日経平均株価は、日柄をかけて321156円を目指す流れへ入る公算
〇日経平均株価の8月中の展開は2通りが考えられる

図表01は、本年と同様、8月が月初から一本調子の下げを経過した年の8月の値動きです。
1990年から2023年までの期間で見ると、8月が月初から一本調子に下げた年は、「急落後、押し目をつけた後、すぐに上昇を開始して、月末頃まで上値を試す動きを経過する展開(パターン1)」と、「急落後、安値圏でもちあいになるか、月末まで下降の流れを継続する(パターン2)」のどちらかになっています。
パターン1とパターン2の違いは、月末まで上昇の流れを作るか、月末まで上値重い動きとなるかです。
パターン2の場合、当然、8月の月初の高値を月末まで超えることなく推移します。
本年は、8月5日に押し目をつけた後、すぐに上昇を開始していますが、8月1日の高値38781円を超えていないため、まだ、パターン2の展開になる可能性を残しています。
8月16日の高値は、38143円です。
1日の高値38781円まで、あと638円と迫っています。
本年がパターン2の展開になるには、週明け後、すぐに上値を抑えられた後、38143円が意識される格好で上値の重さを確認して、下降の流れへ入る必要があります。
言い換えると、週明け後の価格が下げても、上値の重さを示す動きにならなければ、本年8月は、月末まで上昇の流れを継続して、パターン1の展開になる可能性が出て来るということです。
ところで、8月がパターン1、パターン2のどちらになるかによって、8月以降の値動きに違いがあらわれています。
パターン1になる場合、8月以降も下値堅く推移して、上値を試す動きとなっているケースが目立ちます。
1992年は、8月の安値が年間の最安値となって、8月以降、年末まで下値堅く推移しています。
1999年、2003年、2016年は、8月の安値を割れることなく、年末まで堅調に推移して、年末へ向けて年間の最高値を更新しています。
2004年は、8月の安値を割れることなく、下値堅く推移しています。
パターン2になる場合、8月以降も下げの流れを継続するか、上値重く推移しているケースが目立ちます。
1990年、1991年、1997年、1998年、2007年、2011年、は、どの年も、年末まで下げの流れを作っています。
2010年は、9月上旬の安値が年間の最安値となって、その後、堅調な展開となっています。
2019年は、8月の安値が押し目になって、年末へ向けて上昇しています。
2023年は11月まで上値重く推移しています。
〇日経平均株価は、週明け後の反落が一時的な動きで終わるかが焦点
前回、ドル・円相場は、「8月1日から15日までのレンジを抜けた方へ動意づく傾向がある」と紹介しました。
本年の8月1日から15日までのレンジは、150.89円(8月1日の高値)、141.66円(8月5日の安値)になります。
本年は、大勢の流れが円高、円安のどちらであっても、9月中旬頃までの期間で、137.22円程度まで円高が進む可能性があります。
15日に大きく円安へ振れましたが、16日は、15日の円安分のほとんどを押し戻しています。
137.22円を目指すという見方が正しければ、1日の高値150.89円を前につけた16日の高値149.4円が一時的な反発の終点となって、16日以降は、再度円高の流れへ入っていると考えられます。
図表02は、日経平均株価日足と、年末へ向けたシナリオです。
8月がパターン1の展開になるなら、週明け後の価格が下げても、16日の安値38143円前後で下値を支えられて、下値堅さを確認した後、上昇を開始する公算です。
8月がパターン2の展開になるなら、週明け後に下げた後は、戻り高値を確認する作業を経過して、下降を開始すると考えられます。
次の下げは、急落ではなく、日柄をかけてじっくりと31156円以下を目指す動きになる公算です。
前述したドル・円相場の円高の見方が正しければ、今後は、パターン2の展開になるという見方が有力です。
