【2020年2月23日記】日経平均株価は22000円を目指す流れへ入っている公算

【日経平均株価は22000円を目指す流れへ入っている公算】

1. わからない未来は個人の裁量で優先順位を決めるしかない

中国では、新たに刑務所での新型コロナウイルスの感染が拡がっています。韓国では、感染者が最近の3日間で約7倍に急増しています。感染者346人のうち、死者が2人出ています。大邱にある新興宗教団体「新天地イエス教会」の教会で、18日に感染が確認された女性と同じ礼拝に参加した人たちを中心に感染が拡大したようです。

閉鎖空間の中で、感染者と一定時間ともにいると、感染者に近い人たちが新たに感染する確率が高いことがわかります。

すでに言われ尽くしていることではありますが、日本には、春節での休暇を利用した中国からの観光客が押し寄せて、1月末以降、多数の宿主が国内に入ったと考えられます。

潜伏期間があるとしても、そろそろ大量の二次感染者があらわれるはずです。特に閉鎖空間での母数が多くなりやすい東京では、韓国であらわれた集団感染がこれまでに多数あったと考えられます。

2月17日、厚生省は、新型肺炎に関して、受診の目安を公表しました。目安は、かぜの症状があらわれてから4日程度としています。

2月18日、厚労大臣が新型コロナウイルスのPCR検査について、1日あたり3000件以上が可能となったことを明らかにしました。

ようやく準備が整ったわけです。

実際、日本に感染者が急増し、さらに感染が拡大している状況なら、遅くても2月末までには現状が明確になると考えられます。

今後もこれまでと似たペースで感染者が増加してゆく程度なら、日本では、集団感染の状況がほとんどなかったと推測できます。

だとすれば、衛生管理や疾病対策をしっかりしてさえいれば、今回のウィルスは十分に防げたということになります。また、日本は、衛星管理がしっかりしていて、貧富にかかわらず国民の意識が非常に高い国だということが証明されます。

ネットを見ると、中国の方から日本を心配する声が目につきます。中国で複数の大都市を封鎖している現状を考慮すれば、一部地域以外なら中国からの入国を受け入れて、東京マラソンも規模は縮小するけれども開催する日本の状況は、中国側から見れば理解できないかもしれません。

今回、日本において、集団感染が発生せず、新型コロナウイルスが個人の意識だけで防ぐことができることが証明された場合、日本の対応がおかしいという政府批判がなくなり、中国政府がやり過ぎたのではないかという意見が出てくるかもしれません。

私は、毎日、わからない未来を予測し、皆様からのご批判を頂いています。

未来のわからないことに対する対処方法は、起こりうるすべてのケースを想定することしかありません。

その中で、社会への影響の度合いを考慮して、落としどころを見つけ、英断することが指導者の役目になります。

投資では、損をしない方法を選択することが望ましいわけですが、だとすれば、大手の銀行の定期預金が最もいい選択ということになります。

投資家の多くは、多少損をしてもいいから、大きな利益を得られる可能性を選択したいから、株や為替等のリスクのあるものに向かっているのだと思います。

それぞれの性格や、資金力によって、求めるリスクの度合いが異なるはずです。

予想屋は、すべての方に最もいい塩梅で記事を書くように努力していますが、どこかでリスクを選好してしまいます。私はリスクが好物です。

未来を予測する難しさを日々メディアが伝えているのですから、投資家の皆さんは、自分なりのポジションの持ち方を再検討してみるのにいい機会かもしれません。


2. NYダウは値幅と日柄伴った下げ場面へ入っている公算

NYダウは、2月18日の寄り付き値が下放れたことで、12日の高値前後が「アイランド・トップ」の格好になり、その後、21日に終値で18日の安値29116ドルを割れて、上値、下値を切り下げるパターンを形成し、はっきりとした弱気サインをつけています。

2月12日以降がすでに下降の流れへ入っていると見るならば、24日は、寄り付き値で下放れて、そのまま下げ幅の大きな動きになると推測できます。

そのような展開になる場合、昨年10月以降の上昇の流れがいったん終息したことを示すため、目先は一気に1月31日の安値28169ドル前後まで下げると考えられます。

私見では、週明け後の価格が下放れて、そのまま勢いの強い下げの流れへ入ると推測しています。

しかし、週明け後の価格が21日の安値28892ドルを維持して、堅調に推移する場合、その動きは、かなり強いものだと考えることができます。

2月21日は、寄り付き値で下放れた時点で、かなり弱い状況であることがはっきりします。

だからこそ、寄り付き後の価格がまったく反発せずに下降を開始しているわけです。

弱気の流れが明確な状況で、下値余地が十分にあるのですから、21日の価格は、20日の安値28959ドルを割れて、さらに一段安を目指す下げ場面になってもよかったと考えられます。

それにもかわらず、20日の安値が意識される動きになっています。

週明け後の価格が上昇すると見るなら、その上げは、積極的な売りを吸収して、強く下値を支えられる動きによってあらわれるものになるため、その後、勢いの強い上昇の流れへ入ることも考えられます。

明らかに弱気と推測できる状況ですが、見るポイントを変えるだけで、強気とも考えられるわけです。

週明け後の寄り付き値が下放れるか否かでおおまかな判定が出ますが、事実を積み重ねることでしか、未来を正確に判断することができません。

2月12日以降の下げ場面では、いくつも弱気と推測できる場所があり、そのどこで仕掛けるかについては、皆さんの裁量で決断するしかありません(推測するのは簡単ですが、いざ仕掛けるとなると、それを決断できる場所を特定することは個人の裁量になります。皆さんは仕掛けの決断を軽く考えているかもしれませんが、決断には信頼が必要です。信頼のない決断は感情によって悪い結果がもたらされます。決断が遅くなると、一時的な反転のリスクが拡大します)。

このような場面でどちらにするかを決めるポイントは、大勢の強弱感だと考えています。

前週、本年が弱気パターンの年の展開になるなら、3月上旬頃までに値幅の伴った下げの流れへ入ると書きました。

今回の下げは、本年を弱気の展開になると見ているなら、来るべき下げの流れへ入ったという見方になります。

図表01は、NYダウ日足と目先の予想線です。

図表01 NYダウ日足と予想線

3. 日経平均株価は22000円を目指す展開へ入っている公算

日経平均株価は、2月20日の寄り付き後の上げが2月6日の高値23995円を前に上値を抑えられた後、21日の寄り付き値が下放れています。

21日は、寄り付き後の価格が上昇しましたが、引けにかけて寄り付き値以下まで下げる展開となっています。

20日は、戻り高値23995円が強い抵抗になっていることを示唆する動きとなり、21日が20日の高値23806円が戻り値となって、すでに下値を試す動きへ入っている可能性を示しています。

週明け後のNYダウが下げて、弱気の流れを再確認するなら、連休明け後の日経平均株価は、はっきりとした下降の流れへ入る可能性が大きくなります。

弱気の展開になる場合、2月18日から20日までの反発幅が大きくなった分だけ、下げ余地が拡大し、今後は、22000円程度まで下げる可能性があります。 推測できる展開は、図表02の日経平均株価日足と予想線の通りです。

図表02 日経平均株価日足と予想線

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