【2020年7月26日記】今週はNYダウ、日経平均が上昇できるかの最終段階の判断のポイントになる公算

----- 今週はNYダウ、日経平均が上昇できるかの最終段階の判断のポイントになる公算

〇 NYダウは6月の安値を維持する展開になるかが焦点

「日経平均株価が年末へ向けて32000円を目指す」と勝手に盛り上がっていますが、6月以降、上値重く推移して、上がってきません。

毎週、今週の価格が上昇するかが焦点となると書いているので、いい加減、この記事への信用がなくなってきた頃だと思います。

それでも、あえて今回も書きます。

今週のNYダウが上昇を開始するなら、NYダウ、日経平均株価は、本年年末へ向けて大幅高となる可能性を残します。

今週は、その最終判断の場所になります。

私の相場の見方は単純です。

価格は、「上げやすい時期に目標となる高値を目指す」「下げやすい時期にその時点での下値の限界を試す」という動きを繰り返しているだけなので、上げやすい時期に価格が上値重ければ、下げやすい時期へ入り、値幅の大きな下げ場面になって、下値を掘り下げると見るだけです。

前回、NYダウは、7月の価格が上げやすく、8月、9月が上値を抑えられやすい傾向があると紹介しました。

1990年以降、年末へ向けて価格が上昇の流れを作り、年末までの年の前半の高値を大きく上回る展開になった年には、1993年、1995年、1996年、2003年、2006年、2009年、2013年、2014年、2016年、2017年、2019年があります。

2014年を除いたすべての年で共通する値動きは、年末までの期間で、6月~7月の範囲でつける安値に接近するような値動きがあらわれず、上昇の流れを作っているということです。

2014年は、10月に日銀が追加の量的な金融緩和を実施して、GPIFが国内、海外の株の保有比率を増やすことを発表し、日経平均、NYダウとも、それまでの上値重い動きが転換して、10月末以降に急上昇を開始した年です。

2014年は、8月、9月に6月~7月の安値を下回っていますが、例年にはない買い材料が出たことであらわれた動きのため、除外しておきます。

過去の動きを見ると、年末へ向けて大幅な上昇場面を作る場合、6月、7月の安値が押し目になって、6月から7月にかけて値幅の伴った上げを経過し、8月、9月に価格が下げても、下値堅く推移して、年末へ向けた上昇の準備の動きとなります。

8月、9月の期間で、価格が6月から7月の安値を割れる動きになる場合、年末へ向けて価格が上昇しても、年の前半の高値を目指す動きとなる程度で終わります。

年末に年間の最高値をつける動きとなっても、年の前半の高値を若干超える程度の地点になっています。

〇 NYダウは前週にはっきりとした弱気サインをつけた

NYダウは、7月24日に7月20日の安値26504ドルを割れて、8月15日以降が上値、下値を切り下げる弱気サインをつけています。

7月15日以降、上値重い日柄を経過して、下げやすい8月を前に、はっきりとした弱気サインをつける展開になったわけです。

8月、9月に価格が大きく下げるなら、週明け後の価格は、上値の重さを再確認する展開になって、8月に下げが勢いづく準備の動きとなるか、週明け後、すぐに下げが勢いづくかのどちらかになると考えられます。

前述の通り、目先の価格が下げて、6月16日の安値24843ドルへ接近する展開になるなら、本年は、9月以降、年末へ向けて価格が積極的に上昇を開始したとしても、6月の高値27580ドル、または2月の高値29568ドルを目指す程度の動きで終わるという見方が有力になります。

積極的な上げ局面になったとしても、上値の限界が見えている状況です。

投機が利益を得るための振れ幅を作る動きがあるなら、それは下方へ向かう振れとして作られることになります。

週明け後、上値重く推移するなら、その時点では、8月、9月が5月14日の安値22789ドル以下を目指す動きになり、9月以降、どんなに価格が上昇しても、27580ドルを目指す程度で終わると推測できます。

〇 NYダウは最終判断の場所に位置

年末へ向けて、29568ドルを大きく上回る大幅な上昇局面のあらわれる可能性があるなら、今後の価格は、24843ドルへ近づく展開にならないと考えられます。

そのためには、8月、9月に価格が下げても、24843ドルへ届かない程度まで、週明け後の価格が急騰するか、8月、9月が堅調に推移するかのどちらかの動きになる必要があります。

すでに下げやすい環境が整っているので、週明け後の価格が上値重く推移した時点で、上昇を開始する展開を考えにくくなります。

強気の展開になるには、7月15日以降の動きで作った弱さを一気に払拭する値動きが必要です。

週明け後、1~2営業日で価格が一気に15日の高値27071ドルを超える動きになった場合だけ、強気の流れを作る可能性を考えておきます。

図表01は、NYダウ日足と今後の予想線です。

図表01 NYダウ日足と予想線

〇 日経平均株価は弱気なら連休明け後に下げが勢いづく公算

NYダウが週末にかけて下げたことや、ドル・円相場が円高へ振れたことなどから、連休明け後の日経平均株価は、下放れて始まる公算です。

NYダウと同様、日経平均株価は、週明け後の価格が一段安になると、7月15日の高値22965円が戻り高値になって、すでに下降の流れへ入っている可能性を示します。

目先の弱気の流れは、6月16日以降が上昇途中の中段もちあいの動きになっているか、6月15日以降の下値堅い動きの全体が下降途中の一時的な調整となって、現在が下降の流れへ入っているかのどちらかが考えられます。

どちらの展開になる場合でも、目先はいったん下値を試す動きになる公算です。

前述したNYダウの展開を考慮すると、週明け後の価格が下げて、弱気の流れを示すなら、その下げは、8月へ向けて、値幅と日柄の長い下げの流れを作る初期段階だという見方が有力になります。

日経平均株価が年末へ向けて30000円以上を目指す動きになるには、週明け後の一段安の後、すぐに反転上昇を開始して、強気の流れの継続を示す動きが必要です。

図表02は、日経平均株価日足と、今後の予想線です。

図表02 日経平均株価日足と予想線

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