【2019年10月12日記】日経平均株価が年末へ向けて下げる場合、2通りの展開に絞られる

【日経平均株価が年末へ向けて下げる場合、2通りの展開に絞られる】

(1)日経平均株価の11月と12月の展開

図表01 日経平均株価の11月の展開
図表02 日経平均株価の12月の展開

図表01は、日経平均株価の11月の値動きを示しています。

図表02は、日経平均株価の12月の値動きを示しています。

表中の「○」が11月に陽線引けした年、「●」が11月に陰線引けした年です。

陽線の上ヒゲは、「高値-終値」、下ヒゲが「始値-安値」、実体が「終値-始値」で算出した数値です。

陰線の上ヒゲは、「高値-始値」、下ヒゲが「終値-安値」、実体が「始値-終値」で算出した数値です。

表の一番下の数値は、11月、12月にそれぞれ陽線引けする確率と、上ヒゲ、下ヒゲ、実体の平均値になります。

図表01を見ると、11月は、1990年から2018年までの期間での陽線確率が65.5%となっていて、上昇する傾向のあることがわかります。65.5%は、年間を通じて最も大きな数値です。

陰線引けした年の上ヒゲを見ると、数値があまり大きくなっていないことがわかります。

11月が陰線引けする場合、月初からあまり上げず、下降していると考えられます。

図表02を見てわかる通り、12月は、陽線確率55.2%と、あまり方向感のない月となっています。

11月と12月を合わせて見ると、はっきりとわかる傾向があります。

それは、11月と12月が連続して下げていることがほとんどないということです。

日経平均株価は、9月以降、来年へ向けて下値堅い場所を模索する動きを経過して、年明け後に上昇の流れを作ります。

11月から12月までの期間は、翌年へ向けた上昇を開始する前の安値を確認する過程での最終段階、あるいは、翌年へ向けた上昇の流れへ入る時期として、価格が2か月連続して下げていないと推測できます。

1990年から2018年までの期間で、11月と12月の月足が連続して陰線引けしている年は、2007年と2011年の2回しかありません。

図表03 2007年11月、12月の日経平均株価日足
図表04 20011年11月、12月の日経平均株価日足

図表3は、2007年11月、12月の日経平均株価日足です。

図表4は、2011年11月、12月の日経平均株価日足です。

2007年は、11月、12月と連続して陰線引けしていますが、12月の月末の値位置が、11月の安値付近に位置しています。つまり、11月の安値付近から見れば、12月末までは、横ばいに推移していたと見ることができます。

2011年も、11月に下げた後、12月が横ばいに推移して、結果として陰線引けしているだけになっています。

11月、12月がともに陰線引けしている年でさえ、連続して下値を掘り下げる展開になっていません。


(2)本年が特別な年ではないなら、年間の変動幅が3500円幅以上になる公算

図表05 日経平均株価の年間の変動幅

図表05は、以前にも掲載した1990年から2018年までの日経平均株価の年間の変動幅です。

これを見ると、価格が年間を通じて10000円を大きく上回っている場合、年間の変動幅が必ず3500円幅以上になっていることがわかります。

本年は、1月の安値19241円から4月の高値22362円まで、3121円幅の動きを経過しています。

例年の通りなら、以前に紹介した通り、上下へ不足分を取りに行くと見ることができます。

本年が年末へ向けて価格が下げる展開になる場合、これから先、少なくとも、4月の高値から3500円幅下げた地点18862円を目指すと考えられます。

本年のこれまでの下げにくさを考えると、今後、19000円以下まで下げる展開を想像できないかもしれません。

そのときは、本年1月の安値が年間の最安値となって、年間の変動幅が3121円幅で終わる場合を想像して見てください。

現時点での感覚としては、なんとなく無難に感じるかもしれません。しかし、今年は、これまで20000円前後に位置していたときにあらわれることがなかった極端に変動幅の小さな年になってしまいます。

特別な値動きになると予測するわけですから、当然、本年が例年にない極端に値幅の小さな値動きになってしまう理由が必要です。

今のところ、本年の変動幅が特別に短くなるという理由が見つからないので、4月の高値が最高値となって、年末へ向けて価格が下げるなら、本年は、年末までに18862円以下まで下げると見ておく方が妥当だと言えます。

さて、10月11日の夜間取引で、225先物期近が22000円まで上昇しているため、18862円以下まで下げる場合、あと3000円幅以上の下げを経過する必要があります。

まだ2か月半の猶予期間がありますが、前述した11月と12月の値動きを考慮すると、どちらか1か月の期間が下値を掘り下げることのない期間になるので、下げられる期間は、10月後半と、11月、12月のどちらか1か月だけになります。

18862円以下まで下げる展開になるなら、もう動き方は限られているということです。


(3)本年が年末へ向けて下げる場合の日経平均株価の展開は2通りに絞られる

図表01と図表02を見てください。

一番右側の下降幅となっている数値は、始値から安値までの下げ幅になります。

11月、12月とも、極端な値動きとなっている場合、3000円幅以上の下げを経過していることもありますが、通常、値幅が大きくても1500~2500円幅程度の下げ幅になると見ておく方が無難だと言えます。

11月に価格が下げる場合、月初から下げる傾向があると前述しました。11月に価格が大きく下げる場合、10月までの価格が上昇していて、10月下旬ごろに戻り高値をつけて下降を開始する展開となっています。

10月末ごろに高値圏から下げて、11月が下降の流れへ入る場合、11月は、1か月を通じて下げの流れを作り、1993年のように、3000円幅を超える値幅の極端に大きな下げ場面になることも想定できます。

極端な値動きにならないなら、11月、12月に値幅が大きな下げ場面となっても、どちらかが始値から2000円程度の値幅の下げになると見ておけます。

その場合、10月の月末の値位置は、少なくとも21000円以下に位置している必要があります。

図表06 日経平均株価日足と2019年の予想線

以上のことを考慮すると、今後の展開は、図表06の赤と青の2通りの実線に絞られます。

青の実線は、週明け後、すぐに下降を開始して、10月末までに20000円前後まで下げた後、11月に若干の反発を経過して、12月に18862円以下を目指す展開です。

赤の実線は、10月中、22000円前後で短期の天井型を形成する動きへ入り、10月の最終週にはっきりとした下降の流れへ入り、11月に一気に下げ幅を拡大する展開です。

どちらの展開になるかは、週明け後、すぐに下降を開始するか否かで見えてきます。

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