日経平均株価は目先上値重いなら、値幅の大きな下降の流れへ入っている可能性が出てくる
〇日経平均株価は週明け後の価格が上昇するかが焦点

図表01は、日経平均株価の4月の値動きです。
1990年から2023年の期間で、4月の月足が陽線引けした年を「〇」、陰線引けした年を「●」としています。
月間の最安値と営業日は、陽線引けしたときの最安値をつけた日付と、月初からの営業日です。最高値と営業日は、陰線引けしたときの最高値と営業日です。
図表01で陽線引けした年は、20回あります。その中で、5営業日までに月間の最安値をつけている年は14回です。
価格が上昇する場合、たいていは、月初から上昇を開始していることがわかります。
その他の年は、上下へジグザグに振れて、もちあいの中で結果として陽線で引けているか、いったん大きく下げてから、月中に押し目をつけて、月末へ向けて上昇する展開となっています。

図表02は、最近の日経平均株価日足です。
チャートでは、3月28日に3月26日の安値40280円を割れて、上値、下値を切り下げる弱気の流れを形成しています。
4月の月足が陽線引けする展開になる場合、現在の弱さを払拭する動きが必要になります。
具体的には、目先、すぐに上昇を開始して、1~3営業日程度で、一気に戻り高値41087円を超える動きになると考えられます。
前週末の225先物が堅調に推移したことで、週明け後の日経平均は、寄り付き値が上放れて始まる公算です。
この上放れをきっかけにして、目先は一気に41087円を突破すると考えられます。
目先の価格が上昇する場合でも、41087円の突破に日柄がかかると、3月12日以降の勢いの強い上昇が終息していると判断できます。
そうなると、3月12日以降の上昇は、3月7日以降のもちあいの途中で、レンジ下限から上限に向かう動きに過ぎなかったとい見方が有力になりなす。
4月は、41087円前後で上値を抑えられて、もちあい入りするか、上値の重さを確認した後、月末へ向けて価格が下げるかのどちらかになる公算です。
まとめると、週明け後は、価格が上昇を開始して、1~3営業日程度で一気に41087円を超えるなら、そのまま上昇の流れを継続する可能性が出てきます。
しかし、価格が上昇しても、上値の重さを示す動きになると、その時点では、4月が戻せば売られる展開(レンジ内での動き)になるか、月末へ向けて下降を開始するかのどちらかになると考えられます。
〇4月の月足が陰線引けした年の展開
1990年から2023年の中で、4月の月足が陰線引けした年は14回あります。
これらの年は、「年初から下降の流れを作り、下げ幅の大きな動きとなって、結果として4月の月足が陰線引けする展開になっているケース」と、「年初から上昇を開始して、3月、4月に戻り高値をつけて、下降を開始して、4月が陰線引けする展開になっているケース」の2通りがあります。
1991年、1998年、2000年、2005年、2006年、2010年、2012年、2021年が後者の展開となっています。
過去8回の年の動きを見ると、これらの年は、すべて、3月、4月に戻り高値をつけて、下降を開始した後、いったん年初の安値を下回る動きを経過しています。
1991年は、7月に1月の安値以下へ下げています。
1998年は、8月に1月の安値以下へ下げています。
2000年は、4月に1月の安値以下へ下げています。
2005年は、4月に1月の安値以下へ下げています。
2006年は、6月に1月の安値以下へ下げています。
2010年は、5月に2月の安値以下へ下げています。
2012年は、6月に1月の安値以下へ下げています。
2021年は、8月に1月の安値以下へ下げています。
3月29日の終値40369円は、1月4日の安値32693円から7676円幅も上の地点に位置しています。
今後の価格が大きく下げる場合でも、下値の目安は、2021年9月の高値30795円から2022年3月の安値24681円と同程度の値幅(6114円幅)の地点となる、34973円前後の値位置が考えられます。
本年が32693円を割れる展開を考えにくい状況ですが、週明け後の価格が上値重く推移して、4月が陰線引けする展開になる場合、8月頃までの期間で、値幅の伴った下降の流れへ入る可能性を考えておきます。