下げ余地が限られる公算です。

こちらの展開になる場合、11月4日の安値27512ドル程度が下値の目安になります(図表01の赤の実線)。

11月6日の上値重い動きが勢いの強い上昇途中の小幅調整で終わり、今週以降、すぐに上昇を開始するなら、その後は、一気に29568ドルを超えて、年末へ向けて30000ドル以上を目指す動きになる可能性が大きくなります。

こちらの展開になる場合、目先の調整は、5日の安値28083ドル付近で下値を支えられる公算です(図表01の青の実線)。

〇 日経平均株価は月曜日に下値堅い動きになるかが焦点

NYダウがいったん上値を抑えられるという見方が正しければ、日経平均株価は、11月6日、または9日の高値が戻り高値となって、目先の価格が下値を試す動きになる公算です。

現在が勢いの強い上昇の流れを継続中なら、目先の調整は、1~3営業日程度の動き、11月6日の安値24039円前後で止まり、すぐに上昇を開始すると考えられます。

11月6日の高値24389円付近が強い抵抗になって、年内にこの高値を大きく上回る上げ場面にならないなら、目先は、上昇の勢いと同程度の勢いの強い動きとなって、一気に10月30日の安値22948円へ接近する公算です。

こちらの展開になる場合、週明け後は、すぐに24039円を割れる程度まで下げると考えられます。

月曜日に下値堅いなら、勢いの強い上昇を継続中と見ておきます。

図表02 日経平均株価日足と今後の予想線

図表02は、日経平均株価日足です。

緑の実線は、週明け後も勢いの強い上昇の流れを継続する場合の想定できる展開を示しています。

青の実線は、12月中旬頃までジグザグの動きを継続した後、上昇を開始するパターンです。

赤の実線は、週明け後、上値を抑えられる場合の想定できる展開を示しています。

開票作業、郵便投票の不正の証拠を出して、トランプ大統領が勝利することができるなら、緑の実線の展開になり、3月以降も上昇の流れを継続すると考えられます。

バイデン氏が大統領になるなら、日経平均株価は、緑の展開となっても、季節性から6月頃まで下値堅い可能性がありますが、3月以降、さらなる上昇を期待しにくくなります。


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