【2020年5月31日記】中国株安の可能性から、NYダウ、日経は6月までに戻り高値つける公算

----- 中国株安の可能性から、NYダウ、日経は6月までに戻り高値つける公算

〇  本年のハンセン指数が下降の流れを作る理由ができた

前回、今年のハンセン指数が弱気パターンの年の値動きになる可能性があると書きました。

中国全国人民代表大会は、5月28日、「香港国家安全法」の制定方針を採択しました。中国は、ドルの経済圏を捨て、デジタル人民元を基軸通貨とした中国を信頼してくれる国での経済圏を作ることを選択したのだと考えられます。

29日、トランプ米大統領は、香港に対する優遇策を撤廃する措置を取り、香港の自治の阻害に関与していると見なす人物に対し制裁措置を導入すると表明しました。

今後は、香港の特別地位がはく奪されて、各国企業が香港から離れてゆく公算です。

中国の株価下落にはっきりした理由ができたため、前回紹介した通り、本年は、ハンセン指数が弱気パターンの年になる可能性が大きくなったと言えます。

さて、ハンセン指数の年間が弱気パターンになる場合、5~9月の期間で下げの流れを作る傾向があるのですが、下げ幅が大きくなりやすい時期は、7~8月になります。

価格は、5月末頃までに弱気の流れを明確にして、6月に一時的な反発を経過して上値の重さを再確認し、7月、8月に大きく下値を掘り下げる動きになるパターンが目立ちます。

図表01 ハンセン指数日足と今年の予想線

本年が弱気の展開になる場合、動き方は、図表01の赤の実線の展開が考えられます。

5月から6月にかけて、3月の安値以下の下げ余地があることを確認して、7月、8月に大きく下値を掘り下げる展開です。

前回、NYダウ、日経平均は、ハンセン指数が下げても下値堅いと書きました。しかし、ハンセン指数が図表01のように7月、8月に大幅安となる場合、7月、8月の下げ場面では、NYダウ、日経平均株価も応分の下げ場面になると考えられます。

したがって、NYダウ、日経平均株価が現在の積極的な上昇の流れを継続できる時期は、6月までと推測できます。


〇 NYダウは週明け後に上昇継続なら27000ドル以上へ上げる公算

図表02 NYダウ日足と今年の予想線

図表02は、NYダウ日足と、現時点で推測できる本年のシナリオです。

赤の実線は、3月23日に底値をつけた後の上昇が、きれいな5つの波のパターンになる展開です。

前週末の安値が押し目になって、週明け後の価格が上昇するならば、こちらの展開になる可能性が大きくなります。

5月14日以降、3波目の上昇の流れへ入っています。3波の上値目標値は、26739ドルを大きく上回る地点が考えられるので、27000ドル以上へ上昇する公算です。

目先の上昇が戻り高値をつけた後、4月29日~5月14日と同程度の値幅(1975ドル幅)の(4波の)調整を経過して、(5波の一段高を経過、戻り高値を確認した後に下げる過程で)天井型を形成し、7月下旬から8月にかけて、上げ幅全体の調整場面へ入ります。

8月、9月の安値の目安は、25000ドル前後が挙げられます。下げ幅が大きくなっても、5月14日の安値22789ドル程度で止まると考えられます。

週明け後の価格が下げるなら、青の実線の展開になる可能性が出てきます。

3月から続く上値、下値を切り上げるジグザグの流れを継続している展開です。

目先の下げは、4月29日~5月14日と同程度の値幅の調整を経過した後、再度上値を試す動きを経過し、上値の重さを確認する動きになると考えられます。

こちらになる場合、8月、9月の安値の目安は、以前に押し目をつけた地点が考えられます。展開次第では、4月2日の安値20735ドルまで下げる可能性を残すことになります。

週明け後の価格が下げる場合、頭のすみに入れておきたい動きは、一気に5月14日の安値22789ドルへ下げるパターンです。

こちらの展開になる場合、8月へ向けて、20000ドル以下を目指す可能性を考えておく必要が出てきます。

こちらのパターンは、週明け後、1週間程度で一気に22789ドルへ接近する動きになるので、すぐにわかります。


〇 日経平均株価は週明け後に上昇継続なら23500円目指す公算も

図表03 日経平均株価日足と今年の予想線

図表03は、日経平均株価日足と今年の予想線です。

政府の経済対策が遅いと批判されていますが、個人的には来年へ向けて、2018年10月の高値24448円以上に株価を押し上げるのに十分な量があると推測しています。

図中の青の展開となっても、来年6月頃までの期間で24448円を超える可能性を残します。

日経平均株価は、週明け後の価格が上昇する場合(NYダウがあと1500ドル幅の上げ余地を残している可能性があるので)、目先の価格が23500円前後まで上昇する可能性が出てきます。

週明け後の価格が下げる場合、目先の下げは、4月17日~22日と同程度の値幅になる1064円幅、または、3月25日~4月3日と同程度の値幅になる1918円幅の調整場面になると考えられます。

1064円前後の値幅の調整で終わる場合でも、一段高を経過した後、すぐに1918円幅の調整へ入るので、5月29日の高値21955円、または週明け後の高値以上の上げ余地が限られる公算です。


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