【2019年12月15日記】日経平均株価はまだ一段高を残している公算か

【日経平均株価はまだ一段高を残している公算か】

1. NYダウは週明け後に上値を抑えられるかが焦点

12月13日に米中協議、第一段階が合意できたことで、NYダウは、一気に戻り高値28174ドルを超える上げ場面を経過しています。

米中貿易問題は、米中の来年の景気を落ち込ませるきっかけになる可能性があっても、来年へ向けて景気を押し上げる材料になるわけではありません。

今回の合意による上昇は、上げやすい時期の積極性を後押しするだけ動きに過ぎません。高値更新は、長くても1月上旬頃までの動きで終わると考えらえます。

来年、「NYダウは、2007年10月から2009年3月までと同程度の値幅7729ドル幅の下げ場面があらわれる可能性がある」という見方に変更はありません。

最近の年間の変動幅と方向を見てゆくと、2016年が4537ドル幅の上げ、2017年が5199ドル幅の上げ、2018年が5239ドル幅の下げとなっています。ちなみに、2008年は、5830ドル幅の下げとなっています。

本年は、13日の高値までで、すでに5652ドル幅の上げを経過しています。

下げよりも値幅が小さくなりやすい上げ方向の動きにもかかわらず、本年は、2008年の下げ場面と同程度の値幅の動きとなっています。本年が(転換点の年になる可能性がある)特別な年であることは、変動幅からもあきらかです。

なお、本年のNYダウの上げは、暴落しても痛手を少なくするための上げ場面、つまり、7729ドル幅の下げがあっても、想定できる範囲の下げで終わるための準備の動きであることも考えられます。

だとするなら、想定できる安値は、昨年12月の安値21712ドルが挙げられます。

上げが勢いづくなら、1月上旬頃までの期間で、21712ドルに7729ドルを加えた29441ドル前後まで一気に上昇することも頭のすみに入れておきます。

図表01 NYダウの月間の変動幅

図表01は、2005年以降のNYダウの月間の変動幅を示しています。

一番下の数値は、月ごとの変動幅の年間の平均値です。これを見ると、リーマンショックへ突入する2007年以降、それまで500ドル以下だった変動幅が、700ドル前後まで拡大しています。さらに、2018年、2019年は、2018年が2000ドル、2019年が1400ドルと、倍増しています。

2019年の変動幅を詳細に見てゆくと、だいたい毎月1300ドル幅以上の動きになっていることがわかります。

1300ドル幅以下だった月は、3月、4月、7月、11月です。

4月、7月は、5月、8月の急落を前に、上値の限界を探る動きになって、月の後半に上値重いが下げ難いという展開を経過しています。月の変動幅が小さい場合、上値重い動きによってあらわれていると考えられるため、翌月以降、値幅の大きな下げになる可能性があるということです。

2019年12月は、12月3日の安値27325ドルから13日の高値28290ドルまでで、すでに965ドル幅の変動幅となっています。

来年以降の価格が大幅な下げ場面になるという見方が正しければ、来年1月には値幅の伴った下げがあらわれる可能性があります。

そのように見るなら、12月が965ドル幅の動きで終わり、13日の高値28290ドルが戻り高値になる展開も十分に考えられます。

一方で、週明け後の価格が続伸して、28290ドルが戻り高値にならないなら、その後は、1300ドル幅の上げ場面を経過する可能性が出てきます。

週明け後、上昇を継続するなら、その後は、28600ドル前後か、28600ドル以上の上げ場面になると考えられます。

図表02 NYダウ日足と12月の展開

図表02は、NYダウ日足です。

図中の実線は、前述のことを考慮した12月の展開を示しています。


2. 日経平均株価はまだ一段高を残している公算か

日経平均株価は、13日の高値が12日の終値比で500円以上の上げ幅となっています。

13日のように、前日の始値、または終値のどちらか高い方(陽線なら終値、陰線なら始値)と当日の高値までの値幅が500円幅を超えている日は、そんなに多くありません。

2017年は、1度もあらわれませんでした。

2018年は、9回、2019年が12月13日を除くと3回あります(図表03~8を参照して下さい)。

図表03 日経平均株価日足と500円幅上げ場面1
図表04 日経平均株価日足と500円幅上げ場面2
図表05 日経平均株価日足と500円幅上げ場面3
図表06 日経平均株価日足と500円幅上げ場面4
図表07 日経平均株価日足と500円幅上げ場面5
図表08 日経平均株価日足と500円幅上げ場面6

500円の上げ場面となった日の中で、2018年3月6日、3月27日、12月27日、2019年1月7日、2月12日、9月5日は、下降から急な上昇へと転換する場面であらわれています。

その他、2018年1月7日、3月9日、7月13日、11月2日などは、上昇の途中であらわれています。

12月13日は上昇の途中であらわれているケースなので、過去の上昇の途中であらわれている4回のケースを参考にします。

過去4回は、すべて、500円高となった日の高値を超えた後、2~4営業日後に上値を抑えられています。

以前と同様、目先、2~4営業日後、上値を抑えられる展開になるなら、現在の上昇は、18年10月の高値24448円を超えることなく、戻り高値をつける動きになる可能性があります。

その場合、図表09の日経平均株価日足の中の実線の通り、来週中に戻り高値をつけて下降を開始するか、12月末、または1月上旬までうろうろした後、下降を開始する展開の2通りが考えられます。

上値の目安は、12月の変動幅を考慮すると、24200円、24300円前後が考えらえます。

図表09 日経平均株価と12月の展開

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