【2020年2月2日記】NYダウ、日経とも、2月3日、4日の下げ方で2月の展開が見えてくる

【NYダウ、日経とも、2月3日、4日の下げ方で2月の展開が見えてくる】

1. NYダウは極端な振れ幅の日が連続してあらわれる傾向がある

1月31日のNYダウは、高値から安値まで、600ドルを超える値幅の下げ場面となりました。

日中、ダウ先物が上昇し、日経平均株価が1月29日の高値を超える23421円まで上昇した後の動きだっただけに、深夜の下げ途中で反発するかもと疑っていた方が多かったのではないでしょうか。

極端に振れ幅の大きな動きがあらわれると、テクニカル分析派の人たちは、週明け後の反動を考えたくなるところです。

このような場面では、なんのイメージも持っていないと、相場の上下に振り回されて終わってしまいます。

そこで今回は、過去の値動きを参考に、目先の価格がどのような展開になるか、下げるなら、どの程度の値幅の下げ場面になるかなど、目先、推測できるパターンを紹介します。

図表01 NYダウの月ごとの変動幅の違い

図表01は、以前より何度も紹介しているNYダウの月間の変動幅です。それぞれの年の月ごとの高値から安値までの値幅を掲載しています。

2007年以降は、それ以前と比較すると、変動幅が倍近くまで大きく変化しています。

だいたい振れ幅の大きな月は、1000ドルを超える動きになり、振れ幅の小さな月が700~800ドル幅程度の動きになっています。

また、2018年、2019年は、株価が大暴落した2008年以上に変動幅が大きくなって、1000ドルを超える月が多くなっています。

図表02 NYダウの1営業日の変動幅の月ごとの変化

図表02は、15年から19年までの期間で、1営業日の中で(高値から安値までが)100ドル以上の動きのあった日の月ごとの回数を示しています。

上から順番に100ドル幅の動きがあった日の(月間の)回数、200ドル幅、300ドル幅、400ドル幅、500ドル幅の動きがあった日の回数です。

1営業日で400ドル幅を超える動きは、2015年から2017年の期間では、ほとんどあらわれていないことがわかります。

400ドル幅以上の動きがあらわれる場合、同じ月に何度もあらわれることが多くなっています。

近い日柄で何度も振れ幅の大きな動きがあらわれていることは、連続して下げる、上げる展開になっているか、いったん振れ幅の大きな動きがあらわれると、反転時の振れも大きくなって、結果として、値動きの激しい日が連続してあらわれていることを示唆しています。

その他にも、300ドル幅以上の極端な値幅の動きは、1月~3月、8月、10月、12月に多くあらわれていることがわかります。


2. NYダウは3日に最初の下値の目安まで下げる可能性もある

図表03 NYダウ18年10~12月の下げ場面

図表03は、2018年10月から12月までのNYダウ日足です。

2018年は、10月から12月まで、極端に値幅の大きな下げ場面を経過しています。

この時の下げ方には、はっきりとした特徴があります。

それは、大陰線2本、または大陰線と大幅な下放れの2本の組み合わせで、短期的な下げの大部分を取りに行っているということです。

図の最初の部分となる10月3日に戻り高値をつけた後の下げ場面では、1と2の大陰線が初期段階の下げ幅のほとんどを占めています。

その後の一段安場面では、10月11日の安値以下をつける下げが、3と4の大陰線で作られています。

いったん価格が戻して、以前の安値へ向かう5と6、7と8の下げも、2本の陰線の範囲が下げの大部分を占めています。

1と2のように大陰線が連続する場合、一気に下値の目安へ到達して、しばし下げ難い動きになります。

大陰線をつけた翌日に下げ渋ると、もちあい入りするか、その後の下げ余地が小さくなっています。

12月中旬から年末へ向けた下げは、一本調子に陰線が連続して下げ幅を拡大していますが、詳細に見てゆくと、2連続の大陰線の後、大陰線1本分を戻す動きが(上ヒゲとなって)あらわれていることがわかります。

