〇日経平均は4月の月足が陰線引けする可能性が出てきた
前回、4月の月足が陽線引けするパターンについて紹介しました。
4月の月足が陽線引けする場合、たいていは、4月の1営業日目から3営業日目の範囲で4月の最安値をつけて上昇の流れを作ります。その他には、10営業日目前後で4月の最安値をつけている年もありますが、そのような展開になる場合、4月中旬につける安値が月初の値位置から100円幅程度、若干下げた地点でつけて、すぐに上昇を開始しています。
1990年から2022年の期間では、2017年の1度だけ、月初から価格が大きく下げて、月中で4月の最安値をつけた後、上昇を開始して、4月が陽線引けする展開となっています。
本年4月は、月初の値位置から大きく価格が下げたため、2017年と同様、押し目をつけた後、月末へ向けてV字に上昇を開始して、月足が陽線引けする展開になるか、4月の月足が陰線引けして引けるかのどちらかになると考えられます。
図表01は、1990年から2022年までの期間で、4月の月足が陰線引けした年の値動きのパターンを示しています。
パターン1は、4月がだいたい月初に下げた範囲内でもちあいとなるパターンです。月初に下げた後、若干だけ月初の高値を超える程度まで値を戻しています。1990年、1998年、2016年がこの展開となっています。
パターン2は、4月中旬頃まで横ばい、または堅調に推移した後、下降する展開です。1991年、2003年、2005年がこのパターンとなっています。
パターン2とパターン4は、ほぼ同じ展開ですが、パターン4の方が月初に上昇する日柄が短く、下降を開始後の下げ幅が大きくなっています。2000年、2006年、2010年、2021年がパターン4となっています。
パターン3は、月初に大きく下げた後、安値圏で推移する展開です。1992年、2012年、2014年、2022年がこのパターンとなっています。
〇2023年4月はパターン1か4のどちらかになる公算

2023年4月の日経平均株価は、前述した通り、月初から大きく下げているため、陽線引けするなら、V字底をつけて上昇を開始する展開、陰線引けするなら、図表01のパターン1か3の展開になると考えられます。
日経平均株価は、昨年3月以降、26000円から28000円のレンジ内で推移しています。このレンジの真ん中あたりの値位置、27000~27500円の範囲には、強い壁があり、この地点付近を維持する、戻りを売られる動きがあらわれています。また、27000~27500円を抜けるときには、上昇、下降の勢いの強い動きとなって、一気にこの価格帯を抜ける展開となっています。
前週末の日経平均株価は、節目となる27500円付近に位置しています。
目先の価格が下落して、27000円以下を目指す展開になる場合、その下げが27000円を前に下値を支えられるとしても、その後の上昇には、V字回復が期待できません。27500円付近の値位置では、その後の価格が28000円以上の上げ余地があるかを確認するための作業として、いったん上値を抑えられる可能性が大きくなるからです。
本年4月の日経平均がV字回復して、陽線引けする展開になるか、または、陰線引けする場合でも、パターン1の展開になる場合、今後は、4月6日の安値27427円付近で押し目をつけて、再上昇を開始する展開になる必要があります。
一方で、目先の価格が下降の流れの継続を示す動きになるなら、本年4月は、パターン3の展開になる可能性が大きくなります。
パターン3の展開になる場合、目先は、27000円以下へ下げる公算です。
〇日経平均株価は週明け後に上値を抑えられるかが焦点
図表02は、日経平均株価日足と、4月の想定できるシナリオです。
前週末の夜間取引で225先物が上昇したため、週明け後の日経平均株価は、寄り付き値が上放れて始まる公算です。
本年がV字回復、パターン1のどちらの場合でも、6日の安値27427円が押し目になって、目先の価格が一本調子の上昇の流れを作り、一気に4日の高値28287円を超える動きになると考えられます。
パターン3になるなら、週明け後は、価格が上昇しても、5日の終値27813円(6日に開けたギャップ上限)付近か、または27813円よりも手前で上値を抑えられて、すぐに下降を開始する公算です。
パターン3になる場合、10日の高値が一時的な反発の終点になると考えられるので、11日以降も上昇継続となるなら、目先は28287円を超える可能性があると推測できます。
