【日経平均株価は、27062円前後で上値を抑えられるなら、その後、はっきりとした下降局面へ入る公算か】
〇日経平均株価は23000円以下を目指す動きへ入っている公算
日経平均株価は、2021年9月14日以降、2020年3月19日の安値16358円から2021年9月14日の高値30795円までの上げ幅全体の修正局面へ入っている公算です。
弱気の見方が正しければ、現在の下げは、2018年10月の高値24448円から2020年3月の安値16358円までの下げ幅(8090円幅)と同程度となる地点22705円を目指す動きか、または、2020年3月の安値16358円を目指す動きのどちらかだと考えられます。
現在の下げは、本年10月から来年3月頃、または来年後半までの期間で、底値をつける動きになる公算です。
本年9月から12月頃までの期間で、22705円前後で押し目をつける動きになる場合、来年以降、新たな上昇の流れを作り、30795円を超える可能性を残します。
20000円以下まで下げる展開になるなら、30795円が大天井となって、今後は、価格が上昇しても、25000円程度の地点で、上値を抑えられる動きになると考えられます。

〇週明け後、27062円前後で強く上値を抑えられるかが焦点
以前に紹介した通り、本年は、弱気パターンの年になって、8月以降、3月の安値24681円を割れる動きになると考えられます。
7月から8月にかけての動きは、今後の下げが22705円前後を目指すか、または22705円を大きく下回る動きになるかを示すサインになります。
今後の価格が20000円以下を目指す動きになる場合、下げ傾向のある7月から10月の期間で積極的な下げの流れを作り、下値を掘り下げる動きになると考えられます。
その場合、3月9日以降の振れ幅の大きなジグザグの調整は、6月9日の高値28389円で終わり、6月9日以降は、新たな下げの流れへ入っているという見方になります。
この下げは、20973円(3月9日の安値から6月9日の高値までの上げ幅3708円幅を24681円から引いた値位置)を大きく下回る程度まで、はっきりとした下降の流れを作ると考えられます。
だとすれば、6月17日以降の下値堅い動きは、強気の流れを作れずに上値を抑えられて(一時的な反発の範囲内の動きで終わり)、下降を開始するはずです。
週明け後は、価格が上昇しても、6月28日の高値27062円が強い抵抗になって、再度下値を試す動きへ入るという見方が有力になります。
一方で、目先の価格が上昇を継続して、27062円を超えて、強く上値を抑えられる動きがあらわれない場合、現在が3月9日以降のもちあいの動きを継続中という見方が有力になります。
その場合、7月は、堅調な展開を継続して、6月9日の高値28389円を目指す動きになると考えられます。
週明け後、27062円前後で上値を抑えられて、下降を開始すると、本年が20000円以下を目指す展開になる可能性が出てきます。
週明け後、上昇を継続すると、今後の価格が下げても、22705円程度で下値を支えられる可能性が出てきます。
どちらの展開になる場合でも、8月から10月にかけての下げ幅は、5000円幅程度になる公算です。
下降を開始するスタート地点の違いだけで、8月以降、積極的な下げの流れへ入るという見方に変わりありません。

〇ドル・円相場が円高の流れを作ると、日経平均が下降を開始する公算か
ドル・円相場は、1995年と1998年の日米の協調介入を経過し、上下どちらへも行きにくい場所がはっきりしたため、1998年以降がだいたい100円から120円のレンジで推移しています。
2000年以降の値動きを見ると、円安が極端に進み、125円へ接近するか、125円を超えた場面が3回あります。2002年、2007年、2015年です。
2002年は、1月に135.1円まで円安が進みましたが、135.1円が戻り高値になった後、6月に120円以下まで値を押し戻されています。
2007年は、6月の高値124.12円が戻り高値となって、6月以降、ほぼ一本調子の円高の流れへ入っています。
2015年は、6月の高値125.85円が戻り高値となって、その後、円高の流れへ入っています。
過去3回は、米国の年度末へ向けて、ドル安になりやすい8月を前に戻り高値をつけて、はっきりとした円高の流れへ入っています。
今回も同様の展開になるなら、6月29日の高値137円が円安の終点となって、すでに戻り高値をつけた後の円高場面へ入っている可能性があります。
円高の見方が正しければ、11日は、7月1日の安値134.69円割れを目指す動きになる公算です。
前述した日経平均株価が27062円前後で上値を抑えられて、下降を開始する展開は、ドル・円相場が積極的な円高の流れへ入る過程であらわれる可能性があります。
週明け後、午前中から円高の流れを作るかに注目したい場面です。