図表04 NYダウ19年3~5月の下げ場面

図表04は、2019年3月から5月までのNYダウ日足です。

1と2、3と4は、同様に2本の陰線が下げ幅の大部分を占めています。

5~8は、1日ごとにジグザグに推移して、下降の流れを作っています。この動きは、2018年12月末の下げの動きと似たパターンだと言えます。

図表05 NYダウ19年5~8月の下げ場面

図表05は、5月から8月までの動きです。

1と2の陰線で下げ幅の大部分を占めています。

3~5は、ヒゲをつけてジグザグに推移しています。

以上のことを考慮すると、次のような値動きが考えられます。

・1月から3月は、1営業日で400ドル幅以上の値動きになる日があらわれやすい

・1か月の変動幅が1000ドル幅以上になる可能性がある(2020年1月は1204ドル幅)

・大陰線をつける動きが下げ幅の大きな動きへ入っている目安になる

・大陰線が連続して、ヒゲをつける展開になっていない場合、2本目の大陰線の安値付近で下げがいったん終息する

・大陰線をつけた翌日に反発する、または大陰線をつけた日に下ヒゲの長い線をつける場合、ジグザグに振れ幅の大きな動きになって下げる可能性が出てくる

・ジグザグに下げる場合、2本目の大陰線、または下放れ陰線で終息する場合と、日柄の長い下げ場面になる場合がある

NYダウは、2020年1月17日の高値29373ドルが戻り高値となって、下降の流れへ入っています。

1月31日は、600ドルを超える変動幅があったにもかかわらず、下ヒゲのない陰線となっています。

前述した値動きのパターンを考慮すると、週明け後の価格が反発するなら、一時的にせよ上げ幅の大きな動きがあらわれて、ジグザグに下げる展開になると考えられます。

その場合、日柄をかけて下降の流れを作る可能性が出てきます。

週明け後の価格が陰線を連続する場合、2月3日の安値を大きく下回らない程度の地点が下値の目安となって、価格がいったんもみあい入りするか、再反発を開始すると推測できます(図表06を参照)。

図表6 NYダウ19年末以降のの下げ場面

下値の目安は、昨年12月の安値27325ドルです。

2月が一定の流れを作る展開になる場合、1000ドル幅以上の下げ場面になると考えられるため、週明け後の展開次第で、27325ドルを大きく下回る動きになることも考えられます。

一気に下げる展開になる場合、図表06の左側に示した通り、2月が27500ドルを前後したもちあい場面になることも考えられます。


3. 日経平均株価の下げ幅が極端に大きくなるなら、13日に21000円が目安

図表01では、NYダウの1月、2月が変動幅の大きな月となっていました。

日経平均も、同様に1月、2月の期間で極端に大きく動くことがあります。

そのため、2020年1月17日以降の下げが極端な値幅の下げ場面になることも頭のすみに入れておきます。

どんな展開になる場合でも、そのイメージを持っていれば、しっかりと対処できるはずです。

図表7 2018年の日経平均株価日足

図表07は、2018年の日経平均株価日足です。

これを見ると、2018年にあらわれた極端に値幅の大きな下げ場面は、16~18営業日で3000~3500円幅の下げ場面になっていることがわかります。

2020年1月17日の高値24175円からの下げが同様の展開になる場合、今後は、2月13日頃、21000円程度の地点で押し目をつけると考えられます(図表8を参照)。

図表8 日経平均株価日足と予想線

日経平均株価が前述した下げ場面になる場合、NYダウは、ジグザグに長く下げる格好になるか、目先、一気に下げ幅を拡大した後、数日のもみあいを経過して、再度一気に下げる動きになると考えられます。

日経平均は、ジグザグに21000円を目指すか、目先一気に22000円程度まで下げた後、もみあいを経過して、次の下げで21000円へ到達するかのどちらかの展開が考えられます。

なお、NYダウの下げパターンを考慮すると、日経平均株価は、週明け後の一段安を経過した後、すぐに下値を支えられる動きになる(火曜日に押し目になる安値をつける)展開も考えられます。


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