〇2023年の日経平均株価の強弱の展開のパターン

1月3日の記事では、「本年の価格が上昇して、陽線引けする展開になる場合、その上昇は、昨年3月の安値24681円が押し目底になって、その後の価格が新たな上昇の流れへ入っていることであらわれる」と書きました。
図表01は、日経平均株価月足と、前回紹介した本年の想定できる展開です。
今後の価格が下げて、2022年3月の安値を割れると、チャートでは、「2021年2月と9月の高値でダブル・トップを完成した後の下げ場面」、あるいは、「2021年9月の高値を中心として、2021年2月と2022年8月の高値を左右の肩としたヘッド・アンド・ショルダーズ・トップを完成した後の下げ場面」へ入っているという見方ができます。天井型のパターンの解釈はどちらでもかまいませんが、24681円を割れると、30795円が大天井であることを再確認できます。
そのため、24681円を割れた後は、すぐに下値を支えられる展開を考えにくくなります。
1月から4月は、年間が強気に推移する場合、上げやすい時期になります。
上げやすい時期に下値を掘り下げて、大天井を確認するのですから、当然、5~10月の上値を抑えられやすい時期へ入り、突然、なんの理由もなく、価格が上昇を開始して、積極的に年間の最高値を更新する動きになる展開を考えられません。
今後の価格が24681円を割れるなら、その下げは、今年の年末へ向けて、積極的に買える場所を探る動きになると考えられます。
2021年9月の高値が大天井となった後の下げ場面ですから、当然、2021年9月以降の下げは、はっきりとした大勢の下降局面を作る展開になり、本年が積極的に下値を掘り下げる動きになる公算です。
本年が強気の展開になるには、1月4日の安値25661円を維持して、昨年からの下値を切り上げるもちあいの動きを継続して、1~4月の(年間が強気に推移する場合の)上げやすい時期に、もちあいレンジ上限となる2022年8月の高値29222円を目指す動きになる必要があります。
〇2023年の日経平均株価が強気の展開になる場合
昨年12月25日の記事では、「(1980年から2021年までの期間で)1月に年足が陽線引けした年は、陽線で引ける確率が64%と高く、年足が陰線引けした年が陽線で引ける確率が35%と低くなっている」と紹介しました。
また、以前には、「年足が陽線引けする年は、1月の安値付近が年間の最安値になりやすく、1月の安値を大きく割れているにもかかわらず、年足が陽線引けしている場合、その年のどこかで、積極的に株価を押し上げる明確な材料があらわれている(今年はそのような投資環境の急激な変化を考えにくい年です)」という過去の値動きの経験則も紹介しました。
図表02は、日経平均株価日足です。
日経平均株価は、1月18日に価格が急上昇して、1月12日の高値26547円を超えたことにより、1月4日の安値25661円と16日の安値25748円で、短期のダブル・ボトムを完成しています。
図表01の示している2021年以降の展開や、過去の値動きの経験則を考慮すると、本年の価格が上昇して、年足が陽線となる可能性があるなら、前述の通り、1月4日の安値25661円が本年の最安値となって、1月の月足が陽線引けする展開になる公算です。
そして、29000円以上の値位置を目指して、4月頃までの期間で、上昇の流れを作ると考えらます。
強気の展開になる場合、今後は、「1月中、18日の大陽線の範囲内で下値堅く推移して、2月に上昇を開始して、一気に28000円以上へ上げる」、または「1月末、2月上旬頃までの期間で、一気に28000円以上へ上昇する」というどちらかの展開になると考えられます。

〇2023年の日経平均株価が弱気の展開になる場合
今後の価格が下げて、1月4日の安値25661円を割れると、本年は、年足が陰線引けする展開になる可能性が出てきます。
25661円を割れる展開は、「1月末までの期間で、一気に25661円を割れて、1月の月足が陰線で引けする」、「目先の価格が上値を試す動きを経過して、27000円前後での上値の重さを再確認して、2月以降に下降を開始する」という2通りが考えられます。
このどちらかになると、本年は、年足が陰線で引けする可能性が大きくなります。
前週末の夜間取引では、225先物ミニ23年3月限が26910円で引けています。
週明け後の日経平均株価は、寄り付き値が上放れて始まる公算です。
週明け後、20日の安値26320円が押し目になって、一気に18日の高値26816円を超える動きになると考えられるので、今週は、27000円の節目を試す動きになる公算です。
今週、27000円前後で強く上値を抑えられるか、そのまま上昇の流れへ入るかによって、今後の展開が見えてくるはずです。