〇NYダウは28715ドルを割れずに反発するかが焦点

前回、「NYダウは、10月にその年の最高値を更新する動きになっていなければ、10月の安値が押し目になって、年末まで堅調に推移している」という過去の経験則を紹介しました。
NYダウは、10月5日の高値30454ドルが強い抵抗になって、5日以降、下値を試す動きになっています。
前述した経験則を考慮すると、この下げは、年末まで有効になる底値を確認する作業として、底入れ型を形成中か、10月中に下値の限界まで下げる動きへ入っているかのどちらかだと推測できます。
図表01は、NYダウの終値の折れ線グラフです。
図中の実線は、底入れ型を形成中、または、下値の限界を試す動きとなる場合の今後の展開を示しています。
1月5日以降の下げは、2020年3月から2022年1月までの上昇局面全体の修正場面だと見ることができます。
6月の安値29653ドルは、上昇幅全体の38.2%押し付近に位置していました。ここが押し目にならないなら、その後は、50~61.8%押しの範囲に位置する支持、2020年10月30日の安値26143ドルまで下げることも考えられます。
今後の価格が下値を掘り下げる動きになるなら、10月は、下旬まで下げの流れを継続して、27000ドル以下を目指す可能性が出てきます。
現在が押し目底のパターンを形成中の場合、動き方には2通りが考えられます。
1つ目は、9月30日の安値28715ドルを割れずに上昇を開始して、右肩上がりの押し目底を形成する展開です。
2つ目は、目先の価格が28715ドルを割れて、右肩下がりの押し目底を形成する展開です。
過去の10月の値動きを見ると、月初の安値が10月の最安値になって、月足が陽線引けする展開になる場合、10月は、はっきりとした上昇の流れを作り、月末頃まで上値を試す流れを継続することが多くなっています。
一方で、いったん価格が上昇した後、上値を抑えられて、月初の安値を割れる展開になる場合、10月は、ジグザグのもちあいの動きになっています。
以上のことを参考にするなら、目先、28715ドルを維持する格好で上昇する場合、反転上昇後は、比較的はっきりとした上昇の流れを作り、値幅の伴った上昇場面になる可能性が出てきます。
目先、28715ドルを割れる展開になるなら、目先の価格が押し目をつけて、再反発を開始しても、その上げは、いったん10月5日の高値30454ドル付近で強く上値を抑えられて、結果として、10月がもちあいの動きになると考えらえます。
どちらの展開になる場合でも、押し目底を形成中なら、週末14日頃までの期間で、下値堅い場所を確認して、上値を試す流れへ入ると考えられます。
〇日経平均株価は11日に10月の展開が見えてくる公算

図表02は、日経平均株価日足と予想線です。
日経平均株価は、年間が弱気パターンの年になる場合、年末までの期間で、3月9日の安値24681円を割れる展開になると考えられます。
一方で、今後の価格が10月3日の安値25621円を維持する動きになるなら、年末へ向けて価格が上昇して、1月5日の高値29388円を超える動きになる可能性も考えておく必要が出てきます。
図表01で示したNYダウのシナリオを考慮すると、日経平均は、24681円を割れる展開になる場合、10月末までの動きとしてあらわれると考えられます。
29388円を試す動きになる場合、10月末の値位置が28500円程度まで上げていると考えられます。
29388円を目指す展開になるか否は、休み明け後にはっきりする公算です。
価格の上昇は、(積極的に売るだけでなく、市場から抜けてゆくことでもあらわれる下降と違い)多くの市場参加者が積極的に買うことでのみあらわれます。
あと15営業日程度で、2000円幅か、それ以上の上げ場面を経過するには、目先の価格が25621円へ接近して、この安値での下値堅さを確認する作業にならず、一段安となるなら、すぐに押し目を拾われる動きがあらわれると考えられます。
前週末のNYダウが下げた流れを映して、休み明け後の日経平均株価は、寄り付き値が下放れて始まる公算です。
目先の価格が25621円を試す動きになるなら、11日は、寄り付き後、下値を試す動きを経過して、そのまま上値重い状態で引けると考えられます。
一方で、現在が上昇の流れへ入っているなら、11日は、午前中に下値堅さを確認して、引けにかけて上値を試す流れへ入るはずです。
10月の展開は、11日の午前中に見えてくる公算です。