【2020年11月29日記】日経平均株価は来週高値更新なら月末まで上げ継続の公算

----- 日経平均株価は来週高値更新なら月末まで上げ継続の公算

〇 日経平均の11月が一本調子に上昇したときの12月の展開

前回は、NYダウの11月と12月の値動きについて紹介しました。

本年のように11月が一本調子に上昇している年は、12月が下値堅く推移するか、上昇の流れを作っています。

今回は、1990年~2019年までの期間で、日経平均株価の11月が本年のように一本調子の上昇の流れを作っている場合、12月がどのような値動きになっているのかを見てゆきます。

NYダウと同様、下値堅く推移するか、上昇すると考えたいところですが、実際は、強弱が極端にあらわれています。

11月の急騰により、すでに27000円目前に位置しています。さらに12月も上昇すると書くと、疑いたくなると思うので、今回は、「これ以上上げにくいのでは」という先入観を捨ててもらうために、しっかりと、過去の図を掲載しておきます。

〇 12月は月初から上昇、下降の流れがはっきりとあらわれている

1990年~2019年までの期間で、11月が月初から一本調子の上昇の流れを作っている年は、1995年、1998年、2005年、2010年、2013年、2015年、2016年の7回あります。

図表01~07は、11月が一本調子の上昇場面となった過去7回のケースです。

図表01 1995年の日経平均株価日足

1995年は、12月1日の安値が12月の最安値となって、月末まで一本調子の上昇の流れを作っています。

図表02 1998年の日経平均株価日足

1998年は、12月2日の高値が12月の最高値となって、月末まで一本調子の下降の流れを作っています。

NYダウは、11月に一本調子の上昇を経過した後、11月末に上値を抑えられて、12月14日まで下げの流れを作り、月末へ向けて、下げた分を戻しています。

日経平均は、12月が10円幅程度の円高局面となったことで、NYダウが上昇を開始しても、下げの流れを継続しています。

図表03 2005年の日経平均株価日足

2005年は、12月1日の安値が最安値となって、月末まで上昇の流れを継続しています。

図表04 2010年の日経平均株価日足

2010年は、12月1日の安値が最安値となって、月末まで上昇の流れを継続しています。

図表05 2013年の日経平均株価日足

2013年は、12月6日まで下値を試す動きとなった後、月末まで上昇の流れを継続しています。

図表06 2015年の日経平均株価日足

2015年は、12月1日の高値が最高値になった後、月末まで下げの流れを作っています。

NYダウの2015年11月は、一本調子の上昇の動きになっていません。

ドル・円相場は、12月がはっきりとした円高の流れを作っています。

図表07 2016年の日経平均株価日足

2016年は、12月5日の安値が最安値となって、月末まで一本調子の上昇の流れを作っています。

12月初めに目立った下げを経過してから上昇を開始した2013年を除くと、どの年も、だいたい月初から月末まで、はっきりとした流れを作っていることがわかります。

〇 12月に円安になるなら、日経平均株価が大幅高になる可能性がある

昨日、ペンシルベニア州の地元の議員団が提訴していた訴訟で、「選挙が違憲のため、州議会に選挙人を選択する権限を与える」という判決が出たようです。

トランプ大統領が再選する道筋が見えてきました。

バイデン氏が大統領に選ばれるなら、12月はこれまでの円高の流れを継続する格好で、3月9日につけた101.16円を試す動きになる可能性が大きくなります。

一方で、トランプ大統領が再選される場合、これまでの円高の流れが変化して、下値堅く推移するか、円安へ向かう可能性が出てきます。

つまり、バイデン氏が大統領に選ばれるときだけ、本年の日経平均株価は、12月に月初から月末まで一本調子の下げ場面になる可能性を残します。

また、トランプ大統領が12月14日の選挙人の投票で270票以上を獲得し、再選する場合、その後、年末へ向けて、日経平均株価は、円安の後押しにより、上げ幅の大きな動きになることも考えられます。

〇 2020年12月は週明け後に高値を更新できるかで決まる公算

図表08 2020年の日経平均株価日足と12月の展開

図表08は、最近の日経平均株価日足です。

図には、前述した過去の値動きを参考にしてた予想線を引いています。

日経平均株価は、11月25日の高値26706円が抵抗になって、まだ26706円を超えられずに推移しています。

11月2日以降の上昇は、非常に勢いの強い動きのため、数日間上値を更新できないと、上昇の勢いが終息して、上げにくい展開へ入る可能性が大きくなります。

私は勢いの強い流れの途中であらわれる調整のことを小幅調整と呼んでいます。小幅調整は、上値、下値を切り下げないこと、そして、1~5営業日、1週間のうちに高値を更新することが目安になります。小幅調整ではない動きがあらわれた時点で、勢いの強い上昇の流れが終息していると判断します。

11月17日~20日までの調整は、4営業日で、最後の5営業日目に一気に上昇して、高値を更新しています。

週明け後、26706円を超えられずに反落して、26日の安値26255円を割れる動きがあらわれるか、5営業日以上、26706円を超えられないなら、12月が上値重く推移する可能性が出てきます。

その場合、月末まで下値を試す動きとなって、11月の上げ分を修正する動きになる(図表08の青の実線)か、今週中、12月4日までに押し目をつけて再上昇を開始する(図表08の緑の実線)のどちらかの展開が考えられます。

再上昇を開始する場合、いったん積極的な買いが終息した経緯から、再上昇を開始するまでに日柄が必要になります。12月中旬頃まで下値を切り上げるもちあいを経過して、下旬に上昇を開始するという見方が有力になります。

週明け後の価格が一段高となって、すぐに26706円を超えるなら、12月は、月末まで上昇の流れを継続する可能性が大きくなります(図表08の赤の実線)。

来年へ向けた上値目標値は33000円以上になります。それを先取りする格好で、28000円以上へ上昇すると考えられます。


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