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【少額投資家のための売買戦略】2023年3月13日記

〇日経平均株価が年明け後に上昇している年の動き方

図表01 日経平均の年間の動き方の目安、パターン1と2
図表02 日経平均の年間の動き方の目安、パターン3と4

図表01、02は、1990年~2022年の期間で、1月、2月に押し目をつけて、価格が上昇している年の値動きをおおまかにまとめたものです。

そのような展開になっている年は、1991年、1993年、1994年、1996年、1997年、1998年、1999年、2000年、2002年、2004年、2006年、2007年、2010年、2011年、2012年、2013年、2015年、2019年、2021年です。

この中で、年末頃に年間の最高値を更新している年は、1999年、2012年、2013年、2019年です。

1999年、2013年は、1年を通じて上昇の流れを作り、値幅のともなった調整の動きがあらわれていません。ただ、6月頃までは、パターン2も似た展開になっているので、6月頃までパターン2の動きとして考えます。

2012年と2019年は、8月までの動き方がパターン1と同様の展開となっていて、8月以降、年末へ向けて、価格が上昇を開始しています。2012年と2019年は、8月までパターン1として考えます。

図表01は、1月に価格があまり下げず、すぐに上昇を開始している年の展開です。

パターン1は、年初からの上昇が2~4月に終息して、そのときにつけている目立った戻り高値が年間の最高値になって下降を開始しているケースです。

以前、1月に価格が上昇している年は、1月の始値よりも4月の終値の値位置が高いと紹介しました。パターン1は、1月が上昇している年なので、戻り高値をつけた後、一気に下げ幅が拡大する展開にならず、4月末の値位置は、1月の安値よりも上方へ位置します。

5月、6月頃に、上げた分のすべてを押し戻される動きとなった後、いったん値幅の伴った反発を経過して、再度下降の流れへ入り、下値を掘り下げます。

パターン2は、3月、4月に戻り高値をつけた後の下げ幅が限られて、再度上値を試す動きを経過して、5月、6月に年間の最高値をつけた後に下げるパターンです。

下降を開始後は、年末に向けて1月の安値を割れる程度まで下げる展開となっています。

図表02は、年明け後、すぐに価格が下げた後、1月、2月に押し目をつけて上昇を開始している年のパターンです。

パターン3は、6月頃まで上昇の流れを作り、その後、年末へ向けて、年明け後の安値以下を目指す動きへ入る展開です。

パターン4は、3月、4月頃までで上値を試す動きを経過した後、6月頃までの期間で、一気に下値を掘り下げる動きとなった後、年末へ向けて堅調に推移する展開です。

〇パターン1と2の年が年間の最高値をつけた日

これまでの経緯を考慮すると、本年の日経平均株価は、6月頃、または8月頃までの期間で、図表01のパターン1、パターン2のどちらかの展開になると考えられます。

パターン1で年間の最高値をつけた日は、「1991年3月18日」、「1998年3月9日」、「2000年4月12日」、「2021年2月16日、9月14日」です。

2021年は、2月16日に戻り高値をつけて下降を開始して、8月に年間の最安値を更新しています。その後、8月下旬から9月14日まで急騰して、年間の最高値を若干だけ更新して、下降を開始する展開となっています。

9月の急騰は、自民党総裁選や、日経平均株価の複数の銘柄入れ替えなどが好感されて、例年にない特別な動きが一時的に演出されたという見方になります。

パターン2で年間の最高値をつけた日は、「1993年(5月11日)9月3日」、「1994年6月13日」、「1996年6月26日」、「2007年6月20日」、「2015年6月24日」です。5月から9月頃まで横ばいに推移して、一時的に9月に高値を更新する展開となった1993年以外、6月に戻り高値をつける展開となっています。

〇日経平均株価は目先の下げ幅が4月以降の上げ余地を示す

NYダウが3月6日以降、勢いの強い下げの流れへ入ったことで、急上昇していた日経平均は、9日の高値28734円が戻り高値となって、10日の価格が大幅反落しています。

前週末の夜間取引で、225先物ミニ23年6月限が27530円まで下げたことで、週明け後の日経平均は、大きく下放れて始まる公算です。

本年がパターン1の展開になるなら、3月9日の高値28734円が年間の最高値となって、現在が大勢の下降局面へ入っているという見方になります。

弱気の展開になる場合、本年は、20000円前後まで下げ余地があります。7月には、昨年3月の安値24681円を大きく下回る動きになっている可能性があります。

本年がパターン2の展開になるなら、3月9日以降の下げは、一時的な動きで終わり、5月、6月に年間の最高値をつける動きになると考えられます。

どちらの展開になるかは、目先の下げが27000円以下へ位置するか否かが見えてきます。

27000円から27500円の価格帯は、昨年以降のもちあいの中心で、強弱の節目となっている地点です。この地点を抜ける場面では、勢いの強い動きがあらわれます。

今後の価格が再上昇を開始して、28734円を超えるためには、強弱の節目になる場所を維持して、27500円前後の値位置で下値堅さを確認し、再上昇を開始する必要があります。

目先の価格が一気に27000円を割れる動きになるなら、上げなければいけない値幅や、下値堅さを確認する作業期間、4月の上げやすい時期を前に大幅安となった上値の重さなどを考慮すると、3月9日の高値28734円は、本年の最高値になる可能性が大きくなります。

今週、積極的な下げの流れを継続するか、下値堅さを示す作業へ入るかによって、その後の展開が見えてきます(図表03を参照)。

図表03 日経平均株価日足と今後のシナリオ

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