【2020年8月16日記】NYダウは8月の月足が陽線引けする可能性が大きくなった

----- NYダウは8月の月足が陽線引けする可能性が大きくなった

〇 NYダウの想定できる8月の展開

図表01 NYダウ日足、1993年パターンの展開
図表02 NYダウ日足、2012年パターンの展開

図表01と02は、過去のNYダウの値動きを参考に、本年7月と、現時点での8月の展開を考慮した8月の想定できる月足の形と、8月から9月にかけての想定できる展開です。

本年は、特別な年です。米国では、大統領選の最中で、足の引っ張り合いをしていますが、どちらも、景気を悪化させるような選択肢など出せるはずがありません。

現状よりも経済指標が悪化すれば、さらなる追加の経済対策が実行されて、株価が維持されることになります。今年後半、景気が回復基調に向かうとしても、早急な引き締めへ向かうことなど、日本の財務省以外、どの国も頭に浮かぶことすらないでしょう。

今年後半のNYダウは、株価が横ばいに推移するか、上昇するかのどちらかの展開になると推測できます。

「特別な年」と書いた理由は、ウィルスによる影響があるという意味ではありません。本年は、はっきりと「政府が株価を押し下げる状況を作らないと推測できる」という意味で、めったにない特別な状況の年だということです。

さて、本年後半が下値堅く推移するなら、当然、本年は、年末へ向けて株価が堅調に推移する年になると考えられます。

1985年から2019年までの期間で、年の前半から後半まで、1年を通じて上昇の流れを作った年は、「1985年、1986年、1988年、1989年、1991年、1993年、1995年、1996年、1997年、1999年、2003年、2006年、2009年、2012年、2013年、2014年、2016年、2017年、2019年」が挙げられます。

過去の値動きを見ると、7月と8月の期間は、たいていの場合、積極的な上昇の流れを作っていないことがわかります。7月と8月は、どちらかが陰線で、どちらかが陽線になっているケースが目立ちます。7月と8月が連続で(1~6月までの月足との比較で)通常の幅以上の陽線をつけるケースは見られません。7月、8月のどちらかで通常の値幅の陽線(または大陽線)があらわれている場合、8月か9月のどちらかで、上げ分を押し戻される陰線をつけています。

本年8月は、月初から一本調子に上昇しているため、すでに月足が陽線引けする展開になる公算です。

7月の月足は、1~6月までの変動幅を考慮すると、上下にヒゲのある小陽線という見方になります。

本年の7月、8月は、ともに陽線引けするケースです。過去に似た展開になっている年は、1993年、2003年、2006年、2012年などが挙げられます。

8月の展開次第で、今後の展開は、2通りのパターンに分けることができます。

1つ目は、「7月が上下にヒゲのある小陽線、8月が(2020年1~6月までの動きの中の比較で)通常か、それ以上の値幅の陽線」の組み合わせです。

2つ目は、「7月が上下にヒゲのある小陽線、8月が上ヒゲのある小陽線」の組み合わせになります。

1つ目の展開になる場合の過去の似た展開になった年は、1993年です(図表03を参照)。

図表03 1993年のNYダウ月足

2つ目の展開になる場合の過去の似た展開になった年は、2003年、2006年、2012年が挙げられます(図表04は、2012年の展開です)。

図表04 2012年のNYダウ月足

本年は、どちらかの展開になると見た場合、今後の動き方は、図表01、02の実線の通りになります。

1993年と似たパターンになる場合、本年8月の振れ幅(高値から安値までの値幅)は、それまでの通常の値幅と同程度か、それ以上になると考えられます。

本年8月の高値の値位置は、28500ドルから29000ドル程度になる可能性があります。

今後の展開は、いったん上値を抑えられた後、今週中に押し目をつけて、月末へ向けて28500ドル以上へ上げる展開になるか、目先の勢いの強い上昇の流れを継続する格好で、一気に28500ドル以上を目指す動きになるかのどちらかが考えられます。

 2003年、2006年、2012年と似たパターンになる場合、本年8月は、今週から来週にかけて、いったん上値を抑えられて、8月の安値を割れない程度の地点で押し目をつけ、8月末へ向けて、再上昇を開始し、27500ドル程度の地点まで上昇する展開が考えられます。

〇 9月末には28000ドルに位置している公算

週明け後に価格が上昇するか、下げるかによって、8月の月足の足型が明確になると考えられます。

目先の価格が上昇すると、一気に2月の高値29568ドルを超える可能性が出てくるため、かなり強いと考えたくなる場面ですが、8月の展開が9月末の値位置に影響しない公算です。

前述した通り、8月に実体の値幅が通常の陽線、または大陽線になる場合、9月が陰線引けする可能性が大きくなります。

8月が小陽線となる場合、9月は、陽線引けして、上昇の流れを作ると考えられます。

どちらの展開となっても、年末へ向けて2月の高値を大幅に上回る動きになる場合、9月末は、28000ドル前後か、それ以上へ位置していると考えられます。

頭のすみに入れておきたいポイントは、(年末へ向けて29568ドルを大きく上回る展開になるなら)目先の価格が下げる場合、次につける押し目が年末まで割れることのない安値になるということです。

また、目先の価格が上昇する場合、現在の値位置は、9月に押し戻される過程で、再度あらわれる可能性のある値位置だということです。

〇 日経平均株価は週明け後に下げるなら22500円以下へ下げる公算も

日経平均株価は、現在も6月9日の高値23185円付近に抵抗感があり、目先の価格がいったん上値を抑えられる展開と、7月31日以降の勢いの強い上昇の流れを継続して、一気に現時点で行ける場所を目指す動きになるかのどちらかが考えられます(図表05を参照)。

図表05 日経平均株価日足、9月までの想定できる展開

前者の場合、7月15日から31日までと同程度の値幅(1255円幅)の調整を来週まで経過する可能性が出てきます。

下値の目安は、22083円前後が挙げられます。

後者の場合、目先は一気に2018年10月の高値24448円を目指す動きになる可能性が出てきます。

強気の展開になるなら、17日、18日のどちらかで14日の高値23338円を超える動きになる公算です。

週明け後、すぐに下降を開始するか、18日を過ぎても上値重い動きになるなら、しばし下値を試す動きを継続する可能性が出てきます。

8月後半は円高になりやすい時期です。

週明け後、日経平均が下げる過程で円高方向の動きがあらわれるなら、目先の下げ幅が大きくなって、前述の目標値を目指す展開を想定しておきます。


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