日経平均株価は1月の安値32693円を目指す動きへ入っている公算も
〇値動きを予想するための考え方とは

図表01は、NYダウ日足です。
前週のNYダウは、7日の高値39105ドルを一時的に超える動きとなりましたが、すぐに上値を抑えられて、39000ドル以上の上値の重さを示しています。
一方で、下値に対しては、13日、14日と下ヒゲの長い線をつけて、11日の安値38446ドルを維持する格好となっています。
上値の重さ、下値堅さのどちらの方が市場参加者に意識されているかと言えば、現時点では、上値の重さの方が強調されています。
12日に39000ドル以上の上値の重さを示した後、13日、14日は、終値ベースで下げています。
13日、14日は、下げにくい場所を示しましたが、実際に価格が上昇したわけではなく、価格が押し下げられた状態となっています。
上値の重さが強調されている状態で、13日、14日の下ヒゲが気になる理由は、6月12日以降が上昇途中の小幅調整の範囲内の動きになっているためです(その他、個人的な見方がいろいろありますが、細かな点を書いても伝わらないので省略しています)。
以前にも紹介しましたが、上昇途中の小幅調整は、1~5営業日で終了して、遅くても5営業日目に高値を更新する動きになります。
現在の下げは、上値を抑えられた12日を含めて、3営業日経過しています。
遅くても、18日には、39120ドルを超えている必要があります。
また、その上げ過程で、39000ドル以上の上値の重さを払拭する上昇の勢いを示す必要があります。
13日、14日が上昇途中の一時的な調整で終わり、今後の価格が再上昇を開始するには、週明け後、39000ドル以上の上値の重さを払拭するほどの買い人気を示す必要があります。
具体的には、17日の価格が14日の安値38305ドルを維持するだけでなく、39000ドルへ接近する程度まで上昇する動きが必要です。
17日に価格が上昇しても、39000ドル前後での上値を抑えられて、上ヒゲをつける展開になると、現状での弱さを再確認することになります。上値を抑えられる時間が早ければ、17日は、引けまでに価格が大きく下げて、大陰線をつける動きになることも十分に考えられます。
以上をまとめると、現時点で言えば、上下どちらへ向かう可能性のある状態ですが、上昇するためには、「17日が、寄り付き後、あまり下げずに上昇を開始して、400ドル幅以上の上げを経過し、引けまで上値を抑えられることなく上げ続ける動きが必要」ということになります。
値動きを予想する場合、まずは、そうならなければいけない動きが基準になります。
17日は、価格が上昇する動きを基準にして、17日の1営業日のシナリオを(何通りか)想定しておき、基準からずれて上値の重さを示した時点で、下降を開始すると判断します。
前回、「前週の動き次第で、8月までの展開が見えてくる」と書きました。
前週は、上下どちらへも行きにくさを示したため、現状は、まだ、「6月から7月にかけて40077ドルを試す動きを経過して、9月以降に上昇を開始するパターンと、8月頃までの期間で、1月の安値37122ドルを大きく下回るパターン」のどちらの可能性も残しています。
強気なら、17日は、400ドル幅以上の上げを経過するはずなので、基準からずれる値動きがあらわれた時点で、「8月へ向けて37122ドルを大きく下回る動きへ入っている」と判断します。
〇日経平均株価は週明け後に上昇するかが焦点

図表02は、日経平均株価日足です。
日経平均株価は、目先の価格が下降を開始すると、41087円が戻り高値となって、現在が下降の流れへ入っている可能性が出てきます。
弱気の展開になる場合、4月19日から5月20日までの反発幅が大きかったため、下降を開始した後の下値目標値は、「36733-(39437-36733)=34029円」となって、34029円を大きく下回る程度まで下げると推測できます。
目先の価格が下げると、日経平均株価は、8月、9月頃までの期間で、1月の安値32693円を目指す可能性が出てきます。
今後の価格が41087円を超える動きになるか、8月頃までの期間、下値堅く推移するためには、目先の価格が上昇する必要があります。
図表03は、日経平均株価の最近の動きになります。
目先の価格が上昇を開始するためには、6月3日以降が上値、下値を切り上げるジグザグの調整となって、上昇を開始する動きが必要です。
そのためには、6月14日の安値38554円が押し目になって、週明け後は、すぐに上昇を開始すると考えられます。
一方で、週明け後の価格が下げて、38554円を割れると、11日以降が上値、下値を切り下げる弱気パターンを作り、11日以降、下降の流れへ入っているという見方が有力になります。
週明け後は、強気の展開になる場合、日中のダウCFD、先物が上昇し、夜のNYダウが上放れて始まる準備の動きとなって、日経平均株価が寄り付き後、すぐに上昇を開始する公算です。
週明け後、日経平均株価が下げると、その下げは、NYダウ、日経平均とも、7月中旬、8月頃まで継続する値幅の大きな下げの流れへ入っていることを示します。
