日経平均株価は上値の重さを確認する作業へ入っている公算
〇日経平均株価の乖離線はめったに出ない高水準へ位置

図表01は、日経平均株価日足と、終値から当日の25日移動平均線の値を引いた乖離線(以下、25日の乖離線)です。日経平均の25日の乖離線は、通常、±1000円を超えると、勢いの強い上昇、下降の流れが終焉に近づいていることを示唆します。
1月15日は、25日の乖離線が2404円をつけています。
25日の乖離線が2000円を超えたのは、1990年から2023年の期間で見ると、ほんの数回しかありません。
1990年から1992年までは、バブル崩壊後の暴落後の急反発場面で、何度か2000円を超えています。
1993年から2019年までは、一度も2000円を超える動きがあらわれていません。
2020年以降で2000円を超えて25日の乖離線がピークをつけた日とその水準は、「コロナショック後の上昇がいったん終息する前の2020年6月8日(25日の乖離線が2149円)」、「8月から9月にかけて、自民党総裁選と日経平均株価の銘柄入れ替え等の強気と判断された要因が重なり、18営業日で3841円幅の上げ場面となった2021年9月14日(25日の乖離線が2170円)」、「昨年6月までの一本調子の上昇場面の最終段階となる2023年6月14日(25日の乖離線が2321円)」の3回しかありませんでした。
2024年1月15日の25日の乖離線の2404円は、過去3回のピークを超えた地点となっています。
〇過去の値動きのパターンからは、25日の乖離線の高水準が勢いの強い上昇が終息するサインだと推測できる
前回は、「日経平均株価の1月~4月が連続して上昇する展開にならない傾向があること」、「日経平均株価の年間の変動幅が4000~6000円幅になっていること」について紹介しました。
年の前半、6月までの期間は、年間の価格が上昇する場合、その大部分を取りに行くことの多い時期になります。ただ、1月から6月まで上昇し続けることはほとんどなく、まず、1月から4月までの期間で第一段階の上昇があり、その後、4月から6月までの期間で、さらに一段高を目指す展開になります。
1月から4月までの期間は、4月以降の上昇の第二段階へ入る前の準備期間として、1月、2月に上昇して、3月、4月に次の上昇へ備えるための調整となります。その他には、その年の下値の限界を確認する作業を1月から3月の期間で経過して、3月以降、はっきりとした上昇の流れへ入るという展開も見られます。
本年は、1月4日の安値32693円から17日の高値36239円まで、すでに3546円幅の上昇を経過しています。
1~4月の値動きの性質や、現時点での上げ幅を考慮すると、1月15日の25日の乖離線の2404円をつけた後の反転の動きは、勢いの強い上昇が終息して、いったん上値を抑えられる流れへ入る展開を示していると考えることができます。
その場合、今後は、少なくとも、2月、3月頃まで、上値重い期間が続くと考えられます。
〇週明け後の日経平均株価は乖離線が逆行現象の弱気サインをつける展開に注意が必要
前週末の夜間取引で、225先物期近は、36300円で引けています。
週明け後の日経平均株価は、1月17日の高値36239円を超えて始まる公算です。
指標や値動きの経験則を考慮すると、週明け後の上放れは、新たな上昇のサインではなく、上値を抑えられる作業の途中だという見方ができます。
上値を抑えられた後は、高値圏で、値幅のともなったもちあいの動きへ入るか、短期の天井型を完成して、下降を開始するかのどちらかの展開になる公算です。
図表02は、日経平均株価日足と25日の乖離線です。
25日の乖離線は、22日の終値が36490円以下で、23日以降に下降を開始するなら、逆行現象の弱気サインをつけます。
目先の高値が戻り高値となって、価格が下げるなら、今後は、図の赤の実線のように、目先の高値を中心とした短期のヘッド・アンド・ショルダーズ・トップをつける動きになると考えられます。
