日経平均株価は、週明け後に高値を確認して、下降を開始する公算
〇日経平均は年足陰線なら、6月までに年間の最高値をつける

図表01は、1990年から2024年までの期間で、「年足が陽線引けした年の最高値、最安値をつけた月」、「年足が陰線引けした年の最高値、最安値をつけた月」を示しています。
35年間で年足が陽線引けした年が20回、陰線引けした年が15回あります。
年足が陽線引けした年は、年間の最安値をつけた回数か6回と多くなっています。
1月から4月までの期間では、13回となっています。
年間の最高値をつける時期は、12月が8回、11月と12月で11回となり、年初に年間の最安値をつけて、年末に高値を更新する展開になっていることがわかります。
年足が陰線引けした年は、15回中7回、年間の最高値を1月、2月につけています。
10月から12月の期間に10回、年間の最安値をつける展開となっています。
弱気の展開になる場合、価格は、年初に最高値をつけた後、年末まで下げの流れを作る傾向のあることがわかります。
あたりまえのことですが、年間を通じた価格の強さ、弱さには、理由があります。
目先的に急激に上昇、下降する動きがあっても、結果として、全体の方向に収束してゆくからこそ、前述した傾向があらわれるわけです。
あらためて図表01の年間が陰線引けした年の最高値をつけた月を見ると、年間が陰線引けした15回中14回は、6月までに年間の最高値をつけています。
年の後半まで上昇し続けて、突然、急落して、年間が陰線引けするような展開にはなっていません。
1度だけ、2018年が年間陰線で、10月に最高値をつけていますが、後づけですが、この年は個人的に納得できる理由があります(書くと長くなるので省略します)。
その理由は、本年にあてはまりません。
過去の経験則にしたがうなら、7月以降に年間の最高値を更新する年は、年足が陽線引けして、年末に上値を試す動きへ入りやすいと推測することができます。
〇日経平均株価は6月30日に戻り高値をつける公算
前週末のNYダウが上昇したことで、27日の夜間取引で225先物期近が40640円で引けています。
週明け後の日経平均株価は、年初来高値となる1月7日の高値40288円を上放れて始まると考えられます。
本年は、年初から4月まで、下げの流れを継続しています。
2020年のように、特別な景気対策が決定されなければ、年末の値位置が年初の値位置より低くなり、年足が陰線で引ける可能性のある年になっています。
前述した年間の最高値の出現パターンを考慮すると、週明け後、6月30日の高値が年間の最高値となって、下降を開始すると見ることができます。
1990年から2024年の期間で、年間が陰線引けして、6月に年間の最高値をつけた年は、1996年と1997年です。
1996年は、3月に押し目をつけた後、上昇を開始して、6月26日に年間の最高値をつけて、7月に3月からの上げ分の大部分を押し戻される動きとなっています。
1997年は、4月に押し目をつけた後、上昇を開始して、6月26日に年間の最高値をつけて、7月に上値の重さを確認して、その後、年末まで下げの流れを作っています。
通常なら、本年は、6月30日に40288円を超えるか否かにかかわらず、6月30日以降、下降を開始するはずです。
そうならず、7月1日に年初来高値を更新する動きがあらわれるなら、それは、年足が陰線、陽線のどちらになるとしても、本年が例年にない特殊な事情のある状況であることを示唆していると判断できます。
図表02は、日経平均株価日足と今後の想定できる展開になります。
