〇NYダウは天井型を形成中の公算

NYダウは、4月14日の高値34082ドルを一時的に超える動きとなりましたが、5月2日の高値34257ドルが戻り高値となって、すぐに上値を抑えられる動きとなっています。
5月4日に4月26日の安値33232ドルを割れたことで、4月からのもちあいは、下降するきっかけを待っている状態である可能性が大きくなったと言えます。
5月5日に価格が大きく反発していますが、この反発は、ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップの右肩を作る作業か、もちあいの継続を示唆する動きのどちらかだと考えられます(図表01を参照)。
天井型を形成中の場合、5日の上昇で上げられる分のすべてを取りに行っているため、5日の高値、または、週明け後、5日の高値が意識される格好でつける高値が戻り高値となって、下降を開始する公算です。
週明け後の価格が続伸して、一気に5月1日の高値34257ドルへ接近すると、もちあいの動きを継続する可能性が出てきます。
もちあい継続でも、下げの流れへ入るという見方は同じなので、5月は、月足が陰線引けする展開になると推測できます。ただ、目先、すぐに下降を開始するよりも、今後の下げ余地が限られて、本年全体の下げ余地が縮小します。
〇日経平均株価は1日の安値29016円を維持できるかが焦点

前回、日経平均株価の5月は、月足が陰線引け、陽線引けする場合のどちらでも、月初から一定方向の動きになることが多いと紹介しました。
月足が陽線引けする場合、月初の押し目のつけ方は、5月の最初の営業日の安値が5月の最安値になるか、月初に価格が下げて、最初につけた押し目が5月の最安値になって、上昇する展開となっています(図表02を参照)。
1990年から2022年の期間で、5月の月足が陽線引けした17回中、12回は、前述した動きで5月の最安値をつけています。
月初に上げて下げる動きを経過して、5月の最安値をつけた年は、2002年、2005年、2008年、2014年、2022年の5回あります。
これらの年は、その後の流れをつくるきっかけとなる押し目、戻り高値をつける作業となっています。
2002年は、5月に戻り高値をつけて、下降を開始しています。
2008年は、5月から6月にかけてもちあいの動きを経過して、6月5日以降、積極的な下降の流れへ入っています。
2005年、2014年、2022年は、それまでの価格が下げていて、5月の動きで下値堅さを確認して、6月へ向けて上昇を開始しています。
前週末の夜間取引で、225先物期近が29070円で引けているため、週明け後の日経平均株価は下放れて始まる公算です。
週明け後の価格が5月1日の安値29016円を割れる展開になる場合、前述した経験則を考慮すると、5月の月足が陰線引けするか、5月中、または5月から6月にかけて戻り高値をつけて、下降を開始する展開になると推測できます。
どちらの場合でも、6月以降は、昨年3月以降のもちあいレンジ下限となる26000円以下を目指す可能性が大きくなります。
今後の価格が上昇して、2021年9月の高値30795円を目指す動きになるには、週明け後、29016円を割れず、すぐに上昇する動きが必要です。
〇日経平均株価は戻り高値をつけた後、一気に下げる公算も
日経平均株価は、昨年3月以降、26000円から28000円程度のレンジでのもちあいの動きとなっています。
もちあい期間中、戻り高値をつけた後の動き方を見てゆくと、初期段階で急な下げ場面になっていることがわかります。
以下は、戻り高値をつけた後の最初の下げ場面です。
・2022年3月25日~4月12日、13営業日で2034円幅の下げ
・2022年6月9日~6月20日、8営業日で2869円幅の下げ
・2022年8月17日~9月7日、16営業日で1954円幅の下げ
・2022年11月24日~12月8日、11営業日で1087円幅の下げ
・2023年3月9日~3月16日、6営業日で2102円幅の下げ
2022年11月24日以降は、最初の下げで上値の重さを確認する作業を経過して、12月14日以降に急落しています。12月14日から1月4日まで、14営業日で2534円幅の下げ場面となっています。
週明け後の価格が下げて、5月2日の高値29278円が戻り高値となる場合、5月下旬頃までの期間で、一気に27000円の節目程度まで下げる可能性が出てきます。
図表03は、日経平均株価日足と今後の想定できる展開です。
