----- NYダウ、日経平均とも大納会に向けた動きに注目
〇 1月6日、20日が米国の分岐点
皆さんは、米国の大統領選挙の結果をどのように見ているのでしょうか。
メディアは、バイデン氏が当確となっていますが、トランプ大統領を支持する側の人たちは、1月6日が決戦の日だと言っています。
11月3日の大統領選挙後、トランプ大統領陣営は、選挙に不正があったと訴えてきました。
実際、2ヵ月近く経過する過程で、数多くの証人があらわれ、不正を映すビデオが公開され、投票システムの意図的な不具合が事実であることが検証されています。不正は、否定できない事実だとわかっています。
これが共和党と民主党の戦いであれば、どちらが勝っても米国に痛みは残らかなったかもしれません。
しかし、トランプ陣営は、今回の選挙が、外国の勢力と協力して、大規模な不正があったと訴えています。
実際に大規模な不正の存在を暴いてしまったため、不正のない状況なら、トランプ大統領が圧勝で再選を果たしていたことが想定できる状況になっています。
不正があいまいなものであれば、外国勢力の話もあいまいに処理できたかもしれませんが、不正を暴いてしまい、それを外国勢力と関連付けてしまったので、現在では、実際の外国勢力の影響の有無にかかわらず、選挙でバイデン氏が勝つことが外国勢力に米国が負けることを意味してしまっています。
そういう印象を他国に与えるのに十分な情報をトランプ陣営が発信してしまっているということです(その情報がフェイクだったとしても、今後、与えてしまった印象を払拭することはできません)。
1月6日に何も起こらず、バイデン氏が米国の新大統領に決まるなら、米国の権力層は、金がすべてであることを(同盟国を含めた)他国に印象づけることになり、米国離れが進むと考えられます。
このことは、アジアの覇権が中国に移ってゆく象徴的な出来事になるわけです。
1月6日の結果次第で、2021年は、米国離れからの円高が進むことも考えられます。NYダウは、今年、または来年の高値がもう超えられない高値となって、下降を開始することも考えられます。
今回のメルマガは、NYダウ、日経平均株価の目先の見方について紹介します。
来年の展開は、今週の値動きと、1月6日の状況を確認した後、書いてゆきます。
〇 日経株価平均は弱気有利だが積極的な動きがあらわれていない状況
前回、日経平均株価が来年33000円以上を目指すには、「2月頃までの期間で、一気に上げ幅を拡大して、30000円程度か、それ以上へ上昇する動きが必要」と書きました。
そのためには、前週から新たな上昇へ入っている可能性があると推測しましたが、そうなりませんでした。
21日は、高値を更新しましたが、すぐに強く上値を抑えられ、翌日に下放れる動きとなっています。
21日の時点で弱気有利な状況となったので、2月までの大幅上昇はなく、来年は33000円へ到達する展開にならないと考えたくなる場面ですが、強気の可能性も残しています。
チャートでは、12月以降のもちあいレンジ下限となる8日の安値26327円を割れると、12月7日と21日の高値でダブル・トップのパターンを完成します。
下値余地が十分にあって、積極的な下げの流れへ入っているなら、22日の下げをきっかけにして、23日に26327円を割れて、勢いの強い下げの流れへ入っていると考えられます。
23日以降、26327円を維持して下値堅く推移している動きは、現時点で、まだ積極的な動きへ入っていない可能性を示唆しています。
現在は、弱いと見ることができる場面だけれども、もう少し確認が必要な状況ということです。
そこで、以下では、どのような動きになると、これまでと明らかに流れが変化したと判断できるのかについて見てゆきます。
〇 NYダウは12月22日の安値29992ドル割れなら弱気と判断
図表01は、NYダウ日足です。
チャートには、11月中旬以降のもちあい期間中に弱気の動きがあらわれた日と、翌日の日付を記入してあります。
11月12日、11月20日、11月30日、12月14日は、終値で上値、下値を切り下げるはっきりとした弱気サインをつけて、陰線で引けています。
このようなパターンがあらわれると、価格が積極的に下げなくても、戻り高値を更新できなければ、日柄の経過によって、弱さが明確になります。上げ渋れば弱気有利という判断の仕方になります。
11月中旬以降のもちあいの動きは、チャートで弱い形ができた翌日、すぐに価格が反発して、弱い動きとなった陰線の安値を割れることなく上昇して、2~5営業日で高値を更新する動きとなっています。高値を更新することで、上値の重さを払拭してきたわけです。
高値を更新したことで、弱さよりも下値堅さが強調されて、だらだらと長くもちあっても、一気に下げる展開になりにくかったわけです。
これまでの流れを継続中、または、新たな上昇を開始しているなら、週明け、遅くても大納会までの期間で、12月22日の安値29992ドルを維持して、高値を更新する動きになると考えられます。
一方で、週明け後の価格が下げて、29992ドルを割れる動きになるなら、その時点では、これまでの流れと異なる弱さを示す格好になります。
そうなると、その後は、いったん大きく下値を掘り下げる動きになる可能性が出てきます。
ただ、弱気の展開になる場合でも、積極的に下値を試す流れは、(11月以降の値動きを考慮すると)年明け後になると推測できます(図表02を参照)。
〇 日経平均株価は週明け後に下げるなら弱気有利を再確認
チャートのもちあいの動きには中心があります。
もちあいレンジ下限から上限、上限から下限へ向かう場面では、中心値を抜けるときにギャップを開ける傾向があります。
レンジ内での高値圏、安値圏でうろうろする場面では、中心値が支持、抵抗の目安になって推移します。
日経平均株価の11月末以降のもちあいレンジの中心値は、だいたい26600円前後になっています。この付近では、下値を支えられる、上値を抑えられる、ギャップを開ける展開となっています。
弱気の展開になる場合、図表03の通り、週明け後の価格が下放れて、そのまま下値を試す流れへ入ると考えられます。
強気の展開になる場合、週明け後は上昇して、戻り高値26905円を試す動きになる公算です(図表04を参照)。
図表05は、日経平均株価日足と乖離線(終値-25日移動平均線)です。
乖離線の動き方から推測する場合、目先、勢いの強い上昇の流れへ入る場合、その上げは、乖離線が2000円を超える動きになる可能性があります。
この見方が正しければ、次の上げは、11月上旬の上げよりも値幅の大きな動きになる可能性があります。
週明け後の価格が上昇する場合、1営業日の上げ幅の大きな動きへ入る可能性を考えておきます。