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【少額投資家のための売買戦略】2023年7月17日記

〇年間を通じた上昇、下降の流れの作り方

価格は、下げやすい時期に下値堅く推移(上げやすい時期に上値重く推移)して、上げやすい時期に大きく上昇(大きく下落)することで、その年全体の上昇(下降)の流れを作ってゆきます。

本年の日経平均株価が上昇しやすい年末の時期に積極的な上げ局面へ入り、年の前半の高値を大きく上回る展開になるなら、7月から9月の下げやすい時期に価格があまり下げず、下値堅く推移するはずです。

2020年は、特別な年ではありますが、3月19日の安値16358円から6月9日の高値23185円まで、6827円の上昇を経過した後、10月30日まで、ほとんど価格が下げず、横ばいに推移したことで、10月30日の安値22948円から、翌年2月16日の高値30714円まで、7766円の上げ幅となりました。

一方で、2015年は、1月16日の安値16592円から6月24日の高値20952円まで、4360円幅の上昇局面を経過した後、9月29日の安値16901円まで、4051円幅の下げの動きになっています。年の前半の上げやすい時期に上げた分のほとんどを下げやすい時期に消費してしまいました。

9月16日から年末へ向けて価格が上昇しましたが、その上げは、6月の高値20952円へ届かず、12月1日の高値20012円で力尽きてしまいました。

本年の日経平均株価は、年初から6月19日まで上昇の流れを作ってきました。

年の前半の上昇で本年の上げが終わるなら、今後は、7月から9月の下げやすい時期に下げ幅の大きな動きがあらわれると考えられます。

一方で、7月から9月の期間で下げ余地が限られるなら、本年は、年末、来年の年初へ向けて、年の前半の高値を超えて、さらに大きく上昇する展開になる可能性を残します。

〇日経平均株価は週明け後に下げるか否かが焦点

日経平均株価は、7月10日に6月27日の安値32306円を割れたことで、6月19日の高値33772円と7月3日の高値33762円で作るダブル・トップを完成しています。

下げやすい7月から9月の期間に天井型を完成させたのですから、今後は、積極的な下げ局面へ入ると考えられます。

一方で、天井型を完成したにもかかわらず、9月頃までの期間で下値堅く推移する場合、本年は、9月以降に再上昇を開始する可能性を残します。

図表01は、日経平均株価日足と今後のシナリオです。

7月14日に上値を抑えられた32780円は、天井型を形成する場面で、ギャップを開ける、支持・抵抗になっている場所であり、天井型を過程でもちあっていた期間の強弱の分岐点(32500~33000円の範囲)と見られる場所です。

天井型を完成して、下げ余地が十分にある状況なら、7月14日に上値を抑えられた動きで、現在の弱気の流れを再確認できることから、休み明け後は、再び積極的な下げの流れへ入ると考えられます。

休み明け後、価格が上昇して、7月14日の高値32780円を超えると、現時点での下げ余地があまりないと、多くの市場参加者が考えていることを示唆します。

目先の価格が32780円を超えると、その後は、(季節性を考慮すると)33772円を大きく上回る上げ場面にならないと考えられますが、一時的にせよ33772円を超える展開を考えておく必要が出てきます。

そうなると、8月に価格が下げても、その下げは、7月12日の安値31791円を目指す程度の動きで終わる可能性が出てきます。

休み明け後、価格が下げるか否かによって、33772円が本年の最高値になるかがはっきりする公算です。

本日、祝日取引での225先物は、一段安となって、勢いの強い下げの流れへ入っている可能性を示唆しています。

図表01 日経平均株価日足、今後のシナリオ

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