【2020年8月2日記】NYダウ、日経とも、今週は上下どちらかへ一本調子に動く公算

----- NYダウ、日経とも、今週は上下どちらかへ一本調子に動く公算

〇 NYダウは弱気有利な状況だがもう1週だけ確認作業が必要

前回、NYダウは、6月15日の安値24843ドルへ接近する動きになるか否かが、今年後半の値位置を判断するポイントになると書きました。

前週は、下降の流れを作りましたが、積極的な動きにならなかったことで、まだ24843ドルに近付いていません。

短期的には弱気有利な状況で、週明け後も下降の流れを継続すると見ておくべき場面ですが、24843ドルへ近づくまで、強気の可能性を頭のすみに入れておきます。

今週、24843ドル付近へ下げるまで、年末へ向けて30000ドル以上を目指す展開が残されていると考えておきます。

ところで、これまで、強気の展開になる場合、7月末に価格が大幅高になる必要があると書いてきました。

その理由は、8月から9月にかけて、価格が上値を抑えられやすい傾向があるからです。

例年、8月、9月は、価格が上昇するとしても上げ余地が限られて、価格が下げる場合、下げ幅の大きな動きになる傾向があります。

はっきりと強気の流れを確認するには、8月、9月に下げ幅の大きな動きがあらわれても、24843ドルへ届かない地点まで、7月中に上昇しておく必要があると見ていました。

上値を抑えられやすく、下げ幅が大きくなりやすい時期に上値の重さを示して、弱気の流れを形成しているのですから、通常なら、価格が下げることを最優先として、シナリオを作る場面です。

9月へ向けて、価格は、4月2日の安値20735ドルを目指す動きになって、9月以降、価格が上昇を開始しても、6月の高値27580ドルを目指す程度で終わる展開を想定しておくべき場面だと言えます。

それでもなお、本年は、もう1週間だけ、強弱の両方の可能性を同列で考えておきます。

チャートの示す短期的な強弱は、その状況の中での方向を示していますが、材料が入るとすぐにバランスが変化してしまうものです。

現在、米国では、追加の経済対策が協議されています。共和党が民主党に歩み寄るとしても、結果として金額が膨れ上がるだけで、100兆円以上の額になると言われています。

トランプ大統領にとっては、11月の選挙へ向けて、景気を早急に回復させるための舵取りをしなければいけません。

すでに、失業給付の特例の積み増し分は、7月末に失効となっています。

新型コロナウィルスでの混乱が解消されていない状況では、不安を煽る空白を作るわけにはいきません。

与野党は、8月7日以降に夏季の長期休会へ入る予定のため、その前に審議中の法案の合意を目指すと考えられます。

今週は、弱気有利な状況ですが、急速に流れの変化する可能性を頭のすみに入れておきます。

〇 NYダウは、8月に下げる場合、月初から下げの流れを作る

今週、もう1週間だけ強気の可能性を考えておくとした理由は、前述した理由の他に、8月の値動きの傾向があります。

NYダウの8月は、1990年から2019年までの期間で、月足が陽線引けした確率が50%と、方向感のない月となっています。

ただ、月足が陰線引けする場合、月初から一本調子に下げることが多くなっています。

月足が陰線引けした年は、90年、92年、95年、97年、98年、01年、02年、05年、10年、11年、13年、15年、16年、17年、19年の15回あります。

これらの年の8月の最高値をつけた日は、「1日(1)、3日(1)、2日(2)、7日(5)、3日(1)、2日(2)、22日(16)、10日(8)、9日(6)、1日(1)、2日(2)、3日(1)、15日(11)、8日(6)、1日(1)」となっています。

日付の横のカッコ内の数値は営業日です。

8月の月足が陰線引けする場合、15年中10回が5営業日以内(だいたい第1週目)で月の最高値をつけて、下げの流れへ入っています。

その他、5回のうち、02年、16年、17年は、8月が横ばいに推移して、結果として陰線引けするような値動きとなっています。

05年は、月初の高値を10日に上ヒゲをつける格好で一時的に抜けただけです。

10年は、月初の高値付近で天井型を作るため、月初にもみあったことで、6営業日目に高値を更新する格好になっています。

8月に月足が陰線引けする場合、第1週目に月の最高値をつけて、下降を開始する傾向があり、そのような動きにならない場合、8月の価格が下げても、積極的な下げの動きになっていません。

現時点での弱さと、8月の値動きの傾向を考慮すると、本年8月が陰線引けする場合、週明け後は、積極的な下げの流れへ入ると考えられます。

週明け後、価格が堅調に推移するなら、本年8月が値幅の伴った下げの流れとならない可能性が出てきます。

そうなると、24843ドルよりも上方で押し目をつけて、年末へ向けて30000ドル以上を目指す動きになる可能性を残します。

図表01は、NYダウ日足と今後の予想線です。

図表01 NYダウ日足

〇 今週の日経平均株価は上下どちらへも極端に動く可能性がある

日経平均株価は、前週末に一気に下げ幅を拡大して、勢いの強い下げの流れへ入っていることを明確にしました。

前述したNYダウの8月の季節性と、現状を考慮すると、週明け後の日経平均株価は、価格が反発しても、勢いの強い下降途中の小幅調整程度の動きで終わり、すぐに下降を開始して、6月15日の安値21529円を大きく下回る動きになると考えられます。

現時点での弱さを払拭して、上昇を開始するには、6月15日に大陰線をつけた翌営業日に上放れて始まって、大陽線をつけて引けた動きと似た強さが必要です。

週明け後、7月31日の安値付近で押し目をつける動きになって、2~3営業日で一気に7月15日の高値22965円を超えるような展開にならなければ、8月が弱気に推移するという見方が有力になります。

今週は、上下どちらへも極端な動きになる可能性があります。

図表02は、日経平均株価日足と今後の予想線です。

図表02 日経平均株価日足

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