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【少額投資家のための売買戦略】2022年8月21日記

〇NYダウは、今年後半に29653ドルを割れなくても、来年割れる公算

NYダウは、値幅の大きな調整局面となる場合、何年も下げの流れを継続する動きにならず、たいていの場合、年足1本で調整を終了しています。

2008年の暴落(リーマンショック)は、2003年から2007年までの上昇のすべてを押し戻されてしまいましたが、結果だけを見れば、年足が陰線引けした年が2008年だけでした。

2020年の2月から3月にかけて、大暴落しましたが、2000年は年足が陽線引けしています。

1965年から1982年まで、長いもちあい局面へ入っていますが、このとき、レンジ上限から下限への下げ場面では、たいていの場合、陰線の年足が1本だけあらわれて、翌年に押し目をつける展開となっています。

NYダウは、調整場面へ入ると、調整する分の値幅の大部分を1年間で下げていることが多くなっています。

調整の年は、1年をかけて調整分の値幅を下げるか、下げやすい時期に一気に下値の目安まで下げる展開となっています。

年足が2本以上継続している年もあります。

1950年以降(1990年以前は、日々の終値を基準にしています)で、2年以上連続して年足が陰線引けしているのは、「73年から74年」「77年から78年」「00年から02年」の3回です。

1950年以前では、「29年から31年」「39年から41年」などがあります。

これらの年は、下降開始の初年度が振れ幅の大きなジグザグを経過して、翌年に積極的に下げるか、初年度に積極的に下げて、翌年が年初に前年からの下げの押し目をつけて、その後、横ばいに推移して、結果として年足が陰線引けする展開になるかのどちらかとなっています。3年連続して陰線引けしている年は、全体が振れ幅の大きなジグザグの動きとなって下げる展開となっています。

過去の動きを考慮すると、NYダウは、調整入りする場合、下降の仕方によって、翌年の動き方が見えてきます。

その年が積極的に下げるなら、年足が陰線引けする展開が1年で終わり、翌年、一段安となっても、年間で陽線引けするパターンになるという見方ができます。

一方で、価格が下げても、ジグザグに振れ幅の大きな動きになる場合、翌年が積極的な下げになると考えられます。翌年も前年と似た展開なら、年足陰線が3年連続する可能性を考えておく必要が出てきます。

本年は、年足が陰線引けするパターンへ入っています。

現在の下げの流れが本年中、または来年の早い時期に終了して、上昇を開始するなら、本年は、8月16日の高値34281ドル付近で戻り高値を確認して、年末までの期間で、6月17日の29653ドルを下回る動きになると考えられます。

今後の価格が上昇して、8月16日の高値34281ドルを大きく上回る上げ場面になるなら、本年は、年末へ向けて29653ドルまで下げず、下値堅く推移する公算です。

ただ、本年が下げ渋る動きになっても、それは、積極的な下げの流れが来年にずれただけに過ぎません。

図表01 NYダウの調整場面

〇日経平均株価は29222円前後が戻り高値になる公算

前回、本年8月の日経平均株価は、月末まではっきりとした上昇の流れを継続する展開にならず、ジグザグに推移すると書きました。

この見方が正しければ、週明け後は、8月17日の高値29222円が戻り高値となって、下値を試す流れを継続する公算です。

17日の高値29222円付近が戻り高値になる展開には、2通りが考えられます(図表02を参照)。

1つ目は、短期のダブル・トップを形成して下降を開始する展開です。

来週、28500円前後まで下げた後、押し目を確認する作業を経過して、月末までに再度29000円を試す動きとなり、9月の初めから下降を開始する動きが考えられます。

2つ目は、月末まで、8月2日の安値27530円程度まで、一気に下げる展開です。

どちらの展開になる場合でも、週明け後、一段安となる公算です。

週明け後、18日の安値28846円を割れても、すぐに反発を開始して、29222円を超える動きになるなら、目先は、上昇を継続して29388円以上を目指す可能性が出てきます。

その上げは、本年が年末までに3月の安値24681円以下へ下げにくいことを示す動きになりますが、今後の価格が上昇を開始する可能性を示しているわけではありません。

今年の下値余地が限られて、積極的な下げが来年になることを示しているに過ぎません。

図表02 日経平均株価日足と予想線

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