日経平均株価は、目先、当面の押し目底をつける展開になる
〇日経平均株価は2020年2月、3月の下げ場面と近い動きになっている
前週末の夜間取引で、225先物期近は34800円で引けています。
週明け後の日経平均株価は、35000円以下をつける動きになると考えられます。
これまで、日経平均株価の7月11日の高値42426円からの下げは、2021年9月から2022年3月までの調整と同程度の値幅(6114円幅)の動きになる可能性があると書いてきました。
前週末の日経平均株価の終値は、35909円で、下値目標値36312円を割れる程度まで下げています。
6114円幅の調整で終わるなら、週明け後の価格が反発するはずでしたが、そうならならずに大幅安になると推測できるため、現在は、2021年9月から2022年3月と同程度の値幅の調整ではないと推測できます。
週明け後、一段安となるなら、現在は、2008年10月以降の上昇局面全体が天井をつけた後の下げ局面、または、2018年10月の高値24448円から2020年3月の安値16358円と同程度の値幅(8090円幅、下値目標値34336円)の調整局面のどちらかだと考えられます(図表01、日経平均株価月足を参照)。
どちらの場合でも、週明け後に35000円まで下げたとしても、まだ1000円幅程度の下げ余地を残しています。
今後のポイントは、下値目標値34336円まで、一気に下げて、押し目をつける動きになる否かです。
7月11日の高値42426円から、前週末の終値35909円まで、16営業日で、すでに6500円幅以上の下げ(1営業日、407円安の速度)を経過しています。
コロナショックのときの下げは、2020年2月20日(高値23806円)から下げが勢いづき、3月19日(安値16358円)までの20営業日で、7448円幅の下げ(1営業日、372円安の速度)を経過しています。
世界中で経済封鎖となったコロナショックの下げ場面と似た角度で下げています。

〇日経平均株価は、目先押し目をつけた後、2000円幅以上の反発を経過する公算か

図表02は、日経平均株価日足と乖離線(終値から当日の25日移動平均線の数値を引いた数値)です。
前回、乖離線は、「リーマンショックの急落場面でマイナス3126円、バブル崩壊後の最初の下げ場面でマイナス4327円、マイナス5013円、コロナショックでの急落場面の場合でマイナス4661円をつけている」と紹介しました。
前週末の乖離線は、マイナス3925円をつけています。週明け後、5日の価格が35000円で引けた場合、乖離線はマイナス4652円となります。
乖離線が1990年以降、3回しかあらわれていない場所へ位置することになります。
1990年4月は、4月2日に乖離線がマイナス4327円をつけた後、価格が4月5日まで小幅なもみあいの中、下値を切り下げて、4月5日の安値が押し目になって、反発を開始しています。
4月5日の安値27251円をつけた後、4月9日の高値30524円まで、3営業日で3273円幅の上げ場面となりました。
1990年8月は、8月23日に乖離線がマイナス5013円をつけた後、価格が翌営業日の8月24日に押し目をつけて反発を開始しています。
8月24日の安値23547円をつけた後、8月28日の高値25913円まで、3営業日で2366円幅の上げ場面となりました。
2020年3月は、3月16日に乖離線がマイナス4661円をつけた後、価格が3月19日まで小幅なもみあいの中、下値を切り下げて、3月19日の安値が押し目になって、反発を開始しています。
3月19日の安値16358円をつけた後、3月25日の高値19564円まで、4営業日で3206円幅の上げ場面となりました。
〇日経平均株価は、目先、押し目をつける作業へ入る公算
図表03は、日経平均株価日足と目先の想定できる展開です。
現状での下げの勢いを考慮すると、5日に35000円まで下げて、あと一段安に迫る下値目標値34336円へ到達できずに反発を開始する展開を考えにくいと言えます。
目先は、一気に34336円まで下げて、押し目をつける動きになるか、ジグザグに推移して、押し目底のパターンを形成して、結果、34336円以下で押し目をつけるかのどちらかの展開になると考えられます。
5日に35000円前後で下値を支えられて、反発を開始するなら、3~4営業日程度で2000円幅程度の反発を経過して、その後、34336円以下まで下げるパターンが考えられます。
乖離線は、目先の水準が最も低い水準となり、次に価格が一段安となって、目標値へ到達したとき、乖離線が以前の水準よりも高い場所から反転して、逆行現象の強気サインをつける展開になると考えられます。
