【2020年4月26日記】日経平均は週明け後に上昇するなら来年25000円を目指す公算も

----- 日経平均は週明け後に上昇するなら来年25000円を目指す公算も

1. 精度の高い抗体検査で正確な感染状況を把握することが出口戦略になる

「緊急事態宣言の5月6日の全面解除は困難か」というニュースが出ています。
人の移動の制限を6月まで続けた場合、
企業数の99%、雇用の約7割を占める中小企業、
小規模事業者の中の多くが再開を諦めてしまうかもしれません。
あと1カ月以上、現状が継続する場合、
日本の復活への活力がどれだけ残っているのか想像できません。
現在は米中の覇権争いの最中です。
そのことを頭のすみに入れておく必要があります。

米ニューヨーク州のクオモ知事は、23日の会見で、
州内で無作為に選んだ3000人に新型コロナウイルスの抗体検査を行った結果、
14%近くの人が抗体を持っていることがわかったと発表しました。
州人口をもとに試算すると、
これまでに約270万人が新型コロナに感染した計算になります。
推定感染者数(270万人)から推測できる死亡率は0.5%となります。
23日時点でニューヨーク州の感染者は26万3460人です。
死者は1万5740人で、感染が確認された人の約6%と考えられていました。

この抗体検査は、
抗体を持っている人の行動制限をなくすために行っているのではなく、
新型コロナへの考え方の変更するためのデータ集め
という意味合いが強いものだと考えられます。

世界全体での季節性インフルエンザの致死率0.1%です。
今後、各国が抗体検査を行い、致死率が想定よりも低いことがわかれば、
重傷の患者を死に至らせないための医療
に重点をおく対策へと舵を切ることができます。
既往症のある方、高齢者は、
ワクチンができるまで十分に注意した生活を行い、
他の方は、高齢者への配慮を十分に行うことで、
日常が取り戻せるようになります。

不安を解消するためには、正確なデータを把握して、
正しく恐れるしかありません。

前週のNYダウ、日経平均は、
強気予想の通りの展開になりませんでしたが、
前週、下値堅く推移したことで、今週も強気の可能性を残している状態です。
ただ、4月7日以降、上値重い期間が長くなっているため、
今週、上げられないと、いったん下値を試す動きになると考えられます。
今週は、前週のように上値重い動きになるなら、
はっきりとした下げ場面になる可能性が高いと推測できます。
以下では、週明け後の動き方によって、
本年全体のNYダウ、日経の展開がどのように変化するのかについて紹介します。


2. NYダウは前週に横ばいとなったが、本年のおおまかな展開に変更はない

前回、米国で新型コロナウィルスの感染拡大がピークをつけて、
都市封鎖解除への兆しが出てきたことで、
20日以降、今年前半に上げられる値位置まで
一気に上昇する可能性があると書きました。
実際の価格は20日に反落して、
その後、23500ドルを前後したもちあいの動きとなっています。
想定の通りの展開になっていませんが、
現時点では、前回と同様、
今年前半のすべての買い材料が見えてきたことで、
目先は、本年前半の最高値を目指す展開になると考えられます。
前回は、都市封鎖の解除を先取りする格好で上昇すると見てきましたが、
そうなりませんでした。
現在は、具体的な目処がたった時点で、
価格が動き出すという見方に変更しています。
それでも、その時期は、5月上旬頃だと見ています。
新型コロナは未知のウィルスのため、
これまで、どの程度怖がっていいのかがわかりませんでした。
欧米の感染爆発によりデータがそろってきたことで、
ウィルスの怖さのレベル、気を付けるべき人と、注意の仕方がわかってきました。
イタリア、ドイツ、フランスなど、EU各国では、
都市封鎖の一部解除へ動き出しています。
米国も、ウィルス拡大のピークを過ぎていると見られることから、
都市封鎖を解除する工程表を示す州が出てきています。
このような流れの中で、
世界各国で抗体検査が進み、ウィルスの正確な感染状況が見えてくれば、
ニューヨーク州での結果の通り、
想定していたよりも感染者が多く、
致死率が低いという状況が見えてくるはずです。
2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑氏は、
BSの番組で、精度の高い抗体検査の実施により、
実際の感染者が多く、致死率が季節性インフルエンザに近いものであるなら、
季節性インフルエンザと同じ対応にすればいいと提案しています。

