【2020年1月4日記】2020年のNYダウ、日経平均の下げ幅の大きさは目先の動きで見えてくる公算

【2020年のNYダウ、日経平均の下げ幅の大きさは目先の動きで見えてくる公算】

1. NYダウは週明け後、すぐに下降を開始するかが焦点

新年、明けましておめでとうございます。

3日、米軍がイラン革命防衛隊の司令官を乗せた車列を空爆、殺害したと発表し、イランのザリフ外相が国営テレビで報復に踏み切る可能性があると述べています。

年明け早々、中東が緊迫したことで、原油価格が急上昇し、米国株価が急反落しています。

今回は、年初のNYダウの下落が下降局面入りのきっかけになっている場合、どのような値動きがあらわれるかについて紹介します。

昨年11月17日の記事では、NYダウが11月、12月に年間の最高値を更新する展開になる理由として、「翌年へ向けた期待値が高く、株価が下がりにくい状態になっている」、「翌年へ向けた上昇分を先取りして上げている」、「上げやすい時期に短期的な買い材料に注目が集まって上昇している」という3通りが考えられると書きました。

翌年へ向けた上昇の流れへ入っている場合、年明け後も上昇を継続して、高値を更新する動きになる場合がありますが、上げやすい時期のため買い材料に注目が集まっているような展開だと、年明け後、すぐに下降を開始することが多くなっています。

そのため、1月の月足が陰線引けする(1月の始値よりも終値の方が低い)場合、ほとんどの年で月初に1月の最高値をつける動きとなっています。

昨年から書いている通り、本年の価格が下げるという見方が正しければ、昨年末の上昇は上げやすい時期に下げ難い展開になっていたことであらわれていた動きに過ぎず、本年1月は、陰線引けする展開になると考えられます。

90年以降で1月の月足が陰線引けした年は、90年、93年、98年、00年、02年、03年、05年、08年、09年、10年、14年、15年、16年、17年の14回あります。17年は上昇途中で横ばいに推移していて、たまたま陰線引けした年だったので除外します。

過去13回の1月の最高値をつけた日付を順番に見てゆくと、「3日、5日、5日、14日、7日、13日、3日、2日、6日、19日、2日、2日、4日」となっています。

中旬頃に戻り高値をつけたのは3回だけで、あとは、大発会の日を含めて1~4営業日程度の範囲で最高値をつけて、下降の流れへ入っています。

以上のことを考慮すると、本年1月が天井をつけた後の下げ場面となって、1月の月足が陰線引けする展開になるなら、1月2日の高値28872ドルが戻り高値となって、すでに下降の流れへ入っているか、6日、または7日までの間に一時的に28872ドルを超えて、戻り高値を確認した後、下降を開始する動きになるかのどちらかが考えられます(図表01を参照)。

図表01 NYダウ日足と予想線

週明け後、下値堅く推移して、日柄をかけて高値を更新する場合、1月中旬頃まで下値堅く推移してから下げるか、1月が陽線引けする動きになるかのどちらかになる可能性が大きくなります。

こちらの展開になる場合、本年は、「2020年マーケット・シナリオ」で書いた下げ場面にならず、価格が下げても、3000ドル幅程度(25000ドル程度が下値の目安)の下げで終わる可能性を考えておく必要が出てきます。


2. 日経平均株価は戻り高値をつけた後の下げ局面へ入っている公算

日経平均株価は、本年が弱気の展開になる場合、NYダウの展開にかかわらず、昨年12月17日の高値24091円が戻り高値となって、すでに下降の流れへ入っている公算です。

今後は、2~3週程度の期間で、一気に下げ幅を拡大する動きになる可能性があります。

下値の目安は、19年11月21日の安値22726円、19年10月4日の安値21276円などが挙げられます(図表02を参照)。

図表02 日経平均株価日足と予想線

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