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【少額投資家のための売買戦略】2023年5月28日記

〇NYダウは6月中に3月の安値31429ドル以下へ下げる公算

図表01 NYダウの6月が上昇する場合の展開

図表01は、1990年から2022年の期間で、5月の月足が陰線引けした後、6月の月足が陽線引けした年の6月の動き方を示しています。

1990年から2022年の期間で、6月の月足が陽線引けした年は、14回あります。その中で、5月と6月が両方とも陽線引けした年は9回です。

6月の価格が上昇する場合、たいていは、5月の上昇の流れを継続する格好で、6月が上げる展開となっています。

5月の月足が陰線引けして、6月が陽線引けする場合、図表01の通り、6月に上値を試す動きが、5月の高値での上値の重さを確認する作業になっている(1998年、1999年パターン)、ジグザグの下降の流れの中で、6月が上値を試す動きになっている(2004年パターン)、5月中、一気にその時点での下値の限界まで下げる動きを経過して、6月上旬に押し目をつけている(2012年、2019年のパターン)という3通りの動き方になっています。

本年は、5月がはっきりとした下降の流れを作り、月足が陰線引けすると考えられるため、6月の月足が陽線引けする展開になるとするなら、図表01の真ん中と右側(2004年、2012年、2019年)のパターンになると考えられます。

図表01の真ん中のパターンは、5月、6月にジグザグに上値、下値を切り下げる動きの押し目をつけて反転する展開です。右側のパターンは、下値の限界を示す作業として、5月末から6月上旬にかけて、一気に下げ幅を拡大して、下値の目安になる場所まで下げる動きとなります。

NYダウは、昨年12月以降、ジグザグに上値、下値を切り下げる流れを形成しています。その流れを継続するなら、目先は、3月の安値31429ドル以下へ下げると考えられます。

図表01の真ん中、右側のどちらのパターンになる場合でも、目先は、一気に31429ドル以下へ下げるということです。

図表02は、本年6月のNYダウが陽線引けする場合の展開になります。

目先、一気に31429ドル以下へ下げて、押し目をつける展開になると、6月は、月足が陽線引けする展開になる可能性を残しますが、そうならない場合、月足が陰線引けする展開になる可能性が大きくなるということです。

図表02 NYダウ日足と本年6月が上昇する場合の展開

〇日経平均株価の乖離線は弱気サインをつける動きへ入っている

前回、日経平均株価は、「年間が強気に推移する場合でも、たいていの場合、6月までにその年の上値の限界付近に到達している」という過去の経験則を紹介しました。

年の後半に積極的にその年の高値を更新する展開になる場合、翌年へ向けて価格が上昇を見込める材料があります。

本年は、積極的な金融緩和の終了の仕方を模索し、コロナ期に大盤振る舞いしたばかりで、積極財政を検討することなどできません。

来年へ向けて株価を押し上げる政策など期待できなのですから、6月までの高値が本年の最高値付近(年間が弱気パターンになるなら、年間の最高値)になると考えられます。

図表03 日経平均株価日足と乖離線

図表03は、2020年末以降の日経平均株価日足と、乖離線です。乖離線は、終値から25日移動平均線を引いたものを使っています。

2021年2月以降のジグザグの期間の値動きを見ると、乖離線は、±1000円を抜けると、価格が反転することが多くなっています。

特に、2000円前後の地点は、めったに出ない高水準となっていて、2000円へ接近すると、日経平均は上値重い動きとなるか、反転下降の準備へ入ります。

価格が戻り高値をつける場面では、乖離線の逆行現象の動きが見られます(図表03を参照)。

乖離線の逆行現象の弱気サインは、価格が終値で上値を切り上げる動きとなっている場面で、乖離線が以前の水準よりも低い位置になる動きです。

この動きがあらわれた後、価格が反転する場合、その前につけた高値が戻り高値になる可能性が出てきます。

前週末のNYダウが上昇したことで、前週末の夜間取引の225先物期近が31505円まで上昇しています。

29日の日経平均株価は、31580円以下、31086円(22日の終値)以上で引けると、乖離線が逆行現象の弱気サインをつける準備が整います。

日経平均株価は、週明け後に一段高となると考えられますが、すでに本年の最高値圏に位置しているという見方が正しければ、29日の高値が戻り高値になる可能性があります。

図表04 日経平均株価日足と6月の展開

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