ところで、
今回、なぜしつこく新型コロナの記事を書いているのかと言えば、
5月にウィルスへの恐怖に対する意識の変化があらわれなければ、
世界各国の経済が想定できないほどのダメージを受けると推測できるからです。
現状は想定内だからこそ、
それに見合う積極的な救済策、経済対策を決定していますが、
今後、複数の企業が債務不履行へ陥れば、
その先、世界規模での信用収縮が発生する可能性を無視できなくなります。

当然、先の読めない状況へ向かう選択をしないはずですから、
5月は、徐々に日常が戻ってくることにより、
株価が下値を支えられる、上げやすい状態になると考えられます。


3. NYダウは週明け後の価格が上昇するなら、一気に21000ドル以上を目指す公算

図表01 NYダウ週足と本年の推測できる展開

図表01は、NYダウ週足と修正した本年の展開を示しています。
図中の赤の実線は予想線ですが、
この線よりも、四角い枠で囲った部分を見て下さい。
本年は、
来週から6月上旬頃まで、
前述した理由で下値堅い展開となって、
9月頃までの最高値をつけると考えられます。
上値の限界がはっきりしていて、
そして、(日常が戻れば)
本年中に3月の安値を割れる展開を考えにくい状況の中での動きになるため、
6月から9月にかけては、
3月の安値に接近することなく、
下値を支えられる格好でのもちあいの動きが考えらえます。
9月から年末へ向けては、
大統領選の中での積極的な経済再生へ向けた公約が期待できることや、
それまでの経済対策が効果を発揮して、
来年へ向けて上値を試す動きになる公算です。

図表02 NYダウ日足と目先の予想尾線

図表02は、NYダウ日足と目先の予想線です。
4月28日の日銀の金融政策決定会合では、
追加の金融緩和を発表すると言われています。
日銀が量的な金融緩和の拡大を発表するなら、
2013年、2014年と同様、
日経平均株価だけでなく、NYダウも上昇を開始すると考えられます。
前週までの値動きから、
NYダウは、価格が上昇する場合、週明け後、上放れて始まる公算です。
週明け後の価格が下げると、
4月17日の高値が戻り高値となって、
現在が下値を試す動きへ入っている可能性が出てきます。
チャートだけで見れば、
価格は、28日の日銀会合の前に積極的に動き出す可能性があります。
週明け後の価格が下げるか否かにかかわらず、
3月の安値18213ドルが本年の最安値になる可能性があるということ、
5月、6月に9月頃までの最高値をつけるという見方に変更はありません。
目先の価格が下げる場合でも、
4月2日の安値20735ドル付近で下値を支えられて、
再度上値を試す動きへ入ると考えられます。


4. 日経平均株価は週明け後、すぐに上昇できるかが焦点

図表03 日経平均株価週足と本年の推測できる展開

図表03は、日経平均株価週足と、本年の予想線です。
こちらも、
予想線よりも四角い枠で囲った部分の展開の目安に注目して下さい。
日銀が追加の量的な金融緩和を実行するなら、
ドル・円は円安方向へ推移すると考えられます。
普通国債を20兆円以上発行して、
事業規模で約117兆円の経済対策を実行します。
この政策は、5月の早い時期に緊急事態宣言を解除できるなら、
日本経済を復活させるのに十分なものだと考えられます。
給付金の額に注目している方が多いかもしれませんが、
中小企業へ対して政府が積極的に資金を貸し出す政策の方が重要です。
なかなかお金を貸してくれなかった金融機関の基準が甘くなるのですから、
コロナ以前から資金繰りに困っていた会社はすごく助かるはずです。

週明け後の価格が上昇して、
今後つける高値が22000円前後に位置するなら、
今年後半から来年前半にかけて、
25000円を目指す動きになることも考えられます。

図表04 日経平均株価日足と目先の予想尾線

図表04は、日経平均株価日足と、目先の予想線です。
週明け後の価格が上昇する場合、
(その理由が日銀の追加緩和のため)
5月上旬頃までで一気に目先の上値の限界を目指す動きになると考えられます。
その後、5月中、高値圏で下値堅く推移して、
徐々に上値を切り上げる展開になる公算です。
週明け後の価格が下げる場合でも、
4月3日の安値17646円前後で下値を支えられて、
5月以降、下値堅い動きになると考えられます。


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