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【少額投資家のための売買戦略】2024年3月24日記

日経平均株価は上値を抑えられた後、値幅の大きな調整局面へ入る公算

前回、NYダウは、「年間が弱気に推移する(年初の値位置よりも年末の値位置の方が低い展開になる)場合、年初に上昇の流れを作っても、3月、4月に年初の安値を割れる程度まで下げる動きがあらわれる」と紹介しました。

本年が4月頃に1月の安値37122ドルまで下げる展開になる場合、2月23日の高値39282ドルが戻り高値となって、下降の流れへ入る必要がありました。

しかし、3月19日以降の上昇で39282ドルを超えたことで、本年は、年間が弱気に推移する展開になりにくい状態となっています。

1990年以降、本年と同様、1月から3月まで上昇の流れを継続した年は、1993年、1995年、1996年、2006年、2012年、2013年、2019年、2021年が挙げられます。

これらの年のおおまかな値動きのパターンは、図表01の通りになります。

だいたい、年初に上昇、4月から9月頃まで横ばいに推移して、10月から年末まで上昇する展開になっています。

本年が1年を通じて上昇の流れを継続する可能性が出てきましたが、現在の上昇は、目先、上値を抑えられた付近が戻り高値となって、当面、戻せば売られる展開になると考えられます。

図表01 NYダウの本年と似た展開の年の値動き
図表02 日経平均の1~4月の値動き

以前、日経平均株価は、「1月から4月まで、上げやすい時期だが、4か月連続して上昇するケースがあまりない」と紹介しました。

1990年から2023年の期間で、本年と同様、1月と2月の月足が陽線引けした年は、1998年、2000年、2007年、2012年、2013年、2015年、2019年、2021年の8回です(図表02を参照)。

これらの年の中で、4か月連続して月足が陽線引けした年は、2013年と2015年です。2013年がアベノミクス初年度で、2015年は、2014年10月末に金融緩和第二弾が発動したばかりの年です。どちらも特別な年でした。

1998年は、3月、4月の月足が陰線引けしています。

2000年は、4月12日の高値20833円が戻り高値となって、5月までに1月の安値以下へ下げています。

2007年は、3月の月足が陰線引けしています。

2012年は、3月27日の高値が戻り高値となって、その後、6月までに1月の安値以下へ下げています。

2019年は、3月の月足が陰線引けしています。

2021年は、3月と4月の月足が陰線引けしています。

過去のケースにしたがうなら、本年が上昇すべき理由のある特別な年でない限り、3月末までに3月1日の始値39254円以下へ下げるか、3月、4月の高値が戻り高値となって、値幅の大きな調整場面へ入るかのどちらかになると考えられます。

前述したNYダウの1993年、1995年、1996年、2006年、2012年、2013年、2019年、2021年の日経平均の年間の展開は、「5~7月頃まで上昇して、その後、上げ分のすべてを押し戻される」、または「4月から8月頃までの期間で、1月からの上げ分の大部分を押し戻される」のどちらかになっています(大まかに見た展開です)。

昨年10月からスタートした現在の上昇の流れは、3月12日以降の上げが、最終段階の5波目の上昇の波だとカウントできます。

5波の終点をつけた後は、2021年9月の高値30795円から2022年3月の安値24681円と同程度の値幅(6114円幅)の調整局面へ入ると考えられます。

以上のことを考慮すると、目先、強く上値を抑えられる動きがあらわれるなら、その高値をきっかけにして、日経平均株価は、値幅の大きな調整局面へ入ると推測できます。

図表03は、日経平均株価日足と、4月頃までの予測線になります。

図表03 日経平均株価日足と予想線

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