〇ドル・円相場は、17日以降、円高の流れへ入っている公算も

図表01は、1997年から2022年までのドル・円相場の8月以降の展開です。
表の数値は、「8月1日~15日に推移した範囲(1日~15日の期間の最高値、最安値)を円安方向(レンジ上限突破)、円高方向(レンジ下限割れ)へ抜けた場合、年末まで、その方向で推移する展開になっているか否か」を示しています。
8月1日~15日のレンジを円安方向に抜けた年は、1997年、2002年、2006年、2012年、2013年、2014年、2021年、2022年です。
これらの年は、2012年を除き、10月、または12月まで円安方向で推移しています。
2012年は、年末がアベノミクスのスタート地点となって、円安方向へと流れが変化しました。2012年のような特別な状況にならない場合、レンジを円安方向へ抜ける年は、年末へ向けて、円安の流れを継続する可能性があると推測することができます。
8月1日~15日のレンジを円高方向へ抜けた年は、必ずしも、そのまま円高の流れを作っているわけではありません。
ただ、2018年を除けば、その他の年は、反対方向へ向かう場合、8月中旬から9月中旬頃までの期間で、押し目をつけています。
8月1日~15日のレンジを円高方向へ抜ける場合、「そのまま円高の流れを年末まで継続するパターン」と、「8月中旬から9月中旬の期間で押し目をつけて、反転して、年末まで円安方向へ推移するパターン」の2通りの展開となっています。
どちらになるかは、8月中旬から9月中旬までの期間で押し目をつけて、円安の流れへ入るか否かによってわかります。
本年は、8月4日に141.5円で押し目をつけた後、17日まで円安の流れを継続しています。
15日までの高値を抜けた時点で、これまでの経験則に従うなら、年末へ向けて、早くても10月頃まで、円安の流れを継続して、昨年10月の高値151.94円を大きく上回る動きになると考えることができます。
8月17日以降、反転して円高へ向かっていることを考慮すると、本年は、目安になるレンジを作る日付が若干だけずれたということも考えられます。
ゆとりをもって見るなら、今後の展開は、17日の高値146.56円、4日の安値141.5円を上下どちらかへ抜けた方へ動意づくと推測できます。
日銀は、7月27日の政策決定会合で、イールドカーブ・コントロールの運用を柔軟化する措置を決定しています。
7月28日以降、円安の流れを作っていますが、政策の修正が日柄をかけて円高へ効いてくることも考えられます。
17日の反転をきっかけにして、週明け後も円高の流れを継続するなら、目先は、141.5円を抜ける展開を想定しておく必要があります。
〇日経平均株価は1営業日200円幅の速度の下げ場面へ入っている公算

図表02は、日経平均株価日足です。
チャートでは、7月12日の安値31791円を8月17日に割れて、はっきりとした弱気の流れを作っています。
1月から6月までの上昇局面で、通常の年間の変動幅を大幅に超える上げ場面となった後に上値を抑えられて、弱気の流れができやすい時期に弱気サインをつけている経緯から、今後の下げ余地が十分にある状況なら、目先は、弱気の流れを継続して、下値目標値を目指す公算です。
下げ余地があるなら、8月は、残り9営業日程度の期間で、一気に目指すべき場所へ接近する程度まで下げる動きになるはずです。
1月から6月までの上昇幅全体の修正場面へ入っていると見るなら、下値の目安は、38.2%から61.8%押しの範囲内が考えられます。
7月12日の安値を割れたことによる下値の目安が30000円を大きく下回る値位置になるので、今後の下値目標値は、50~61.8%押しの範囲内の節目29000円程度が挙げられます。
以上の見方が正しければ、月末までは、1営業日、200円幅程度の速度の下げ場面になる公算です。
週明け後、価格が反発するなら、翌営業日は、その反発分を含めた下げ幅を経過する必要が出てきます。そうならなければ、現時点での下げ余地があまりないという見方になります。
なお、下げ余地があまりない場合、17日に示した弱さを払拭する上昇の動きが必要になります。
現時点での下げ余地がないなら、週明け後は、反発を開始して、一気に8月14日の高値32613円まで上げる動きになる公算です。
週明け後、価格が上昇しても、弱気継続なら、18日の高値31644円付近で強く上値を抑えられる公算です。
そうならず、12日の安値31791円以上へ値を戻すなら、下値堅い可能性をシナリオに加えておきます。