〇日経平均は週明け後に上値を抑えられるかが焦点
前回、日経平均の4月の月足が陰線引けする展開になる場合、4通りのパターンがあると紹介しました。
パターン1は、4月がだいたい月初に下げた範囲内でもちあいとなるパターンです。パターン2は、4月中旬頃まで横ばい、または堅調に推移した後、下降する展開です。パターン4は、パターン2とほぼ同じ展開で、パターン4の方が月初に上昇する日柄が短く、下降を開始後の下げ幅が大きくなっています。
パターン3は、月初に大きく下げた後、安値圏で推移する展開です。
前週、4月6日の安値27427円が押し目になって後、一本調子の上昇場面となって、4日の高値28287円を超える動きとなっています。
前週の上昇により、本年4月の日経平均は、パターン1の展開となって、月足が陰線引けするか、目先、一気に3月9日の高値28734円を超えて、4月が陽線引けするかのどちらかになると考えられます。
4月の月足が陰線引けしてパターン1の展開になる場合、月初の下降前の高値を超えた後、すぐに上値を抑えられる動きになっています。
本年がパターン1になるなら、週明け後は、17日~21日の期間で28734円を前に上値の重さを確認して、下値を試す流れへ入る公算です。
4月の月足が陽線引けする展開になるなら、4月末まで、目立った下げ場面があらわれず、勢いの強い上昇の流れを継続して、現時点での上値の限界を探る動きになると考えられます。
週明け後は、反転下降する場面があらわれても、勢いの強い上昇途中の小幅調整の動きで終わる公算です。
〇日経平均の本年の4月が陰線引けする場合、年の前半は弱気
本年4月のNYダウは、強気の季節傾向(1990年から2022年の期間での陽線確率が72%)の通り、月初から堅調に推移し、月足が陽線引けする可能性がある状態です。
前述した通り、日経平均は、週明け後の価格が下げると、4月の月足が陰線引けする可能性があります。
4月は、まだ2週間も残していますが、NYダウが下値堅く推移して、日経平均が下げる場合、NYダウが陽線引けして、日経平均が陰線引けする展開になる可能性があります。
1990年から2022年の期間で、NYダウの4月の月足が陽線引けして、日経平均の4月の月足が陰線引けしている年は、日経平均に目立った特徴があらわれています。
それは、年の前半が弱気に推移しているということです。
4月にNYダウが陽線引けして、日経平均が陰線引けした年は、1992年、1998年、2003年、2006年、2010年、2012年、2014年、2016年、2021年が挙げられます。
1992年は、8月19日に年間の最安値をつけるまで、はっきりとした下げの流れを継続しています。
1998年は、3月9日から6月16日まで下降の流れを作り、その後、7月中旬頃まで、一時的な反発を経過して、10月まで続く下降の流れへ入っています。
2006年は、4月7日の高値が年間の最高値となって、その後、6月14日まで勢いの強い下げ場面へ入っています。6月14日に年間の最安値をつけて、その後、堅調に推移しています。
2010年は、4月5日に年間の最高値をつけた後、9月1日に年間の最安値をつけるまで、下げの流れを継続しています。
2012年は、3月26日に戻り高値をつけた後、6月4日に年間の最安値をつけるまで、はっきりとした下げの流れを継続しています。
2016年は、4月25日に戻り高値をつけた後、6月24日に年間の最安値をつけるまで、戻せば売られる展開となっています。
2021年は、4月6日に戻り高値をつけた後、8月20日に年間の最安値をつけるまで、戻せば売られる展開となっています。
2003年と2014年だけ、4月の安値が年間の最安値となって、その後の価格が上昇を開始しています。これらの年は、4月に年間の最安値をつける展開になっていて、明らかに本年と異なる動きです。
まだ2週間の経過をたどる必要がありますが、本年4月のNYダウの月足が陽線引けして、日経平均の月足が陰線引けする展開になる場合、日経平均は、6月頃までの期間で、1月4日の安値25661円を割れる動きになると推測できます。
以上のことを考慮した日経平均株価の今後の展開は、図表1の実線が考えられます。
