【日経平均株価は週明け後の価格が上昇しても、27062円前後が上値の限界になる公算】
〇 NYダウの7月は下げにくい時期

図表01は、NYダウの7月の値動きのパターンを示しています。
真ん中の「○」は、月足が陽線引けした年、「●」は、月足が陰線引けした年です。上ヒゲ、下ヒゲ、実体は、月足のそれぞれの部位の値幅になります。
1990年から2021年までの期間では、○が多く、月足が陽線引けした確率が75%もあります。
ただ、一本調子に上昇しているわけではありません。陽線引けした年の上ヒゲと実体を比較すると、上ヒゲの方が極端に長くなっている年が目立ちます。これは、中旬頃までに価格が上昇して、月末へ向けて上値を抑えられていることが多いことをあらわしています。
7月が中旬まで上昇して、月末へ向けて上値を抑えられる展開は、月足が陰線引けしている年にもあらわしています。
月足が陰線引けした8回の中で、1998年、1999年、2007年、2011年、2014年の5回は、300ドル近い値幅か、300ドル以上の値幅になっています(以前としては目立つ値幅です)。
これらの年の動き方を順番に見てゆくと、1998年は、月初から20日まで上昇して、20日から月末まで、上げた分以上を下げる展開となっています。
1999年は、月初から19日まで上昇して、19日から月末まで、上げた分以上を下げる展開となっています。
2007年は、月初から17日まで上昇して、17日から月末まで、上げた分以上を下げる展開となっています。
2011年は、月初から7日まで上昇して、7日から月末まで、上げた分以上を下げる展開となっています。
2014年は、月初から17日まで上昇して、17日から月末まで、上げた分以上を下げる展開となっています。
ほとんど同じパターンで推移しています。
一方で、7月の月足が陰線引けしたその他の年は、下げて戻る展開となっています。
1996年は、月初から16日まで一本調子の下げ場面となって、16日から月末までに下げ分の60%以上を戻す動きになっています。
2002年は、月初から24日まで一本調子の下げ場面となって、24日から月末までに下げ分の60%以上を戻す動きになっています。
2004年は、月初から26日まで一本調子の下げ場面となって、26日から月末までに下げ分の50%程度を戻す動きになっています。
7月に価格が下げて陰線引けしている年は、6月に戻り高値を確認するか、はっきりとした下げの流れを作ることで、7月が月初から下げの流れへ入り、一気に下げ幅を拡大する展開になりますが、7月中旬頃に押し目をつけて、月末へ向けて7月に下げた分の大部分を戻す展開となっています。
7月は、上げ傾向のある月ですが、積極的に価格が上昇するのではなく、下げにくい動きになっているという見方ができます。
本年のNYダウは、1月からの下げの流れを継続中の公算です。
7月の値動きの特徴とこれまでの値動きを考えると、想定できる展開には、2通りが挙げられます。
1つ目は、週明け後、上値を試す動きを経過して、再来週頃まで、6月28日の高値31885ドルを若干だけ超える程度の上げを経過して、上値を抑えられる展開です。
2つ目は、週明け後、すぐに下降を開始して、7月20日頃、29000ドル程度で下値を支えられて、月末へ向けて値を戻す展開です。
図表02は、NYダウ日足と7月以降の予想線です。
連休明け後、上昇するなら、青の実線、下げるなら、赤の実線の展開になると考えられます。

〇7月の日経平均株価は下げやすい

図表03は、日経平均株価の7月の値動きを示しています。
7月は、陽線確率37.5%と下げ傾向の強い月になっています。
NYダウと反対の展開になっているので、7月が異なる値動きになるのかといえば、そうではありません。
陰線引けした年の上ヒゲを見ると、1000円幅以上の上げ場面になっている年が目立ちます。
7月にNYダウが上昇する場面では、日経平均株価も上昇していることが多いのですが、上値を抑えられて下降する際、NYダウよりも日経平均株価の下げ方が強く、上げた分以上に下げています。
その結果として、7月の日経平均株価は、陰線引けしている年が多くなっています。
前述したNYダウの展開と、日経平均株価の下げやすさを考慮すると、日経平均株価は、目先の価格が上昇を開始しても、6月28日の高値27062円付近で上値を抑えられて、下降を開始すると考えられます。
図表04は、日経平均株価日足と予想線です。
連休明け後のNYダウが上昇する場合、日経平均株価は、図表04の赤と緑の実線のような2通りの展開が考えられます。
