----- 今週は日経が30000円以上を目指す動きになるかの分岐点
〇 NYダウは週明け後に上げるなら上昇継続中の可能性を残す
図表01は、NYダウ日足です。
NYダウは、6月19日の価格が下げていますが、終値で6月16日の安値25811ドルを維持する動きとなっていることや、6月16日以降の価格が終値ベースで上値、下値を切り下げる動きになっていないことなどから、まだ上昇途中の小幅調整の範囲内の動きである可能性を残しています。
6月15日の安値が押し目底になって、新たな上昇の流れへ入っているなら、週明け後は、19日の安値25759ドルを維持して、新たな上昇の流れへ入る公算です。
週明け後の価格が下げる場合、6月16日以降の動きは、上値の重さを確認した後の下降局面である可能性が大きくなります。
週明け後の価格が下げる場合、その後は、一気に5月14日の安値22789ドル以下へ下げるという見方が有力になります。
〇 日経平均の最も強い展開は、だいたい1営業日80円の速度
6月7日に配信した記事では、アベノミクスの3本の矢の政策がすべて出そろったことで、日経平均株価が30000円以上を目指す可能性があると書きました。
この記事を読み、何をバカなことを書いているんだと考えた方が多いのだと思います。
私は、記事を書く際、必ずそうなると考えて書いているわけではありません。ただ、目標があるなら、目標へ到達するための道筋があるので、それを想定しておくことで、予測の当否を誰よりも先に知ることができると考えています。
実際に30000円以上を目指す展開になるなら、今後の価格が22000円以下をつける場面は、30000円以上の戻り高値へ到達した後、価格が天井をつけて急落するときになると考えられます。
まずは週明け後、NYダウが反発を開始して、日経平均株価が上昇すれば、30000円以上を目指す可能性を残すことになります。
当然、週明け後のNYダウが下げるなら、日経平均株価は、30000円以上を目指す展開を考えにくくなります。
事前に想定できるシナリオはいくつもあり、重要な分岐点を通過するごとに、シナリオが絞られてくるのです。
図表02は、日経平均株価月足です。
20年3月の安値が押し目底となって、現在が新たな上昇を開始しているなら、その上げは、18年10月以降の下げ幅(8090円幅)を18年10月の高値24448円に加えた以上の地点(32538円以上)が上値目標値になります。
この上昇は、現在の政策の効力が最大限に発揮できる地点でピークをつけると考えられます。
早ければ今年の年末、遅ければ来年4月か6月、または年末だと推測できます。
日経平均株価の最も強い動きとなるシナリオは、今年の年末ごろまでの期間で33000円程度まで上昇する展開です。
今月末に23000円に位置するなら、残された期間は、7月から12月の6か月になります。6か月で10000円の上げ幅を達成するには、1か月1600円幅程度の上げが年末まで連続する動きが必要です。1か月が20営業日とするなら、1営業日で80円ずつ上昇する速度の上げになります。
基本となる速度から推測できる値位置と、実際の値位置にずれが出てくれば、そのずれをどこで修正できるのか、もう修正不可能な状況、時期かを考えれば、目標へ到達できるか否かを判断できます。
図表03は、バブル期の最終局面の日経平均株価月足です。
87年10月から11月までの2か月間で6133円の下げを経過した後、87年11月に押し目底をつけて、再上昇を開始しています。
11月、12月と2か月間の下値堅さを確認する期間を経過して、88年1月以降、はっきりとした上昇の流れへ入っています。
この上げは、上昇開始から4か月目となる88年4月に87年11月の高値を超えて、その後、8月までのもちあい期間を経過して、9月から再上昇を開始しています。
9月からの上昇は、89年5月まで、9か月連続して月足が陽線引けする動きとなって、7636円幅の上昇場面となっています。
89年12月の大天井38957円までは、16か月で12256円幅の上げ場面となっています。
今後の日経平均株価が最も強気の展開になる場合、その上げ方は、バブル期の最高値をつける場面と似た強い動きとなって、上げの速度が以前よりも速い展開になると考えられます。
疑ってはねつけるよりも、まず、事実だけを追って、可能性を積み上げてゆく作業をしてゆきましょう。
図表04は、日経平均株価日足です。
前述した通り、週明け後のNYダウが下げて、日経平均株価が6月18日の安値22125円を終値で下回ると、6月16日の高値が戻り高値となって、すでに下降の流れへ入っている可能性が大きくなります。
弱気の展開になる場合、目先は下降が勢いづくと考えられるので、30000円以上を目指すシナリオが消滅します。
週明け後の価格が上昇する場合でも、一気に6月9日の高値23185円を超える程度まで上げられず、23185円を前に強く上値を抑えられる展開となっても、30000円以上を目指す展開を考えにくくなります。
週明け後の価格が上昇を開始して、すんなりと勢いづくかどうか、今週は重要な分岐点となります。