〇NYダウが4月に上昇する場合の値動きのパターン
NYダウの4月は、価格が上昇しやすい傾向があります。1990年から2022年までの期間を見ると、4月は、33年中、24回、73%程度の確率で月足が陽線引けしています。
4月の月足が陽線引けするパターンは、(1)3月からの上昇の流れを継続する格好で、4月が月初から上昇の流れを作る、(2)3月に価格が上昇していて、4月上旬に一時的な調整を経過して、すぐに上昇を開始する、(3)3月と4月の安値で押し目底のパターンを形成して、上昇を開始する、という3通りがあります。
(1)は、1994年、1995年、1998年、1999年、2003年、2007年、2008年、2009年、2015年、2018年、2020年、2021年(12回)であらわれているケースで、最も多いパターンとなっています。ほとんど4月の1営業日目が4月の最安値となっています。1度だけ、2営業日目が4月の最安値となっています。
(2)は、2006年、2010年、2011年、2012年、2013年、2014年、2016年、2019年(8回)であらわれているケースです。順番に、「10営業日目、5営業日目、12営業日目、6営業日目、5営業日目、9営業日目、5営業日目、9営業日目」に4月の最安値をつけています。
(3)は、2001年、2017年(2回)であらわれているケースです。3月と4月の安値で押し目底のパターンを形成して、上昇を開始しています。4月の安値は、3月の安値付近でつけています。
その他、3つのパターンと異なる動きは、「1月下旬から4月上旬まで横ばいに推移して、4月にレンジ下限で押し目をつけて上昇するパターン(1992年)」、「4月上旬に下げて、押し目底のパターンを形成して、上昇を開始(1997年)」があります。
1997年は、4月上旬に下値を掘り下げる動きとなっていますが、1月から3月までの安値を4月に割れる動きとはなっていません。
(3)のケースでも、4月に1月から3月の安値を下回る動きになっていません。
以上のことを考慮すると、4月は、価格が上昇する場合、「4月上旬に価格が下げる場合でも、1月~3月までにつける安値を割れる動きにならず、4月の最安値をつける」、「4月に押し目をつける動きになる場合、3月の安値付近で4月の最安値をつけて、押し目底のパターンを形成する」、「たいていの場合、3月下旬までには価格が上昇していて、4月が月初から上昇するか、月初に若干の調整を経過して、すぐに上昇を開始する」という展開になっています。
〇本年のNYダウの4月の展開

本年だけの動きで見ると、NYダウは、1月13日の高値34342ドルが最高値となって、その後、下降の流れを作っています。
まだ、押し目底を確認する展開になっていませんが、4月の月足が陽線引けすると見る(本年の日経平均が1月の始値よりも4月の終値が高くなる可能性があることから想定できる動きです)なら、今後は、図表01の実線の展開に絞られます。
桃色の実線は、3月15日の安値31429ドルが押し目底になって、3月と4月の安値でダブル・ボトムのパターンを形成する展開です。
赤色の実線は、週明け後、一気に31429ドルを割れて、31日までに押し目底になる安値をつけて、反発を開始する展開です。こちらの場合、4月に再度下値を試す動きを経過して、ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトムの格好になることも考えられます。
青色の実線は、3月15日以降、ジグザグの上昇の流れへ入っている展開です。
桃色の実線になる場合、週明け後、3月23日の高値32511ドル付近で上値を抑えられて、4月上旬に下値を試す動きになると考えられます。
赤色の実線は、週明け後、すぐに下降を開始して、一気に31429ドル以下へ下げる展開です。
週明け後、価格が上昇して、22日の高値32761ドルを超えると、青の実線の展開になる可能性が大きくなります。
〇日経平均株価は、週明け後の価格が堅調に推移するかが焦点
日経平均株価は、27500円、27000円の節目が強弱の分岐点となっています。価格が上昇する場合、27500円を一気に超えて、買い人気の強さを示す動きとなります。
27500円を前に、上昇が勢いづかない場合、しばし価格が上値重く推移することになります。
NYダウが青色の実線の動きとなるなら、日経平均株価は、週明け後、27500円を抜ける準備の動きを経過して、その後、一気に27500円以上へ上げた後、上値を試す流れへ入ると考えられます。
NYダウが桃色、赤色の実線の動きになる場合、日経平均株価は、週明け後、27500円前後で、または27500円を前に上値を抑えられて、下値を試す流れになると考えられます。
図表02は、日経平均株価日足と今後のシナリオです。
明日、堅調に推移して、27500円を目指す動きとなって陽線引けするなら、青の実線の展開になる可能性が出てきます。
一方で、明日、上値重い動きとなって、陰線引けするなら、桃色か、赤色の実線の動きになると考えられます。
