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【少額投資家のための売買戦略】2023年7月30日記

〇日経平均株価の8月の動き方

図表01 日経平均株価の8月の値動きのパターン

図表01は、1990年から2022年までの日経平均株価の8月の値動きを示しています。

7~9月は、年間の価格が強気に推移しても、上値を抑えられやすい時期です。8月は、価格が上昇しても、年間の最高値を積極的に取りに行く展開になっていません。

8月の価格がはっきりとした上昇の流れを作っている年は、3月から7月頃までの期間で、価格が大きく下げた後、反発を開始して、一時的な反発、または以前の戻り高値を目指す動きになっている場面です。

年間の最高値付近に位置している場合、8月は、月足が陽線引けしていても、ジグザグの動きの中で、結果として始値よりも終値が高かったという展開となっています。

図表01で右側の日付と数字は、月足が陽線引けした年の8月の最安値をつけた日と営業日、陰線引けした年の8月の最高値をつけた日と営業日です。

月足が陰線引けする場合、8月の最高値は、陰線引けした18回中11回が5営業日以内で、月初につけていることがわかります。

月足が陰線引けした年の上ヒゲを見ると、月初から下げているときは、当然、上ヒゲが短く、下降幅(始値-安値)が大きくなっています。

月初から下げているときは、月末まで下げの流れを継続しているか、月初から大きく下げて、中旬頃、押し目をつけて月末へ向けて値を戻す展開になっています。

〇本年8月は月初から下降するパターンになる公算か

前述した8月の値動きのパターンを考慮すると、7月31日以降の1週間で、8月の展開が明確になると考えられます。

日経平均株価は、6月19日と7月3日の高値でダブル・トップを完成した後、下値を支えられて、もみあいの動きへ入っています。

8月がはっきりとした下げの流れを作るなら、週明け後は、すぐに上値を抑えられて、7月3日の高値33762円へ接近することなく、ダブル・トップの完成を再確認する格好で、下降を開始する公算です。

その場合、8月は、一気に30000円以下を目指す動きになる可能性が出てきます。

週明け後の価格が上昇して、6月19日の高値33772円を超える展開になるとしても、その後の価格が積極的に33772円以上へ上げる動きにならないと考えられます。

8月は、34000円の節目程度で上値を抑えられて、高値圏でジグザグに推移するか、7月12日の安値31791円を試す動きになる公算です。

6月11日の記事では、「1月から6月までの期間で、4か月間以上月足が陽線引けしている場合、7月から8月にかけて下げ幅の大きな動きになる」と書きました。

そのような展開になった年は、1996年、1997年、1999年、2000年、2002年、2004年、2007年、2009年、2012年、2013年、2015年、2017年、2019年です。

この中で、2000年、2009年、2012年の8月の月足が陽線引けしています。

8月が月初から5営業日以内に8月の最高値をつけて、下降を開始した年は、1997年、1998年、2004年、2013年、2017年、2019年になります。

その他、1996年は、7月が積極的な下げ場面となって、7月末に押し目をつけて、8月の前半に一時的な反発を経過しています。

1999年は、高値圏で横ばいの動きとなっています。

2002年は、5月から10月まで継続するはっきりとした下げの流れの途中で、8月が小幅なもみあい場面となっています。

2007年は、7月が積極的な下げ場面となって、8月上旬に小幅な反発を経過して、9日以降に再度勢いの強い下げの流れへ入っています。

2014年は、月初に下げた後、月末に下げた分を戻して、月初の高値を超える動きとなっています。

2015年は、月初に6月の高値を試す動きを経過した後、8月11日以降に勢いの強い下げの流れへ入っています。

1999年、2014年は、下げ幅が限られて値を戻す動きとなっているだけで、月初の価格が下げています。

過去の値動きを見ると、1月から6月までの期間で上昇している年は、7月が月末まで積極的な下げの流れを作る展開になっていなければ、8月は、月初に価格が下げて、たいていの場合、そのまま下げの流れを継続して、月足が陰線引けする展開となっています。

過去の経験則を考慮すると、本年8月は、図表02の実線の展開が考えられます。

図表02 日経平均株価日足と8月の予想線

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