メールマガジン

【少額投資家のための売買戦略】2022年7月31日記

〇日経平均株価の年足が陰線引けする年の下げ方

図表01 日経平均株価の年足が陰線引けした年の展開

図表01は、日経平均株価の年足が陰線引けした年の値動きを示しています(2011年は特殊な年なので除いています)。

左から順番に、年間の最高値、年間の最安値、年間の変動幅、一本調子の下降の動きを継続している期間の下降の始点と終点、下げ幅、全体の変動幅に対する下げ幅の割合です。

1990年は、1月4日~4月5日までの期間、7月18日~10月1日までの期間で一本調子の下げの流れを作り、年間の下げ幅を稼いでいます。

表中の最大の下げ期間(一本調子に下げの流れを継続して、年間の下げ幅の大部分を稼いでいる期間)は、だいたい、4月から10月頃にあらわれていることがわかります。

4月から10月の期間以外で大きく下げている年は、1990年、1992年があります。

これらの年は、1月から下げの流れを作っています。

1990年の場合、1月から4月まで下げた後、再度、7月から10月まで一本調子の下げの流れへ入っています。

1992年は、1月から8月まで、目立った反発なく、下げの流れを継続しています。

年間が陰線引けしている年は、必ず、4月から10月の期間のどこかで、年間の下げ幅を稼ぐ、一本調子の下げ場面があらわれています。

本年は、1月5日~1月27日、2月10日~3月9日の期間で、一本調子の下げ場面があらわれて、年間の変動幅を稼いでいます。

過去の経験則に従うなら、本年は、8月から年末までの期間のどこかで、一本調子の下げ場面があらわれて、3月9日の安値24681円を割れる動きがあらわれると考えられます。

〇本年8月の日経平均株価は、月初から下降を開始するパターンになる公算

1990年から2021年までの期間で、年足が陰線引けした年は、図表01の13年間と、2011年を加えた14年間です。

過去14回の値動きを調べると、1992年、2000年、2018年を除いたすべての年(14回中11回)の8月の月足が陰線引けする展開となっています。

1992年は、前述した通り、1月から8月まで一本調子の下げの流れを作り、8月中旬に押し目をつけたため、8月後半に急反発して、陽線引けする展開となっています。

2000年は、4月以降に急落して、7月末にそれまでの最安値を更新する下げを経過して、8月が一時的な反発場面となっています。

1992年と2000年は、7月、8月まで下げの流れを作り、それまでの最安値を更新する格好になって、8月が反発しています。

本年は、3月に押し目をつけて、7月が陽線引けする展開となっているので、1992年と2000年とは異なります。

過去13回のケースでは、ほとんどの年で、8月は、月初から一本調子の下げの流れを経過しています。そうなっていない年は、1996年と2002年の2回です。

1996年、2002年は、8月が月中に8月の最高値をつける動きになっています。1996年は、7月全体、2002年が6月から7月末が、値幅の伴った下げ場面となって、7月の月足が陰線引けする展開となっているので、本年と異なります。

過去の経験則に従うなら、本年は、8月が月初から下降を開始して、一本調子の下げの流れを作るか、2018年のような展開になるかのどちらかが考えられます。

2018年は、3月に押し目をつけて、7月が陽線引けしたにもかかわらず、8月の月足が陽線引けする展開になっていて、7月までが本年と近い展開になっています。

ただ、8月が陽線引けした2018年でも、8月は、月初からいったん価格が下げる動きを経過しています。

〇日経平均株価は8月が月初から下降を開始する公算か

年足が陰線引けする展開になる場合、本年は、8月から10月、または12月までの期間のどこかで、一本調子の下げ場面を経過して、3月の安値24681円を割れる動きがあらわれると考えられます。

これまでの展開を考慮すると、本年は、8月が月初から積極的な下げの流れを作る可能性があるため、3月の安値を割れる下げの起点が8月の月初になる可能性があります。

2018年のような展開になる場合でも、8月がいったん下げの流れを作り、下値堅さを確認する作業を経過すると考えられます。 以上のことを考慮すると、今後の想定できる展開は、図表02の赤と青の実線のどちらかになると考えられます。

図表02 日経平均株価日足と予想線

-メールマガジン

© 2025 メルマガ掲載用サイト