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【少額投資家のための売買戦略】2023年6月4日記

〇NYダウの2日の反発は一時的な動きで終わる公算

前回、5月の月足が陰線引けして、6月が陽線引けする場合、6月は、「上値を試す動きになって、5月の高値での上値の重さを確認する作業になる(1998年、1999年パターン)」、「ジグザグの下降の流れの中で、6月が上値を試す動きになる(2004年パターン)」、「5月中、一気にその時点での下値の限界まで下げる動きを経過して、6月上旬に押し目をつける(2012年、2019年のパターン)」という3通りの動き方になっていると書きました。

本年は、「前半が上値重く推移している経緯から、年初から上昇の流れを作り、それまでの最高値を確認する作業となっている1998年、1999年のケースとは異なる」と紹介しました。

6月1日の安値32704ドルが押し目になった後の反発は、ジグザグの下降の流れの中での一時的な反発か、33000ドルが現時点での下値の限界となった後の上昇局面のどちらかだと推測できます。

図表01は、NYダウの6月の値動きを示しています。月足が陽線引けした年が「〇」、陰線引けした年が「●」となっています。6月は、陽線確率42%となっていて、1990年から2022年の期間では、最も下げ傾向の強い月です。

1990年から2022年の期間で、年足が陰線引けした年は、1990年、2000年、2001年、2002年、2005年、2008年、2015年、2018年、2022年の9回あります。この中で、6月の月足が陽線引けした年は、1990年の1度だけです。

1990年は、6月がもちあいの動きとなって、たまたま2ドルだけ始値よりも高く引ける動きになっただけです。

過去の経験則を考慮すると、本年が1年を通じて弱気に推移するなら、6月は、前述の2004年のパターンとなって、もみあいの動きとなるか、陰線引けするという見方ができます。

一方で、本年が年の後半に上昇の流れを作り、昨年12月の高値34712ドルを超える動きになるなら、2012年、2019年のパターンも考えられます。

FRBは、景気を抑えるための金融引き締め政策を継続しています。最近話題となっていた米国債務上限引き上げ問題では、歳出削減を主張する共和党の意見を取り入れて、債務上限の適用を2025年1月1日まで停止する法案が成立しました。

今年後半、明らかに現状よりも投資環境が悪くなっていると推測できる状況ですから、6月は、もみあいの動きとなるか、陰線引けするという見方が有力になります。

だとすれば、最近の上げは、5月1日の高値34257ドル以上を積極的に目指す動きではなく、一時的な反発に過ぎないと考えられます。

2日は、700ドル幅以上の上げを経過して、大陽線をつけています。大陽線は、上昇の勢いの強さを示す反面、その時点で、上げられるだけの値幅を取りに行ったことを示すサインにもなります。

本年6月が「もみあいの動きとなるか、陰線引けする」なら、週明け後は、すぐに上値を抑えられて、「6月中が2日の大陽線の範囲内での動きになる」か、または「1日の安値32704ドル以下を目指す」と考えられます。

図表01 NYダウの6月の値動き

〇本年の日経平均株価は6月に戻り高値を確認する作業へ入る公算

日経平均株価の6月は、陽線確率54.5%となっていて、他の月と比較して、極端な傾向があらわれていません。

ただ、6月に積極的に上昇する場合は、5月末までの下げ分を戻す動きとなっていて、6月に年間の最高値を積極的に取りに行く動きとなっていません。

6月に年間の最高値を取りに行く動きになる場合、5月から7月の期間で、上値の重い場所を確認する作業として、6月は、一時的に上昇する動きがあらわれているに過ぎません。

5月21日の記事では、「年間が強気に推移する場合でも、6月までにその年の上値の限界付近に到達している」という過去の経験則を紹介しました。

NYダウの6月の想定できる展開、日経平均株価の6月の過去の経験則を考慮すると、日経平均株価の本年6月は、積極的な上昇の流れを継続する展開とならず、戻り高値を確認する作業へ入ると考えられます。

前週末のNYダウが大幅上昇した経緯から、週明け後の日経平均株価は、大きく上放れて始まる公算です。

この上げが戻り高値を確認する作業としての上昇なら、週明け後は、5月29日の高値31560円が意識される格好(1~3営業の範囲内で31560円以下へ押し戻される)で、上値を抑えられる動きがあらわれるはずです。

図表02は、日経平均株価日足と、6月の予想線です。

図表02 日経平均株価日足と予想線

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